山本健吉の作品一覧
「山本健吉」の「奥の細道」「いのちとかたち 天際の借景」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山本健吉」の「奥の細道」「いのちとかたち 天際の借景」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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山本 健吉
1907年~1988年。長崎生まれ。本名、石橋貞吉。父は評論家・小説家の石橋忍月。慶應義塾大学国文科卒。改造社に入社、「俳句研究」の編集に携わる。文芸評論家として古典から現代文学に至るまで幅広い評論活動で知られる。『芭蕉』で新潮社文学賞および日本芸術院賞、『古典と現代文学』で読売文学賞、『いのちとかたち』で野間文芸賞を受賞。1969年、日本芸術院会員。1983年、文化勲章受章。『俳句鑑賞歳時記』、『俳句とは何か』(共に角川ソフィア文庫)、『基本季語五〇〇選』(講談社学術文庫)など著書・編著多数。
三月四日(昭和五十三年)、越路吹雪の第二十五回リサイタルの初日。一曲歌った
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歳時記の季語を、歳時記の編纂者が随筆風に解説しつつ関連する俳句を紹介していく内容だが、あまりに高踏的なので途中からなかなかノリについて行けず読み進むまでに時間がかかった。上皇が音読しているというから、それもそのはず。
一旦慣れれば面白く、著者の興味が国語だけでなく、風土の方にもあり、民俗学に近い記載が多いことがわかる。雅語よりも市井の人々の暮らしの中で使われた言葉や、漁師の風の呼び方の方に肩入れしている。2020年の梅雨は長く、8月になった途端に真夏になったけど、こういう自然の上で生活しているんだなと妙に実感を持てた。
「末黒の薄」、「蛙のめかり時」、「卯の花腐し」など、由来の怪しい言葉があっ
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歳時記にならった構成となっており、春・夏・秋・冬・新年に章分けがなされ、それぞれ時候・天文・地理・人事・動物・植物の順に、それぞれの季語を含む句と、それに対する著者の鑑賞・批評が収められています。なお、著者の季語についての研究成果は、『基本季語五〇〇選』(1989年、講談社学術文庫)にまとめられており、本書はあくまで著者の鑑賞・批評に眼目があるというべきであるように思われます。
「道のべに阿波の遍路の墓あはれ」という高浜虚子の句をめぐって著者は、「遍路は春の季語であるが、「遍路の墓」では季感を持っていないのである」と述べ、さらにつづけて「このような句を見ても、季語の存在意義が季感にないことは
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『山本健吉俳句読本』の第一巻として刊行された本を、再編集したものです。
著者は、俳諧が連歌にその源流をもっているということに着目して、談笑の場における諧謔精神を受け継ぎながらも、それを芸術的に昇華したところに、俳諧の本質を見ようとしています。そのうえで、ディアローグにおいて成り立つ芸術として俳諧をとらえなおし、その本質を「挨拶」や「滑稽」ということばによっていい表わそうとしています。
著者のこうした俳諧論は、桑原武夫の『第二芸術論』とひとまとめにされて、俳句に対する批判だと誤解されたことがあったと著者は回想していますが、他方で著者は「純粋俳句」ということばで、俳諧のあるべきすがたを積極的に
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北千住から大垣まで歩いて旅をしてこの話は終わるが、最後はやはり次の旅へ行くところで終わる。
ただの旅行記ではなく、そこは歌人、歌枕を巡り歌を書きつつ各地をめぐっている。但し同行している曽良の書いた曽良日記が記録であるのに対し、こちらは旅順を変えて書いたり景色の描写をちょっと工夫したりと効果的な描写にするため少し創作的な一面を入れている。大幅には改編しておらず、物語にならないようあくまで歌の記録的側面が強いと思われる。
また、古典からの有名な描写を交えつつ記録しているので解説があるのはありがたい。この本は原文、和訳、解説、歌の解説というような順で載っているので読む人のどんなニーズにもあう構成。講