若者分析の本です。とくにマーケティングに活かすべく研究された内容から若者を解説しています。2015年に30歳を迎えるよりも若い世代、そして、さらに若い2015年に23歳を迎えるより若い世代の二段階に若者を分け、分析しています。「ゆとり世代」「さとり世代」と呼ばる彼らですが、著者は「つくし(尽くし)世
...続きを読む代」という視点からも彼らを眺めることができる、と新たな光の当て方をしています。押し付けを嫌い自分で選ぶ感覚、ノット・ハングリー(脱根性論と言えると僕は思う)、せつな主義など、まず2015年に30歳を迎えるより若い世代の特徴から僕なりに見えたことは、他律性を嫌うところに幸せがあることを知っているということをとっかかりに、彼らにはロック移行の音楽の影響ひいてはミュージシャンたちの影響が多大なのではないかということです。押し付けを嫌うのも、ノット・ハングリーも、せつな主義も、70年代以降に浸透してきたロックなどをやるミュージシャンの歌詞や生きざま(生きざまはあくまでイメージ戦略だけの場合もあるでしょうけれど)に感化された親たちや、混ざり合った社会の空気を幼少時から吸って育ってきたがために、こういう人間になってきた、と言えるような気がしてなりません。「ゆとり」「さとり」そして指示待ちだとか批判もされる彼らですが、そんな価値観や考え方をもった彼らが世代として出てきたのは、わかりやすいところでさきほどは音楽だけに絞りましたが、もっと考えてみれば、彼らの存在は、音楽や映画、漫画などのサブカルチャーの勝利としての発現なのかもしれない。そう考えてみると、彼らへのイメージから悲観性が消えていきます。おもしろいじゃない、と思えてくる。