新潟で旅館を経営する著者のデザイン的思考。
旅館開業までのいきさつや、苦労話、経営哲学など他業界でもためになる内容である。
宿という単体ではなく、地域との関わりあいなど、町おこしにも大いに参考になるのではないだろうか。
著者の経営哲学やデザインに対する考え方はとても興味深く、分かりやすく丁寧に書か
...続きを読むれている。
「里山十帖」という宿の名前やそこに込められた意味からして、岩佐氏のセンスを感じる。
また、もともと「自遊人」という雑誌を発行していて、この宿はその延長線上にあるといった感じだ。
宿にある備品はほぼ購入可能である。
雑誌では実物を手に取り使用することはできないが、それを可能にしたのがこの宿である。
「里山十帖」という名前に込められた十の物語とは、食・住・衣・農・環境・芸術・遊・癒・健康・集である。
きっととてもよく編集された宿なのだろう。
宿泊料は決して安くはないけれど、本書を読めばその価格設定に納得するだろう。
是非一度訪れてみたいと思う。
また、今後どのように発展していくかも非常に楽しみである。