イトーヨーカ堂の創業者の故伊藤雅俊さんの経営論の本です。原稿が書かれたのは、今から15年前なのですが、今でも新鮮さを失わない内容が驚きです。
根底にあるのは、商人は本質的に安易な方向に流れないたり、無用な贅沢をしないといったストィックかつ感謝の心を持っていきなくてはいけないとの価値観だと思います。
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これだけの成功をした人が「地位とお金は誰もが誰もが欲しがるが、それだけを目的に成功した人はいない」と断言されているのは意味深い内容に思います。
他にも成長より生存を考えよ、「攻めではなく守りを重視しろ」の考えもビジョナリーカンパニー等の経営書にも書かれている事であり日米ともに発展した企業にあるのは、創業者の確固とした考えである事が実感されました。
現在の日本が行き詰まり始めているのは、成長する事自体が目的となりすぎたからではないでしょうか。
本書を読みまして、そもそも企業とは何の為にあるのか、何の為にこの商売をしているのか原点に帰る事が、行き詰まりを見せ始めた今の日本経済を根本的に立て直す、第一のステップに思われました。