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SF・ファンタジー 12位
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2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」は、これまでの人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める。それは約100年前、身体が永遠に老化しなくなる手術を受けるときに提案されたことだった
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Posted by ブクログ
ちょっした衝撃を受けました。ひらがな文章は読みづらいですが、我慢して読み進めて欲しいです。哲学のようなSF!主人公の名前を明かさない意図を想像したい。いや、理由を知りたい。
哲学書やん まず最初に来たのがこれ まぁ、私前々から繰り返し言ってますけど、SFって結局哲学なんですよ(自分自身が初耳) なのでまず「哲学」って何よ?ってところから始める 「哲学」ってのはね、要するに「人が幸せに生きるためにはどうするか」を考える学問なんです つまりこの本を読んで、これは「人...続きを読むが幸せに生きるためにはどうするか」を書いた物語だと感じた ということになるわけ でね、何を「幸せ」とするかって結局人によって違うわけじゃん? なのでこの本を面白く感じるかどうかってのも人によって違うわけ そしてものすごい当たり前のことを書いている自己認識はある かろうじてある
近未来もしかしたら人間は人工知能と融合し、物事を全て合理的に考えられるようになり、不幸だと感じることはなくなるほど幸せな人生を永遠に送れるようになるのかもしれない。そこには死もなく、人との別れもなく、現在を生きている私たちから見ればつまらない人生に思えてしまうと思うが、融合した人から見ればそんなこと...続きを読むは取るに足らないだろう。むしろ、老いも死もある私たちが、なぜ変わろうとしないのか理解できないと言うだろう。 この物語の主人公は半分機械、半分人間のような存在である。永遠に25歳の身体を持ち、家族の死を経験しても涙ひとつこぼさない彼女を私は好ましく思う。 彼女の言葉はどこか諦めた感じがあるが、優しい。最終的にその優しさは、彼女が他人に自分を愛させるためであると彼女自身、自覚するのだが、それは人間誰しもが持つ感情であり、半分機械でありながらそういう感情を持っているところが好もしいのだ。彼女は自分が恋人の人生を「奪ってしまった」ことを忘却することも拒んだ。「幸せになる」=「マイナスの感情を忘れ去ること」と私は今まで思い込んでいたが、決してそうではないことをこの物語は教えてくれた。
賛否が分かれる話題作のようで、気になって読んでみた。奇を衒った話題になりたいだけの本の可能性もあるな、と斜に構えて読み始めた。 すると、時々語られる主人公の素の考えの部分が、あまりに自分と同じでびっくりした。進化して才能を得て若返った自分がこれを書いているんじゃないかと思うほどに… そして、だ...続きを読むんだん引き込まれ、106ページからが素晴らしかった。最後の方は、もう融合手術を受けた設定がどこか行ってしまったのではと思うほど人間味があった。 1章は漢字がたまに混ざる程度のほぼひらがなだった文が、2章では読みやすい書き方へ、3章は全部ひらがな。この移り変わりの意味や、そこから読み取れる主人公の移り変わりを考えてみるのも読後の楽しい作業だった。 ○融合手術を受けて、いろんなものがわたしから消えていったのに、他人からちゃんと愛されてみたかったっていうのは、どうして消えてくれなかったんでしょうか、… ○人間から人間へ、罹って罹らせて繰り返してしまう何か、自分の力だけではどうしようもない何かが、生まれて生きるの中にあるんでしょうか、わたしにはどうにもできなかったんでしょうか… この心の叫びのような二つの文章がとても心に残った。 主人公がこれからしたいことまで自分と同じで、作者に会ってみたくなった。 子供が大好きなプロ棋士の永瀬拓矢さんの話がたくさん出てきたのも嬉しく、より親しみを感じた。 私にとっては心が通じ合える友達に出会ったような、特別な一冊になりました。
最初から話の中に引き込まれ、とても読みやすかったです。ひらがなの多い文体は、最初読みづらさを感じたけれど、すぐに慣れ、その意図を知るとそれを表現する上で有効で、私は好きです。 ディープな内容だと思うけど、淡々とした語り口だからかスルスルと読め、引き込まれました。 最後の決断はとても人間的だと思い...続きを読むます。 とても切なく、感情が込み上げてくるものがありました。暖かい光が差し込む様な、そんな結末だと思いました。 普段SFはほとんど読みませんが、 好きな本です!
