ユーザーレビュー 和解という知恵 廣田尚久 自己の効用最大化を追求する交渉の技法に関する入門書は世に満ち満ちている。だが、コーディネータ、ファシリテータ、調停者の理論についての一般的な解説はめったにお目にかからない。それは、世の中は甲か乙の立場でバタバタする人が大半なのであって、調停の役目は弁護士さんかヤクザさんか、という特殊な「選ばれた」職...続きを読む業の人の、経験知に支えられたスキルで担うものだからであろう。 廣田が差し出すヒントは、よく話を聞く、普段から問題を多面的に捉えるための知識吸収に努める。アイデア出しに手間を惜しまない、などのマットウなものである。さらにゲーム理論や法哲学めいた背景も書き込んであり、単なるハウツーでない、とても面白い本になっている。 Posted by ブクログ 和解という知恵 廣田尚久 ターゲット層がいまいちよく分からない。 強いて言えば「紛争解決学」を学びたい人向けか。 最終章の「付帯条件付き最終提案」は面白そうだが,実践できるのは調停委員や仲裁人の立場の人間かもしれない。 Posted by ブクログ 和解という知恵 廣田尚久 衝突や訴訟ではなく和解を目指すべきであることを説く一冊。 和解するとはどういったことか、という基本的なところから、和解がもたらすメリット、注意すべき点とその大まかな手順も含めて、新書にまとめてあって役に立つ。 心理学や経済学の知識をベースに、ゲーム理論で損得をシミュレーションするなど、先を読む力が...続きを読む必要であることがよくわかった。 ゲーム理論については、訴訟ではなく和解でもなく、自分の損得を計算した上で結果を選択するブラック企業で働く従業員の例が出てくるが、こういう正確には「和解」ではないが、個人の心の中で「和解」するケースの説明が面白かった。 Posted by ブクログ 廣田尚久のレビューをもっと見る