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第二次大戦後、ギャルヴィン一家はコロラド州に移住し、12人の子宝に恵まれた。しかし子どものうち6人に異変が起きる。修道士のようにふるまう長男、自分はポール・マッカトニーだと言い張る末っ子……。彼らはなぜ統合失調症を発症したのか。家族の闇に迫る
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Posted by ブクログ
数年前、オバマの年間ブック1位に選ばれ話題になった本。真っ直ぐすぎるタイトルと分厚すぎる厚み(とお高すぎるお値段、、)でしばらく避けてきたけど、読まずに生きるより読む人生が良い! と本屋で自分を奮い立たせ購入。大正解、圧巻の作品でした、ありがとうございました!! ドンとミミ夫妻に生まれた12人兄弟...続きを読むのうち、実に半分の6人が統合失調症と診断されたギャルヴィン一家を追ったノンフィクション。あとがきにもあるように、作中に出てくるエピソード全てが、膨大なインタビューや日記から起こされたノンフィクションという圧巻の作品。事実は小説よりも...的感想しか出てこない、ホント凄まじい読書でした。 兄弟各人のエピソードを追う章と、その当時の統合失調症の研究背景を追う章に分かれるが、とにかく前者の方が衝撃で、辛いと分かっていながら読むのを止められない感覚。それは、暴力や非人道的な治療、自殺やドラッグと、統合失調症を患った本人たちの苦しい描写が続く中で、統合失調症に「ならなかった」母親のミミ、そして12番目の末っ子・リンジーの存在があるからだと読んだ今思う。 もちろんミミの有無を言わさぬ教育スタイルが彼らの統合失調症の進行の一助になってしまったと、可能性という観点ではいくらでも言ってしまえるが、個人的にはミミがいなかったらじゃあ彼らの病状はもっとヒドいものになってたのではと感じる。そしてミミがいなくなったのちに結果的にミミの生まれ変わりのような立ち位置となったリンジーの存在も、ミミと同じく彼らを支えるものだった(と、信じたい、、)。 リンジーはジムを殺すことを考えた。たっぷり考えた。それから、そう考えたことに罪悪感を覚えた。だが、ジムと対決することよりもなお深刻な、彼女の最大の気掛かりは、母親に打ち明けなければならないことだった。母に信じてもらえなかったら?その時には、私もまた頭がおかしい子になってしまう、と彼女は思った。 母親のミミが亡くなる前後の終盤の章は、記憶を呼び起こすことで自ら傷つくことを恐れて家族から逃げる11番目の娘・マーガレットと、決して逃げないリンジーという構図になる。想像もできないが、もし俺自身は彼女たちの立場なら、マーガレットと同じく家族から逃げ続ける気がする。それは悪いことではなく、良い逃げだとも思う。けれど同時に、逃げずに向き合って考えて語り続けたリンジーがいなかったら本書は世に出なかったことを考えると、「リンジー、すげえ!ありがとう!」という感謝の念で一杯になります、マジでリスペクトです。 統合失調症の根本原因は未だ解明されておらず、本書が終わりではなく途中経過であるというのも、なんと壮大な世界なのかと圧倒させられる。ソフトウェアや機械学習の世界を生きる身としては、組合せ問題のような莫大な演算であれば少し待てば最適解あるいは近似解が得られるため、解けない問題はないように感じてしまう。けれど医学の世界は理論を積み重ねた上で、次はラット、そして人間へと実験対象を移し、しかも喩えその結果が「不正解」だったとしても、結果が出るのが数十年後という世界。 妊婦がコリンのサプリメントを摂取し始めた瞬間から、胎児が生まれて、統合失調症を発症しやすい思春期後に達するまで、追い続けている。フリードマンはニューヨーク州での授賞式で示唆したように、その結果が出るときまで生きていられないことは間違いない。 最後、リンジーの娘のケイトが、統合失調症の研究者であるロバート・フリードマンの研究室を訪れるというエピソードも映画のよう。 サイエンスとしても小説としても家族モノとしても読める大傑作でした、皆様時間を確保して、ぜひ電車でこの分厚い1冊を開いてください! 彼女がここに入れたのだから、家族がきっと途方もない寄付をしたに違いない、と一人がきつい冗談を言った。 ケイトは得意げな笑みを浮かべた。「寄付って、お金のことを言っているのですか、それとも生体組織のことですか?」
