作品一覧
-
4.0「お前は鳩に選ばれたのだ」 小森椿27歳、会社員。 鳩に謎の使命を背負わされる! 文学界を席巻する新星が放つ、 摩訶不思議な鳩をめぐる物語。 一人暮らしのベランダに突然、真っ白な鳩がきた。 怪我をしているらしく、飛び立つ気配もない。 小森椿は仕方なく面倒をみることにする。 白鳩に愛着がわいてきた数日後――。 帰宅途中、謎の男に奇妙な宣告を受けた。 「お前は俺の次の『鳩護』になるんだ」 鳩を護ることを宿命づけられた者。 それが鳩護だという。 なにその宿命? どうして私が? 混乱する椿をよそに、 白鳩は椿の日常を否応なく浸食していく! スピンオフ小説『福田さんの白い羽根』収録。
ユーザーレビュー
-
Posted by ブクログ
自分の親さえ知らない主人公は、狩猟を生業とする男に拾われて育った。生まれて此の方生活の大半を山に依存している。街に出ないわけではない。必要最小限のものを買うために遠い街まで出かけるのだ。金がない。狩猟で得た肉や毛皮・山菜等を売り、銃弾、酒米と僅かな物資を買う。主人公の名前は、稚児の頃、狩猟で得た熊の爪で玩んでいたところから「熊爪」と呼ばれる。
作品に登場する熊は、主に「穴無し」「赤毛」で壮絶な激闘シーンが目に浮かぶ。
熊爪自身の生活が過酷なものにも拘らず、山に溶け込み描写が瑞々しく息吹を感じます。懇意な付き合いがある街の取引先の店主は、山の生活に興味を持ってくれるが、熊爪には有難迷惑の -
Posted by ブクログ
ネタバレ壮観で圧巻されました。
この手の時代物は読むのに時間がかかるのですが、本作はずーっと引き込まれました。
山暮らしをしながら相棒の犬と狩りをしながら生きる渋い仙人的な山男の話
時代は日露戦争前で舞台は北海道の山
最初は淡々と獣を狩って山の一部となり静かに暮らすスタイルだが、他所から熊が来るところから物語は展開。その熊との格闘、その熊を殺した若く強い熊との格闘、そして出入りしていた屋敷で働いていた盲目の女性(陽子さん)を貰って山での同棲生活と物語はドンドン展開していって最後は陽子さんにまさか殺される
現代社会で暮らすわたしには到底できないがなぜか主人公には惹かれる