真木祐介のペンネームで書かれている、見田宗介氏の著書。
1977年に発行された。
自分は1975年生まれなので、ほぼ同い年くらいの本だ。
ドン・ファンやドン・ヘナロという名のインディオの生活から、現代社会を生きる知恵を探る試み。ドン・ファンはカスタネダというアメリカ人にインディオの知恵を授けていく
...続きを読む。そのカスタネダの書いた本を通して、著者はエッセンスを抽出していく。その結晶が本書。読後、著者の素晴らしい知性に圧倒された。ドン・ファンの教えは決して易しい内容ではないが、それを非常にわかりやすく概念化していく。著者の世代の知識人(エリート)の知性の高さには本当に驚かされる。
元々この本は、ジャーナリストである神保哲生さんと社会学者の宮台真司さんがやってる「マル激・トーク・オン・デマンド」にて、見田宗介氏の追悼番組で知った。宮台さんは見田宗介氏の弟子にあたるらしく、現在宮台さんが発する言葉の節々に、この本の影響が垣間見える。
自分は普段から宮台さんの発言に触れているので、この本の内容はスッと腹落ちした。それは、マル激を20年近く見続けているからだろう。いきなりこの本を読んだら、結構難しい内容だったと思う。
とりあえず読み終えたが、それほど長い本ではないので、また何回か読み返すと思う。都度、内容を頭に入れて身体で実践できるところまで内在化しないと、すぐに忘れてしまう。「今を生きる」ことや「生きている奇跡」を味わう、という感覚は、日々の忙しさに振り回されていると忘れてしまうので。
これを機に、見田宗介(真木祐介)氏の別の本も色々と読んでみようと思う。