英国紳士と言われると、スーツを着こなす、表紙の絵のような物腰柔らかな人物を想像していました。
しかし、彼らの中には、はっきりと階級を意識した、均一化した世界があるのだと冒頭で著者は述べています。
「紅茶にミルクを入れるタイミング」などの細かいところまで異なる社会は、想像できませんが、それは差別
...続きを読む的なものではなく、あくまで「階級に応じた振る舞い」だそう。
しかし、その階級の中でも、「ミドルクラス」は幅が広く、ロウアー(下流)とアッパー(上流)のあいだでは、歴史的に大きな溝があり、アッパーに憧れる「ロウアーミドルクラス」はいつも嘲笑の対象となっていたようです。
『「ロウアーミドルクラス(下流の階級)」が「アッパーミドルクラス(上流階級)」に近づけば近づくほど、アッパーミドルクラスはこの間の溝をはっきりさせようとする。』
『「リスペクダブル(もてはやされる人)」になろうとして身につけた習慣、趣味、持ち物が今度は逆ステイタスシンボルとなってしまう。』
アッパーミドルクラスと同じことをしようとすると、非難されてしまうのだそう。ここに、(少し違うかもしれませんが)日本でいうところの「成金」のような感じを抱きました。
イギリスに興味のある方は、この一冊も入れてみてはいかがでしょうか。