ローレンス・ブロックの編纂による美術品にまつわるアンソロジーの第二弾。書き手は、ブロックと交流のある著名な作家や著述家達で、基本はこのアンソロジーの為に書き下ろされた何れも宝珠の短編ばかり。
前作は、エドワード・ホッパーの絵画に触発されて書かれた作品集『短編画廊』。堪能できた一冊だった。
そして本作
...続きを読む。前作のヒットに続く第二弾の企画段階から完成にいたる経緯と熱い思いが詰まったブロックの序文から始まる。少々言い訳じみた文章なのにこの作品のコンセプトに魅せられた作者たちの内容にすぐにでも触れたくなる気にさせられる。心が踊る。
今回は、一人の画家の縛ることなく、豪華で広範囲な美術品にインスパイアされた短編たち。
ゴーギャン、ゴッホ、ルノワール、ボッシュ、ダリなどのビックネームの絵画以外に、ラスコーの壁画、北斎の版画、ミケランジェロ、ロダン彫刻と、贅沢そのもの。そんな内容の本につけられた邦題は『短編回廊』。
それぞれギャラリーとミュージアムを彷彿させるタイトルが、これまた上手い。当然、内容は満足の一言。