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ぼくが養護施設の前に捨てられていたのは、医者の見立てによると二歳になるかどうかの年だったらしい。「あやと」と名前だけ書いた紙しか置いてなかったのは、ぼくは親にではなく、誘拐犯にでも捨てられたからなのか。――中学校でも異物扱いのぼくは、卒業を前にして、十三年前のあの日を探し始める。今日までの点線の道を塗りつぶすために。ぼくの自分探しの結末は?
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Posted by ブクログ
主人公の身の上は私から見れば厳しい。 しかし、その賢さと勇気によって身を守ってきた主人公の強さが、この物語を読んでいる私の不安定な気持ちを支えた。 小学生のときに、先生に「強くあること、優しくあること」の両方を目指すように説かれたことを今も覚えている。 もう成人した私がまだできていないことを、この...続きを読む主人公はそれを自分のものにしていることが眩しい。 その強さや優しさは、本人の元々の気質もあると思うが、何より主人公が預けられた施設の長や、スタッフの支えの賜物ではないだろうか。 それがはっきりと知れるのは、施設を去る主人公に施設長がかけた言葉からうかがえる、芯からの優しさだと思う。 いい話を読めたし、読み応えもあった。 何より、真相が二転三転するのが面白かった。 描写は静かで派手さはないのに、内容を追うとかなり動きがあるのも面白かった! それでいて、一人の賢くてかっこいい少年が自分の過去と未来を取り戻していく過程が楽しかった。
2歳で捨てられ施設で育った文人。ある時、アルツハイマーの老女と出会い、彼女のルーツを探ることになる。 序盤はちょっと厨二病くさい感じで、ちょっと読み飛ばし。途中から結末が見えてきたんだけど、それでも最後は何だか泣きそうになった。 どんな状態だとしても、生きていることを喜んでくれる家族がいるってい...続きを読むいな。
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