作品一覧

  • サルトル 失われた直接性をもとめて
    4.8
    真実にじかに触れることは可能か 私たちが、「本当の自分」に出会いたい、愛する人の心を見極めたいと思うのはなぜなのだろうか。想像上のもの、他者、過去や未来、社会……私たちの周りにあって、意識が直接到達できないものと接近し直観することの可能性を徹底的に考察したサルトル思想の真髄を問い直す。 [内容] I わたしは世界にじかに接している II 時間性あるいは自己からの距離 III わたしは他者に到達できない IV わたしを疎外する歴史と社会 サルトル小伝 読書案内
  • サルトル 失われた直接性をもとめて

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    コアになる以外の人物については、そこを踏破した先人のルートをまず倣いたいというのが、自分の考えである。
    道がどうできているか、何でできているか。そうした問いを全ての道へ向けることができれば文句はないが、それには時間が限られている。
    だから、そうしたものをいちいち解体するのではなく、道を歩くガイドの言葉で語ってくれる書籍に、自分は特に強い信頼と安心をおぼえる。

    そうした意味で、故梅木氏のこのルート取りは、サルトルという道を味わううえで格好のガイドであった。何より梅木氏自身も道だった。
    直接性をめぐって苦闘するサルトルと、彼をめぐって苦闘してきた氏。
    二つの道の味わい深さは、100ページあまりの

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    2011年12月03日
  • サルトル 失われた直接性をもとめて

    Posted by ブクログ

    わたしがサルトルを学ぶ上で最初に手にしたもの
    梅木さんの遺稿でもあります
    これを読んでから『嘔吐』を読むと新しい発見があるのかもしれない

    手に取るように頭に入ってきて容易に理解することが出来た
    あくまで本文の内容のことについてだけれど..
    サルトルの思想そのものの理解はまだまだこれから

    冒頭の”哲学をひもとくにあたって”の梅木氏の文章が素敵だと思う


    ジャン・ジュネは言う
    「サルトルは、その気になったら、どんな人間でも理解することが出来た。」

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    2010年01月01日
  • サルトル 失われた直接性をもとめて

    Posted by ブクログ

    まさに「人と人」の間、触れ合いにある問題を取り上げた、サルトル哲学の入門者向け良書。これは、哲学云々ではなく、人間関係・恋愛関係・自己追求の局面に対峙するすべての人へのメッセージであり、エールです!! 悩んでいる人程、読んでごらん。 著者は本書が遺著となった・・・・黙祷。

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    2009年10月04日
  • サルトル 失われた直接性をもとめて

    Posted by ブクログ

    著者のあとがきが感慨深い。いわくD1の時にサルトルが読めなくなったと。サルトル自身もフッサールについてそうした「汲み尽くし」があったと。その後の本書であっただけに、文章は流れるようでいながら、新たな驚き(可能性)と限界がちりばめられ、熱があります。

    ・サルトル的人間は、ひとりひとりが光を発し、世界を照射する光源のようなものです。その光は、それが及ぶ範囲で、真実を暴露し、絶対的な確実性を、つまり明証をもたらしてくれます。ただ、この光が強ければ強いほど、そのまわりの暗がりは深く、闇は濃くなっていくものです。P97※わたしという実存と世界や歴史との関係の深刻さ。

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    2016年05月03日

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