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3.71~2巻739~831円 (税込)届け先不明の想いが流れつく郵便局の物語。 恋人へ、10年後の孫へ、がんで急逝した夫へ、 11歳で天国に行ってしまった息子へ、祖父母の愛犬へ、ボイジャー1号へ・・・。 心に響き、心を揺さぶる手紙69通を収録。 これらは瀬戸内海の小さな島・粟島にある、不思議な郵便局に寄せられた手紙。 瓶に詰められた手紙が海を漂うように、 届けたくても届け先がわからない想いがブリキ製の漂流私書箱に集まる。 その名は「漂流郵便局」。 旧粟島郵便局を現代アートとしてよみがえらせたものだ。 胸の内に秘めた想いが綴られた手紙と、瀬戸内国際芸術祭作品としての精巧なしつらい、ゆったりと時がすすむ粟島の佇まい…。 涙とともに、なぜか懐かしく心地よく癒される世界へと、読む人を誘う。 【ご注意】.※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
漂流郵便局の成り立ちについて、本書のはじめに次のような注意書きがあります。
「漂流郵便局はプロジェクト型のアート作品であり、日本郵便株式会社との関連はありません」
そもそもは瀬戸内国際芸術祭2013の出品作品です。しかし、2020年8月時点においても、香川県の粟島に現実にこの郵便局は存在しています。
本書は2015年2月に発行され、2020年4月には2冊目の「お母さん」に向けて書かれた手紙を主にした本が出版されています。これまでに、いくつものメディアで取り上げられてきました。その結果、全国から届け先のわからない手紙が送られ続けています。
私も少し考えてみました。亡くなってしまった人だけでなく -
Posted by ブクログ
瀬戸内芸術祭の作品のひとつである、漂流郵便局に届いたお手紙紹介シリーズの第二弾。涙なしには読めない。作者のあとがき内の、届け先のわからない手紙を送るということの儀式性の話がとてもよかった。
「それはまるで自分の祈りかたを見つけるための通過儀礼のようにも感じられるのです」「大切なのは意思疎通そのものではなく、意思疎通を図ろうとする、その気持ちにあるのではないでしょうか」「心に重さはないのにもかからわらず、手紙というかたちをたどることで、床をも抜かす力になったのです」
わたしが生まれ育った瀬戸内海。そのなかの小さな島に、平等に想いを受け取ってくれる郵便局があること、そこが誰かが抱えているいろい -
Posted by ブクログ
どこかの小さな島の入り江、
雁木のある港の防波堤の端を
いっぴきの犬をつれて散歩させている
一人のおじいさん、
石の狛犬、朱い実をたわわにつけた山桃、
なぁるく湾曲ししている入り浜、
朝もやに包まれたオミナオシ、
一匹の白いシバヤギ、
古い家の軒下の細い道を右手にバケツを持って
野良着と頭を日本手ぬぐいでおおった
一人のおばさん、
そして
その細い路地を抜けると
視界がひらけて
白い平屋の郵便局が現れる
ここまでを
数枚の写真で読者をいざなってくる
そして
ここから
届け先のわからない手紙を
預かってくれる
漂流郵便局の
日常業務が始まっていくのです
この小さな島だから
でき -
Posted by ブクログ
201504.11
友人に誘われて行った漂流郵便局
軽い気持ちでてがみを手にしたら、そこに込められているパーソナルな気持ちと次々対面しててがみをめくる手がとまらなくなった
じんとするもの、悲しいもの、でも前向きなもの、未来の自分へあてたもの、にっこりするもの、すべてが絶妙なバランスでそこに収まっていた
この離島にあるちいさな郵便局は、たとえば現世と来世を、あるいは過去といまをつなぐ、天国のような場所だった。中田さんの笑顔と、話し方、すべてのてがみを受け取り、ひとつひとつに目を通して受けとめる。話していたら存在の大きさに涙がとまらなくなった。
「存在」というものについて、昨日からずっとぐるぐ