色んな意味で圧巻の一冊。 学生時代に医学を学んだ際に驚いたことの一つは、統合失調症の有病率が自分の想像よりはるかに高いことであった。日本には100万人弱の患者がいるとされるから、おそらく誰の周りにも程度の差はあれ患者はいるのだと思うし、こういった書籍を通じて、この疾患(症候群)の正しい知識が広まるこ...続きを読むとを願う。 そんな私も本作品を読む中で、一人また一人と発症していくこの疾患の恐ろしさ、患者に対する当時の社会の目の厳しさを改めて目の当たりにした。その一方で病態や治療法の解明に向けた研究者たちの奮闘には頭の下がる思いがした(医学版「フェルマーの最終定理」のような知的なスリルがあり、大変面白かった)。 一方で本書では、統合失調症を超えた普遍的なテーマもいくつか描かれている。 一つは声の上げられない人たちと、それを意識的あるいは無意識のうちに抑圧している人たちの構造である。前者には統合失調症の患者だけでなく年少者や女性が含まれ、それは時には虐待や性的暴行という形で表れる。もう一つは家族や知人による無私の優しさであり、救いの手の尊さである。それはメアリーを救い、そして救われたメアリーは家族を救うことになる。この作品を読みながら、自分ははたして抑圧する側に回っていないか?自分は適切に手を差し伸べることができていたのか?と自分の過去を何度振り返ったかわからない。
かなりのボリュームがあり、また和訳独特の表現で読みづらさはあるが、素晴らしい作品。 ノンフィクションであることの事実が強烈である。 統合失調に立ち向かい、苦悩する家族の姿が心を打たれる。 遺伝により自分や子供が統合失調になるかもしれないという恐怖は並大抵のものではない。 マーガレットとリンジーの2人...続きを読むの姉妹の勇気は素晴らしい。
最後未来に繋がって、こんな綺麗に終わってびっくりした。 家族ドラマすごい 両親は子供をたくさんもうけすぎたところ以外は至って普通だし、どちらかというと恵まれた人たち あとがきで訳者も書いていたけど、本当にもしあなたがこの家族に生まれたら、、っていうのが遠くない話だなと思った。 ただ、これは本当に私...続きを読むの所為なんだけど カタカナの名前ピンとこなくて誰が誰なんだかぐちゃぐちゃのまま読んでいって終わってしまったので、これが分かりながらだったらすごいのめり込んだかもな。なので映像化してほしさある
オバマ前大統領がその年のベストブックに選んだ作品。12人の子供のうち6人が統合失調症になった家族の実話に基づくルポタージュ。精神疾患は遺伝なのか環境なのかを探る丹念な取材に基づいた素晴らしい本。
統合失調症、聞いたことはあったけれど、どんな病気なのか知らなかったが、この本を読んで、「怖い病気なんだな…」と思いました。 統合失調症とは、100人に1人弱がなる病気。 また、この本はノンフィクションなので、尚更統合失調症の実態について、身近に感じた。
「障がいを持つ子供が既にいるのに次の子供を作る」のはどうして?と私には思っている部分がある。 この本は統合失調症が12人兄妹の半分に出た家族の話だ。統合失調症は遺伝か?環境か?簡単に思える区別だけど、同じ遺伝子を持つ家族はたいてい一緒に暮らすので同じ環境に置かれる、ということに気づいた。また環境とは...続きを読むすなわち母親の育て方と見なす、という事も。 ギャルヴィン一家は子供たちが学生のころは、親の欲目もあったかも知れないけれど、どの子も優等生、スポーツが得意、ハンサムと羨ましいほど素敵だ。家庭は軍属の父親の影響で規律的で貧しすぎることもなく、母親の音楽の趣味も良い。 だが、成人して何らかの拍子に素っ裸になって奇行をしたり、妄想に苦しんだりおかしくなってしまう。また危ういながらもそうはならなかった兄妹もいる。(症状が出たのは全員男性なので、女性の方が若干丈夫なのかもしれない) 間に挿入される女性研究者リン・デシリの人生も凄い。大学時代の妊娠、夫の転勤、という困難に負けず、長距離の通学をこなしたり、職場の男尊女卑にあったり。 脳の萎縮、遺伝子の特徴による脆弱性など、彼女たちの発見で統合失調症がストレス等外的要因だけではなく、身体的なものに由来することもわかった。ただ、薬だけでは制御は難しいようなので、統合失調症になってしまっても回復する方法が解明していくとよいなとおもった。
こんなにも壮絶でフィクションのようなのに、ノンフィクション。分厚いし、字も細かいし、手に取ったときは読むのは大変な気がするけど、とにかくこの読後感はすごすぎるので読んでほしい! 自分の気持を伝えられない兄弟は、言葉にできているならば何を感じていたんだろうなどと考えてしまう。でもやっぱりリンジー!セラ...続きを読むピーをきっかけに自分を、自分の家族を見つめ直し、そんな家族のために動ける。すごいことだと思う。かっこいい!他の兄弟の在り方だって理解できる。自分がその立場だったら…考えようとしても想像すらできない壮絶さだった。 そして何より驚きなのが、本当に時代背景が最近で、こんな治療が行われていたんだと思ってしまうようなものも、まさに現代のことだという衝撃。統合失調症ってまだまだ未開の症状なんだなぁと改めて思いました。
