作品一覧 2022/08/31更新 アプレゲール 試し読み フォロー 君が殺された街 試し読み フォロー 点線のスリル 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 軒上泊の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 君が殺された街 軒上泊 あら、軒上泊。なんてひさしぶりなのかしら。 書店で文庫本を見つけたとたん、すぐ隠れてしまいたいような、昔すっごく仲が良かったのに、何故か知らないうちにいつのまにか疎遠になってしまっていた、そのことが悔恨となってどこかに沈殿していたみたいで・・・・・、あ、この際、私の気持なんかどうでもいいんです、で...続きを読むも、やっぱり名作は、いいものはいいと、ちゃんとわかっている方はいらして、こうして文庫化されたのを大喜びしています。 でも、オール讀物新人賞を得た『九月の街』を寺山修司が脚本を書き、東陽一が撮った映画『サード』となって私たちを興奮させ、その後の『べっぴんの町』も『八月の濡れたボール』も映画化されるに到って、大ブレイクの予感がしたはずなのに、何故か不幸にも軒上泊はそれほど読まれなかったような感があります。 あっ、リアルタイムじゃなくてあとから遅れてきた読者ですけれど、どうも客観的にみてそういう気がします。 3作とも少年院とか法務教官とか、彼の実体験が色濃く出た物語で、それはそれで他にはみられない目新しい題材だと思いますが、ひょっとして説教臭さが少しでもみえたとしたなら、どうもそれが疵となって皆が引いて行ったのかもしれません。 金八やルーキーズなど、学校ものや不良落ちこぼれ再生物語としてなら需要もあったでしょうが、あっそうか、『八月の・・・』は少年院の野球チームが甲子園を目指すというものでしたね。 それにしても、周りの誰よりもそうとう気にいって次から次へと読んできたつもりですが、私の注意不足かもしれませんが、ここ10年ばかり新しい著作が出ていない気がします。 たとえば、今をときめく時代小説の超人気作家になった佐伯泰英が、たった10年前には売れないスペインや南米を舞台にした冒険小説を書いていて、売れないから(私は、そのスペインもの、けっこうファンだったのですが)どうしようもなくて思い切って時代小説に鞍替えしたように、軒上泊も新たな転身を思案中なのでしょうか。 いえ、いまでも充分かつての作風のままで通用すると確信していますので、またぜひ書いてほしいと思います。 Posted by ブクログ 点線のスリル 軒上泊 主人公の身の上は私から見れば厳しい。 しかし、その賢さと勇気によって身を守ってきた主人公の強さが、この物語を読んでいる私の不安定な気持ちを支えた。 小学生のときに、先生に「強くあること、優しくあること」の両方を目指すように説かれたことを今も覚えている。 もう成人した私がまだできていないことを、この...続きを読む主人公はそれを自分のものにしていることが眩しい。 その強さや優しさは、本人の元々の気質もあると思うが、何より主人公が預けられた施設の長や、スタッフの支えの賜物ではないだろうか。 それがはっきりと知れるのは、施設を去る主人公に施設長がかけた言葉からうかがえる、芯からの優しさだと思う。 いい話を読めたし、読み応えもあった。 何より、真相が二転三転するのが面白かった。 描写は静かで派手さはないのに、内容を追うとかなり動きがあるのも面白かった! それでいて、一人の賢くてかっこいい少年が自分の過去と未来を取り戻していく過程が楽しかった。 Posted by ブクログ 点線のスリル 軒上泊 2歳で捨てられ施設で育った文人。ある時、アルツハイマーの老女と出会い、彼女のルーツを探ることになる。 序盤はちょっと厨二病くさい感じで、ちょっと読み飛ばし。途中から結末が見えてきたんだけど、それでも最後は何だか泣きそうになった。 どんな状態だとしても、生きていることを喜んでくれる家族がいるってい...続きを読むいな。 Posted by ブクログ 軒上泊のレビューをもっと見る