とても優しい視点を感じる本。
ただ優しいだけではなくて息を飲むような重い障害に、毅然と対処しようとする優しさ。
重障害を抱え、自らの身体能力ではただ生存することさえ難しい人たち。神経や筋肉が発達しないために動くことはおろか姿勢を保持することもできず、呼吸をすることですら体力を消耗する。思考や感覚が
...続きを読む朧ろで外界を捉えられず、すべての刺激に混乱と恐怖をきたす。
そういう人たちにとって、生きているとはどういうことなのか。彼らを生かしているとはどういうことなのかを静かに、真摯に考えている。
障害とは、人類が脈々と子孫を残し進化したりしなかったり無数の取捨選択の上での試作品なのだ、と著者は言っています。すでに彼らは闘って、何らかの痕を遺してきたのだと。
この考えがこの本の目玉だと思う。
これを読んで泣きそうになりました。
著者は世界を捉えられない人でも、太陽のしたで開く花のような原始的な気持ち良さを感じることはできる。その反応はとても細やかで、いつもは強ばっている筋肉が僅かに和らいでいるというような反応かもしれないけれど、それを与えてあげられるように思いやるのが重障害者への介護ということだと言います。
もしも私に障害があったらこの先生のもとで勇気をもらいたい。
もしも身近に障害を持つ人がいたらこの人のように接したいです。
ちょっと整理しきれていないけれど、これが感想。