ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
大王製紙社長の長男として、幼少時代は1200坪の屋敷で過ごし、東大法学部に現役合格。27歳で赤字子会社を立て直し、42歳で本社社長就任。順調な経営、華麗なる交遊……すべてを手にしていたはずの男はなぜ“カネの沼”にハマり込んだのか? 創業家三代目転落の記。そして、刑期を終えたいま、何を思うのか――。出所後の独白を加え文庫化!
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
面白かった。 有能な経営者がカジノにハマっていく様子も面白かったし、カジノのシステムの話も面白かった。また上場企業の3代目の社長に上り詰めるまでの話も面白かった。 やっぱり優秀な人の前半生の話(特に本人談)は、読んでいてとても面白い。 評伝(自伝も)ってやっぱり面白いなぁと思う一冊でした。
自伝は真実が書いてあって勉強になりました。ビジネスの考え方としても学びになるところが多々あり、役立ちました。
【大王製紙の歴史】 1950年に朝鮮戦争が起きると、焼け野原となった戦後日本に活を入れるかのような特需が起きた。 そして朝鮮戦争末期の 52年あたりから「三白景気」と呼ばれる好況が続いている。 紙・パルプ、セメント、砂糖という3つの「白」が一気に売れ始めたのだ。 「三白景気」に後押しされて大王製紙は...続きを読む急伸張し、 56年には大証(大阪証券取引所)に上場、 57年には東証(東京証券取引所)に株式を上場している。 いわばベンチャー企業が、バブル景気の大波にうまく乗っかったようなものだ。 製紙業の最大の弱点は、膨大な設備投資を必要とする装置型産業だという点だった。 巨額の設備投資を回収するためには1年や 2年ではどうしようもない。 10年単位の経営戦略により、ようやく巨大設備の負債を回収したうえで利益を生み出していくことができる。巨額の設備投資と原料高が重なり、大王製紙は 62年に不渡りを出して倒産してしまった。 【大正製薬と永谷園のリーダーから学んだ経営哲学 】 もともと懇意にさせていただいていた大正製薬の大平明副社長と永谷園の永谷栄一郎社長と同じテーブルに。 「大正製薬の『リポビタン D』って、ものすごい量の CMが流れていますよね。広告宣伝費は売上のうち何%くらいかけているんですか」 2ケタに近い数字をかけているというのだ。「えーっ!? その数字って、ウチの製品の利益率をとっくに超えているじゃないですか。 CMみたいにパッと流れてパッと消えてしまうようなものに、よくそれだけのおカネを使えますね」 私がそう言うと、大平副社長と永谷社長は怪訝な顔をしてこう言った。「何を言ってるんだい。ブランドが残るじゃないか」 「僕らは 100億円単位の設備投資をしているわけですよ。年間の償却費が何十億円もかかるわけですが、形が残るものにおカネを投入する理屈はわかります。あとで形が何も残らない CMに何十億、何百億という予算をかける理由が理解できません。」 「こう言っちゃ悪いけれども、設備はおカネをかけたあとにしばらくは赤字を出すんじゃないの? 10年先も使えるかどうかわからない高い設備に何百億円もかけるほうが、我々から見たらビックリだよ」 大王製紙の経営者として、私は空虚な言葉だけの議論を徹底的に排除することにこだわった。 会議の席上、こんなことを言う人間がたまにいる。「コストを徹底的に削減し、営業部員との意思疎通、コミュニケーションを密にします」 こういう抽象的な言葉が飛び出したときには、私はすかさず具体性を問うようにしていた。 「『コストを徹底的に削減』って、どこのコストをいつまでにいくら削減するの? 『営業部員との意思疎通、コミュニケーションを密にする』って、メールを毎日 1通は必ず送るという意味? それとも週に 1回は必ず直接会って話をする?」 美麗な言葉を口にしてその場をごまかそうとする人間は、このような指摘をされると、とたんに言葉に詰まってしまう。 「コミュニケーションを密にする」など、何も言っていないに等しい。 「テレビ会議でもかまわないから、週に 2回は必ず開発部と営業部の会議を開く」といったように、具体案を述べなければ仕事は先へは進まないのだ。 私はいつも「 5 W 1 H」ならぬ「 5 W 2 H」を心がけていた。 「 5 W 1 H」とは「 when(いつ)」「 where(どこで)」「 who(誰が)」「 what(何を)」「 why(なぜ)」「 how(どのように)」を指す。 これに加え、私はもう一つの「 H」を重視していた。「 how many」もしくは「 how much」、つまりいくつ、いくらという具体的な数値だ。 問題は、結果が出なかったときに抽象論でお茶を濁すことだった。 すでに述べたように、大切なのは結果が良かろうが悪かろうが、自分の頭で考えて仕事をする姿勢だ。 芳しい結果が出なかったのであれば、担当の課長や部長と相談し、綿密にコミュニケーションを取りながらメソッドを修正していく。 今回の敗因をきっちり分析し、次につなげればいいだけの話だ。
