この本を読んだことにより、視野がかなり広がった。
法務省によると2022年6月末時点の在留外国人数は約296万人らしい。
同年10月時点での日本の人口は約1億2,495万人なので約2%は外国人という計算になる。
外国人と共生する中で異国や民族の理解は不可欠と言える。
ほとんどが同じ民族の国家という
...続きを読む日本は世界からすると特殊という点は、言われてみればわかるが、あまり意識したことがなかった。
それぐらい民族という理解についての意識が薄かったので、かなり刺激になった。
歴史や宗教といった要素は民族の理解と切り離せないと感じた。
歴史の勉強は重要だと改めて思った。
行ったことがある国の民族などについては、たしかにそうだと思わされる点がいくつもあった。
マレーシアからシンガポールへ陸路で抜けた時は、街の様子や食事がマレー人の文化圏から中華系民族の文化圏へと一気に変わった点が印象的だった。
この本でシンガポールが建国された経緯を見て、納得感があった。
タイが微笑みの国と呼ばれるほど穏やかな国家なのは、支配された歴史がないからという点にはかなり納得ができた。
世界史についての知識がないので、タイがなぜ支配されなかったかが気になる。
イスラム圏はイスラム教の経典であるコーランが言語の統一をする役割を担っていたという点が興味深いと思った。
持論だが、言語と思考と文化は密接な関係があると思うので、言語の統一に利点があることは納得感がある。
ヨーロッパ(東欧など)は興味深かった。特に世界最大の広さである国家ロシアの民族事情は気になっていた。ウクライナはロシアからすると日本の京都のような場所であること、ロシアにはアジア系の民族もいたこと、国民があまりリーダー志向ではないという少し日本的な点があることが、印象に残った。
筆者が言うように、ロシアは日本の文化に近いのかも。
アフリカとはあまり関わりがない人からすると、アフリカ大陸の国家をアフリカと一括りにしてしまうことがあるが、アフリカ大陸には中東のような文化圏の国家や植民地時代かなり搾取されていた国、フランス文化圏やオランダ文化圏など様々であると知り、考え方がかなり変わった。
また、非常に失礼だが、アフリカ=貧困で経済的に未熟という印象があったが、思っていたよりも豊かな国があるということも勉強になった。
アフリカについてもっと知りたいと思った。
アメリカで起きる強い人種差別には、開拓のために奴隷が多く連れてこられたことや先住民の排除などが背景にある点が印象深かった。
オーストラリアやカナダも開拓地ではあったが、歴史的にそうした強い排除はなかったのが違いだったと述べられていたと記憶している。(もう一度読まねば)
アメリカの白人の中産階級が工場の海外への移転などにより、仕事が減ったことで貧困層になってしまったことも、人種差別がなくならない理由のひとつという点も知らなかった。
他にも色々感想はあるが、ビジネスや私生活で海外の方とやり取りをする上で、常識やマナーとして相手の民族や国を理解することは重要だと感じる。
繰り返し読んで記憶に定着させたい。