ひらがなだらけの子供の作文のような文体も、ゆう合手術をうけた主人公の、感情の少ない冷徹な心をうまく表現してる。 名前も明かされない、主人公が受けた虐待の悲しみ。しかし他人を語るかのように、無常な語り口でたんたんと綴られる家族史。 自殺措置(安楽死)ができる未来の世界、本当にいつかこんな未来がきてし...続きを読むまいそうな気もする。 すみません、よくわかりませんでした って、つい言っちゃうの、笑えないよ…。 トムラさんからの、記憶を消去したり調整してはどうかという提案も断る主人公。何もかも忘れて自分だけが幸せになるということに、違和感を感じることができた。 最後の主人公の行動は、まだ人間らしさが残ってると感じる選択で、でもものすごく読後は重たい気持ちになる。 記憶を消去したり調整すること、 記憶が死ぬこと、 嘘だらけの世界で自分だけ幸せに暮らす事、 そんな状況が、個人的に認知症の母と重なってしまい、これ、認知症の話??って気がしてくる。 自分は生きてるってことを実感したくなる。 とても素晴らしい作品でした。
ひらがなが多くて読みにくいところも多かったけれど、それに意味があるから読み切った。 読書会したら面白そうな小説だったな。 読んで良かった小説だ。
あらすじを読んで、絶対に読みたいと思っていたのが、実際に読むと本当にドストライクなSFだった。 出てくる曲や動画が実在するもので、書き手の言葉なども現代っ子っぽい雰囲気があり、気が抜けるのにシリアスだった。私は「わたし」とは全く違う人生を歩んでいるのだけど、「わたし」の言ってることは、すごくよくわか...続きを読むる気がした。 過去の自分を救えるのは、結局、いつかの自分なのだ。
約120ページの中編でお値段が1,430円なのでちょっと割高かなと思ったが、この作品が第11回ハヤカワSFコンテストの特別賞ということで、作者への御祝儀として購入した。SFマガジンにも既に掲載されていたこともあり本当に購入を迷った迷った。 さて、作品の方はと言うと、最初から大量のひらがなで面喰う。ひ...続きを読むらがなのみの文章は非常に読みにくい。文章の切れ目が判らず、なかなか読むスピードが上がらない。継続して読むのにかなりストレスが溜まる。その打開策としていろいろ試みたが、小さい声で音読しながら、つまり朗読しながら読むと少しはスピードが上がり、理解力がようやく高まった。本当に難儀する作品だ。最初から2/3は殆どひらがなで進むが、途中、未来の能代市の話になった時に、突如として漢字が通常量の文章になってホッとした。やはり漢字って偉大だな。そして最後の10ページでひらがなに戻る。朗読朗読、10ページで良かった。しかし、この様にひらがなと漢字を使い分ける理由は何かと考えた。感情の多寡、昂ぶりの表現なのかもしれない。最初、ひらがな中心の文章で奇をてらう、ひらがな部分は要らない、単なる水増しではないか、といろいろ考えたが、全部読み終えてからひらがな記載の意味、効果が判った様な気がする。ひらがなに慣れ始めた頃に、急に漢字中心になり読むスピードが急上昇し、感情の爆発で一気にクライマックスとなり最後はひらがなで静かに終わる。私は作者の作戦にまんまと嵌ってしまったようだ。途中で読むことを放棄しなくて本当に良かった。良い本に出合えた。流石に賞を貰うだけのことはある。でもこの手法は一回きりだからね。 この作品は第11回ハヤカワSFコンテストの特別賞する一方で、矢野アロウの作品が大賞となった。SFマガジンでは審査の際にかなり揉めたと言う。審査員のうち、東のみが強力に推したものの、菅と塩澤の抵抗にあったようだ。ということは、大賞はきっと私をもっと感動させてくれる作品なんだろうね。後でしっかり読まさせて貰いまっせーーー!
著者が本作で第11 回ハヤカワSF コンテスト特別賞を受賞し、作家デビューされたこの作品は話題となっていて、週刊売上ベストテンにも入っていて、気になっていました。 まずはその装丁、表紙に驚かされます。今までにカバーに本文が印刷されている作品を私は知りません。 そして次に驚くのが主人公が マシン...続きを読むの手だから疲れないけれど、漢字は画数が多くて面倒、面倒臭いものはひらがなで書いてしまおうと思う(画数以外原文ひらがな)本文p5抜粋 という理由で、家族史のほとんどをひらがなで書いているため、普段漢字、カタカナ、ひらがなで文章を理解してきたものにとって、これはキツかったです。 日本語が、漢字、カタカナ、ひらがなで書かれているありがたみをこんなに感じると思いませんでした。 主人公が書いている時代は今から10年後の世界ですが、家族史なので、彼女の家族の有り様は現代社会の問題点を鋭く指摘する内容になっていました。 主人公の出産で、妻を亡くした寂しさを、娘を偏愛することで生きる父親。 3Dプリンターか何かで人工身体を作って行う融合手術は、2021年から老化に対する治療法として認められた自由診療ではあるものの、父親による過度な希望で手術を受け、永遠の命を授かってしまう主人公。 永遠の命ではありますが、体はもはやロボットに近く、兄姉はもとより手術を望んだ父でさえ距離を置く存在となってしまい、主人公が最後に看取るのは、唯一彼女を愛した甥のみという寂しい人生です。 私も年齢を重ね、老いを心身ともに感じることが多いですが、若さを求める気持ちは無くなりました。外見だけ若さを保っても無意味に思えます。 2123年地球が気候変動、海面上昇の影響で近い将来人間が住めなく星になるとわかり、住める確率50%の地球から約5光年離れた惑星に向かって人類が12月25日に出発することが決まり、主人公も同乗を勧められますが、地球に残ると決めます。 人生でたった一つでいいから、私は間違ってなかったって思うことがしたいんです。(中略)自分を許して、忘れることって、これから生きていくには、とても大切なことだと思います。そうじゃないと、人は生きていけないから。p 114(原文は全てひらがな)本文p114抜粋 最後は人生観に至る主人公。これからの地球の未来、まだまだ深く読めそうな作品でした。
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間宮改衣
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