【熔ける】井川意高 大王製紙元会長 1.購読目的 2011年上場企業大王製紙元会長が会社法違反で逮捕されました。 この書籍はその元会長が逮捕前に執筆しているノンフィクションです。 この事件からすでに10年が経過しました。直近「ふたたび熔ける」が出版されています。 元会長は、会社から106億円を個...続きを読む人的理由で借り入れし、流用していました。 ・どのような経緯で106億円?(事件の発端) ・どのような牽制で防止できなかった?(監査の視点) これを知るために購読です。 2.書籍を通じて初めて知ることができたこと。 ・有価証券報告書。106億円の賃借は記載あり。 ・監査法人による元会長へのヒアリング実施もあり。 ・7社から2年間で106億円。 上記の事件のあらまし以外に、元会長井川氏の「経営への考え方」も知ることができました。 ユニ・チャーム、P&Gの競合がいるなかでどのように利益をねん出していくか? 『課題そして対策は具体的であれ。抽象論では進まない。』 例;要注意。気をつけます。まじめにやります。しっかりやります。努力します。 次回は結果を出します。意識します。 3.学び。拡大解釈。 会社資金の用途は、キャッシュフロー計算上、営業、財務そして投資の3種に区分できます。 これは財務上の一般論です。 本質は、この3区分の資金がA;売上増加またはコスト削減につながったのか? B;ただ消費されたのか? であると認識できました。
この本の著者井川意高という人は、つくづく真面目な人だと思う。人間の持つどうしょうもない矛盾というか性(サガ)を持つ自分が翻弄されながら、なんとかなると思っていて、カジノで106億円の損失を出し、会社の特別背任罪で、4年の実刑を食らい、そして今は娑婆で生活している。 カジノは人生を狂わせ、ギャンブル依...続きを読む存症になるという典型の人として認知されている。106億円は、全て、自分が社長している会社から工面し、そして全て返済するほどの資産を持っていたのだ。返すことができたというのは自己完結はしている。また、大王製紙のいろんな事業では、井川意高は、赤字部門を立て直して、黒字にする優れたビジネスマンでもある。(本を読んだ範囲内の判断であるが) シンガポール マリーナベイサンズ のカジノのVIPルームで、井川意高の目の前にカジノのチップ20億円分がある。タネ金は、500万円から始まって、48時間で20億円になったのだ。さらに倍にしようとしている。それは、今までの借金を返済するための賭けである。運と偶然性のみが支配しているバカラの勝負に、全生命を賭けて挑んでいるのだ。しかし、淡雪のごとく20億円は溶けてしまった。井川意高の中では、20億円というお金は、記号や数字にしか見えず、そして借金を取り戻すことしか見えない戦いだった。なんだろう、このヒリヒリ感。500万円から20億円になった時点で、とりあえず、手を打てばよかったのだ。波に乗っている高揚感が、次を目指す。勝ち逃げしてまた次を狙えないという貪欲さ。井川意高には、リミッターやブレーキがない。だから尋常でない金額の106億円で負け、借金となる。ここまで、愚かでどうしようもない自分と付き合って生きて行くのは、楽しいだろうね。
■WHO(世界保健機関)は国際疾病分類に「病的賭博」という項目を設けている。アメリカ精神医学会が定めるDSM(精神疾患の診断・統計)にもギャンブル依存症の基準がある。ギャンブル依存症は「癖」ではなく国際的に「病気」とみなされている。 ■DSM-Ⅳ(精神疾患のマニュアル」第4版)を見るとギャンブル依存...続きを読む症の特徴が10項目にわたって綴られている。 ①賭博にとらわれている ②興奮を得たいがために掛け金の額を増やして賭博をしたい ③賭博を抑える,減らす,やめるなどの努力を繰り返し,成功しなかったことがある ④賭博を減らしたりやめたりすると落ち着かなくなる。又はイライラする ⑤問題から逃避する手段として,又は不快な気分を解消する手段として賭博をする ⑥賭博で金をすった後,別の日に取り戻しに帰ってくることが多い ⑦賭博へののめり込みを隠すために,家族,治療者又はそれ以外の人に嘘をつく ⑧賭博の資金を得るために,偽造,詐欺,窃盗,横領などの非合法的行為に手を染めたことがある ⑨賭博のために重要な人間関係,仕事,教育又は職業上の機会を危険にさらし,又は失ったことがある ⑩賭博によって引き起こされた絶望的な経済状況を救うために他人に金を出してくれるよう頼る
一般人にはうかがい知ることができない世界の話。明快かつテンポの良い文章で、世間的なザ・勝ち組の世界の話が広げられていく。 必要以上に卑下したところもなく、かといって驕っているところもなく、淡々と話を進めていて非常に心地よい。 ギャンブルに狂ってしまったことは間違いないのだろうが、井川氏の優秀...続きを読むさがひしひしと伝わってくる本だった。
一瞬でお金が何倍にも何十倍にもなる快感。はまってしまうのもわかる気がする。そして一瞬で大金を失ってしまう衝撃!それもある意味快感なのだろうか?
メジャーリーガー元通訳者の事件が連日話題ですが、著者の場合は額が違う。106億円ですもんね。紙を造るどころか溶かしていたということで、個人的には相当スキャンダルな一冊でした。続編も出ていますが、まずはこちらから。ほとんど溶かされたあとの、残り滓状態で書かれた極限の1冊かと思われ、こんなに書いていいの...続きを読むですか。と思わずにはいられない
youtubeやxのポストで井川さんを知り拝読。 幼少期の父親との関係、大王製紙に入社してから、カジノにはまり、逮捕される一連について。 第4章の家庭紙部門の赤字を黒字にするまでの手腕や考え方・抽象を許さず具体を問う姿勢などは仕事をする上でも参考になった。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 増補完全版
新刊情報をお知らせします。
井川意高
フォロー機能について
「幻冬舎文庫」の最新刊一覧へ
「ノンフィクション」無料一覧へ
「ノンフィクション」ランキングの一覧へ
熔ける 再び そして会社も失った
自民崩壊2.8
東大から刑務所へ
熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録
「井川意高」のこれもおすすめ一覧へ
▲熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 増補完全版 ページトップヘ