まさに事実は小説より奇なり。 装丁写真の、あどけない少年たちのかわいいこと。 精神疾患をもつ人と仕事で関わったこともあり、不謹慎かもしれないが、彼らのもつ独特の世界は興味深いと感じる。 ミミが子どもの気持ちを受け止められないところは反面教師にしたいが、ミミ自身も虐待を受けていた。 辛い描写が多いもの...続きを読むの、リンジーが信頼できるセラピストに出会って、自分を取り戻していく姿には救いを感じた。
これを読む前に 「言ってはいけない」橘玲 「サイコパス」中野信子 「ギフテッドの光と闇」 を読んでおり、それらから得た知識が下地にあったので非常に内容がわかりやすかった。 子供が12人と多く、発狂した順番もばらばらでかつ愛称で呼ばれると「誰だっけ?発狂した子かな?してない子かな?」としょっちゅう確...続きを読む認することになったがこれは仕方ないかなと。 これらの他にも、ちょっと本の題名を忘れてしまったが、一卵性双生児を対象に環境の違いで精神疾患を発症するのかどうかを追跡観察をした本とも照らし合わせると、 統合失調症やサイコパス、自閉症など、精神に何かしらの「異常」があるのはほぼほぼ遺伝が原因であるのは間違いなく、 その保有してる遺伝子が①環境の影響関係なくそのまま発症する、②環境で抑制され発症しない、のパターンがあり、要するにそれこそ保有比率が「人それぞれ」なので遺伝子持ってても発症するかどうかは「人それぞれ」。 この12人の子供のうち6人発症というのは近親婚でもないのに非常に高い確率で、発症しなかった子供らもいつ自分が発症することになるかと怖くて仕方なかっただろうと思う。 ただ、同じ家庭でも立場が違えば経験が違うので、その差異が結果的に大きな分かれ目であったのだろうと推測される。 このように原因の主たるものはその遺伝子の保有の有無なのだが、当然の如く、これを言ってしまうと「じゃあどっち(夫か妻か)のせいなんだ」という話が必ず出てくる。 しかしながら自閉症はともかく、統合失調症の場合は公には原因遺伝子が確定されていないため、どちらかのせいということは決められないので結局は不毛な言い争いになるだけなのだが、わかっていながら相手の帰責性を求めてしまうのは人間の悲しい性だなぁと思った。 この家族は人数こそ多いものの、どことなくばらばらで個々がそれぞれ違う方向を向いて1人でもがいている人が多いように感じた。 もちろん仲良し組もいたけれど、いつも行動を共にしていて精神的な支えがあったように思える子も次々発狂してしまっているので、相棒と呼べる存在の有無は発症の抑制剤にはならないのかもしれない。 まぁ要はどんな環境が抑制剤になってくれるのかってのもわからんということ。 逆に性的虐待は決定的な引き金になりそうだけど、性的虐待を受けた男子は発狂し、女子は発症していない、というのもなぜなのか不思議ではある。それほど遺伝子の割合や子供の性格、プラス環境の組み合わせが複雑なのだろう。 本書にあるように、統合失調症の原因遺伝子の確定や治療については今後も研究の必要性が高く、この家族の1番末っ子(=発症しなかった子)が家族の面倒を見ながら協力していく、という形で終わっているが、その成果が少しでも実を結ぶようにと願ってやまない。 また、こういった遺伝子に原因があると言い切ると差別だなんだと叩かれやすい昨今だが、差別ではなく理解に繋げていければいいと思う。 遺伝子レベルの問題だったら後からそう簡単にどうこうできるもんでもないので、それだったら最初からそうなのだと周知しておいた方が対応の仕方も考えられるしお互いのためではないだろうか。 こういうのは、差別じゃなく区別。 花粉症ですだとか食物アレルギーありますってのも遺伝要素が大きいとされてるのに、それは単に区別で済んでるのだからこういうのもそのうちそうなればいいと思う。 区別したものをそうと認識して生きていくのってあたりまえであり自然なことで、それを非難する最近の風潮はちょっと過敏になりすぎというか、変に人権の意識高いですアピールしてるだけのように思える。 まぁこんなこと書くと叩かれるかもしれんけど、私個人がこの本読んで思った感想ってだけなんで、ふーーんって流してもらえるとありがたいです。
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