作品一覧
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4.1
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
哲学書やん
まず最初に来たのがこれ
まぁ、私前々から繰り返し言ってますけど、SFって結局哲学なんですよ(自分自身が初耳)
なのでまず「哲学」って何よ?ってところから始める
「哲学」ってのはね、要するに「人が幸せに生きるためにはどうするか」を考える学問なんです
つまりこの本を読んで、これは「人が幸せに生きるためにはどうするか」を書いた物語だと感じた
ということになるわけ
でね、何を「幸せ」とするかって結局人によって違うわけじゃん?
なのでこの本を面白く感じるかどうかってのも人によって違うわけ
そしてものすごい当たり前のことを書いている自己認識はある
かろうじてある -
Posted by ブクログ
近未来もしかしたら人間は人工知能と融合し、物事を全て合理的に考えられるようになり、不幸だと感じることはなくなるほど幸せな人生を永遠に送れるようになるのかもしれない。そこには死もなく、人との別れもなく、現在を生きている私たちから見ればつまらない人生に思えてしまうと思うが、融合した人から見ればそんなことは取るに足らないだろう。むしろ、老いも死もある私たちが、なぜ変わろうとしないのか理解できないと言うだろう。
この物語の主人公は半分機械、半分人間のような存在である。永遠に25歳の身体を持ち、家族の死を経験しても涙ひとつこぼさない彼女を私は好ましく思う。
彼女の言葉はどこか諦めた感じがあるが、優しい -
Posted by ブクログ
賛否が分かれる話題作のようで、気になって読んでみた。奇を衒った話題になりたいだけの本の可能性もあるな、と斜に構えて読み始めた。
すると、時々語られる主人公の素の考えの部分が、あまりに自分と同じでびっくりした。進化して才能を得て若返った自分がこれを書いているんじゃないかと思うほどに…
そして、だんだん引き込まれ、106ページからが素晴らしかった。最後の方は、もう融合手術を受けた設定がどこか行ってしまったのではと思うほど人間味があった。
1章は漢字がたまに混ざる程度のほぼひらがなだった文が、2章では読みやすい書き方へ、3章は全部ひらがな。この移り変わりの意味や、そこから読み取れる主人公の移