「毒親」「毒母」という言葉がよく聞かれるこの頃なので、親子関係とくに母子関係に悩んでいる人は多いのだろうとはわかっていた。
「何かが上手くいったあとには必ず落とし穴が待っているような気がする」と物語の主人公が言うように、私も手放しで褒められることに居心地の悪さを感じてしまう。
これは子どもの頃に褒
...続きを読むめられた経験が少ない、もしくは叱られたり貶されたりした経験の方が多いことが要因かもしれない。
褒められて居心地悪そうな私に「じゃあ、どういう状況になれば素直に自信を持てるのか?」と聞かれた時に答えた言葉を主人公が作中でも言っている。
「上には上がいる。日本一にでもならない限り」安心して満足は出来ないのだ。仮にトップに立てたとしても、今度はその座を失うことの不安の方が大きくて喜べない。
これまでは「自分の育ち方」を振り返って今の思考パターンを意味付けしてきたけれど、本書によれば「母親の生育状況」を分析することの方が役に立つらしい。
もう折り返し地点をとっくに過ぎてしまったけれど(笑)自分の人生、自信を持って生きられるように。「子どもは生まれてから3歳までに親孝行を終えている」という言葉をかなり久しぶりに聞いた。子どもとしても、母としてもこの言葉を頭に置いて良い距離感を保っていきたいと思った。