作品一覧 2022/05/24更新 ディズニーランド 世界最強のエンターテインメントが生まれるまで 試し読み フォロー 三日間の隔絶 試し読み フォロー ロマンスの神様 202X 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 井上舞の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 三日間の隔絶 上 アンデシュ ルースルンド / 井上舞 / 下倉亮一 実際にスウェーデンを含む欧州諸国で問題になっている事柄に題材を求めながら、(スウェーデンの首都である)ストックホルムで執念の捜査を展開する大ベテランの警部と、息詰まる現場の闘いを勝ち抜く腕利きの工作員的な潜入捜査員との「ダブル主人公」というような体裁は、なかなかに読み応えが在る。本作は、その「ダブル...続きを読む主人公」の双方が、互いに助け合うべく各々の活動を展開して行くというようなことになって行く。 上巻の冒頭は「過去」という短い纏まりから起こる。 5歳の誕生日を祝ってもらったばかりであるという女児が「ハッピーバースデー」の歌を歌ってはしゃぎ、アパートの室内で飛び跳ねている。アパートの中には兄、姉、父母が在るのだが、彼らは一様に全く動かない。そういう中で女児は飛び跳ねてはしゃいでいる。 アパートの前に人が集まっている。子どもが騒ぐ声がして、妙な臭いが漂い、何やら異様であると近隣住民が通報し、警察が駆け付けていた。警察関係者の先頭に立っていたのはエーヴェルト・グレーンス警部だった。とりあえずアパートに踏み込むことを決したグレーンス警部は、その室内で父母と兄、姉が殺害された状態で、遺体が在るアパートで飛び跳ねてはしゃぐ女児を発見した。「一家惨殺事件」として、グレーンス警部を始めとする警察関係者は捜査に着手するのだが、グレーンス警部は発見された5歳の女児を保護し、里親に託すことが叶うように奔走した。 そして「現在」という本編が始まる。 グレーンス警部を訪ねて来た捜査員が古い書類を持って話をする。住居不法侵入と見受けられる事案で通報を受けて捜査をしていたが、嘗て事件が在った現場に相当し、古い書類に「何か在れば伝えられたい」とグレーンス警部の名を添えたメモが在ったのだという。グレーンス警部は、一課が殺害されてしまった中に取り残された5歳の女児を保護した17年前の件を思い出した。 グレーンス警部は、その17年前の一件を振り返ろうと、そして女児のその後に纏わることを知ろうと古い書類を閲覧しようとするのだが、異変に気付く。旧い書類が如何いう訳か無い。何者かが持ち去った、盗んだとしか考えられない状況だ。そうなると益々この件が気になってしまう。 グレーンス警部がこの女児の件、一家惨殺の件を調べ始めて、動き回ろうとしていた時、考え事をしていた何時ものカフェにエリック・ウィルソン部長が「やはりここに居ましたね」と現れる。そして発生した殺人事件の捜査を是非担当して欲しいと言い出した。グレーンス警部は断ろうとするが、ウィルソン部長は是非にと強く言う。一家惨殺の時と同じような具合に銃で撃たれていて、死亡したのは一家惨殺事件で被疑者として捜査線上に浮かんで、結局逮捕に至らなかった人物だったのだ。グレーンス警部はこの件に取組み始める。 他方、ピート・ホフマンである。潜入捜査員として様々な活動に従事した経過が在るホフマンだが、ストックホルムで落ち着き、妻、2人の息子、生まれた娘と家族で平穏に暮らしていた。警備会社を営み、順調に業務を進めてもいた。そのホフマンは謎の脅迫者に悩まされ始めた。ホフマンを潜入捜査員として最初に運用したウィルソン部長が当時綴った極秘書類が盗まれたか、勝手に写し取られたと見受けられ、ホフマンの正体を方々に明らかにしてしまう、また家族に危害を加えると脅し、要求する行動を取らせようとする。その行動とは、武器密売組織が新しい武器を売り出す宣伝のために、組織犯罪に殴り込んで壊滅的打撃を与えるということを求めるものであった。 警察の機密が漏洩しているらしいという状況下、ホフマンはグレーンス警部に接触する。そして2人の共闘が始まるのだ。 Posted by ブクログ 三日間の隔絶 下 アンデシュ ルースルンド / 井上舞 / 下倉亮一 スウェーデンの小説の翻訳である。ストックホルム警察のエーヴェルト・グレーンス警部が活躍するシリーズだ。加えて、潜入捜査員のピート・ホフマンも登場する。「ダブル主人公」というような体裁でもあるのだが、そういう体裁としては4作品目ということになる。 「警察の最高機密が漏洩?」という事態に思い至ったグレー...続きを読むンス警部と、潜入捜査員として活動した経過が在る凄腕のピート・ホフマンは問題の解決に向けて共闘する。やや遠い過去の事件がグレーンス警部の眼前に現れ、謎の脅迫者と向き合うホフマンの活動により、過去の事件の「裏」が引き寄せられる。そして「そう来たか?」という意外な結末が待っている。 こういう経緯で進む上下巻の物語だが、本当に一気に読み進めてしまった。過去のシリーズの中でも、本作は殊更に面白い。「機密の漏洩?」という事態で慎重であると同時に、大胆にグレーンス警部が動き、推論を巡らせる。他方で腕利きのホフマンは、事態の核心に着実に迫る。そして明かされる意外な結論である。 或る意味では「最もこのシリーズらしい」という魅力が溢れる作品かもしれない。かなり夢中になった。 Posted by ブクログ 三日間の隔絶 下 アンデシュ ルースルンド / 井上舞 / 下倉亮一 う~ん。読ませるなあという読後感。 ジリジリと迫るリミット。意表を突く展開。 時系列のズレがやられた。冷静に考えればそうなんだけど読んでる時には気が付かない。 大変な状況なんだけどホフマンとグレーンズ警部の協力体制が嬉しい。 ホフマンの子供たちとグレーンズ警部の交流が微笑ましい。もうホフマンを平穏に...続きを読む過ごさせてあげたいところだが、シリーズの次回作があることがわかっているので気の毒にも思う。 Posted by ブクログ 三日間の隔絶 下 アンデシュ ルースルンド / 井上舞 / 下倉亮一 2023.05.23 文句なしの傑作。 海外ミステリに二の足を踏んでいる人にもオススメ。 理由は読みやすいし、どんどん読み進めたくなる切迫感にあふれているから。 Posted by ブクログ 三日間の隔絶 下 アンデシュ ルースルンド / 井上舞 / 下倉亮一 めちゃめちゃ面白かった。 これを待ってたよ。三分間、三時間とパッとしなかったんだけど待ってた甲斐があったな。 まったく読めない展開。あらゆるところに仕掛けられた謎。繰り返されるどんでん返し。いったい真犯人は誰なんだ。先生、もうページを繰る手を止められませんっ!! 解説の人も前2作は無かったものの如...続きを読むく書いてたから気持ちは同じだったんだな。 しかし次は一気に三年!!? どうなることやら。。。 Posted by ブクログ 井上舞のレビューをもっと見る