作品一覧

  • 観光地ぶらり
    5.0
    1巻2,750円 (税込)
    行列に並んで観る絶景も悪くないが、そこで生活する人々の呼吸を聞き、その土地と対話する姿勢に感動を覚えた。——又吉直樹 話題作『ドライブイン探訪』の著者が、各地の「観光地」を巡り、日本の近代の歩んできた足跡をたどる傑作ノンフィクション・エッセイ。旅とは、生活とは、歴史とは、世界とは、生きることとは。 絶景のなかに、何を見るか。 わたしたちの目は、絶景を見慣れている。どんなに美しい景色でも、1時間、2時間と見惚れることは稀で、しばらく眺めたあと、写真を撮って立ち去る場合がほとんどだ。わたしたちは、ちゃんと景色を見つめられているだろうか? 絶景を前に立ち止まり、目を凝らすことで、見えてくる姿がある。じっと耳を澄ますことで、聴こえてくる声がある。そんな偶然の出会いに、「ささやかな未知」が詰まっている。ここではないどこかに、わたしとは違う人生を生きている誰かがいる。そんな誰かを想像することは、世界に触れようとすることであり、それこそが「観光」なのではないかと、僕は思う。(「あとがき」より)
  • 水納島再訪
    4.7
    離島と沖縄。埋もれていた近現代史が見えてくる4泊5日の旅の記録。 沖縄のやんばるにある「クロワッサン・アイランド」と呼ばれる小さな島・水納島。開拓、戦争、産業、海洋博、そして現在……。再訪を重ねてきた気鋭のライターが綴る、エッセイ・ノンフィクション。 目次 1 夕日 2 庭先 3 井戸 4 桟橋 5 校舎 6 灯台
  • ドライブイン探訪
    4.4
    道路沿いにひっそりと佇むドライブイン。クルマ社会、外食産業の激変の荒波を受けながら、ドライバーたちに食事を提供し続けた人々の人生と思いに迫る傑作ルポ。
  • 観光地ぶらり

    Posted by ブクログ

    「観光」とは「光を観る」と書く。光を発するのは土地だけではない。そこで生活する住人が放つ光もある。著者は、そこに焦点を当て、観光地に暮らす人々の体験や歴史を聞き出す。
    だが、土地の人との対話はタイトルにある「ぶらり」がイメージするような気楽な世間話で終わるものではない。著者の旅には事前の綿密な調査があり、巻末にある多くの参考文献がそれを物語っている。それをもとに現地に赴き、目を凝らし、耳を澄ます。そこから掘り起こされる史実は表層的でなく奥が深い。   この本で紹介されている訪問地は10箇所。路面電車が走り、万葉集にも登場する道後温泉、昔ながらの島時間が流れる竹富島、流氷と人情の羅臼、潜伏キリシ

    0
    2024年05月22日
  • 観光地ぶらり

    Posted by ブクログ

    観光客は、何を目指して旅に出るのか。
    観光客は、その観光地でどんな光を観るのか。
    では、その地に住む人々、商売する人々の想いは如何に?
    10の旅に浮かび上がるのは、観光の歴史とその地の変遷。
    そして暮らす人々の生き様をも辿る、ノンフィクション。
    ・プロローグ
    道後温泉 竹富島 摩耶山 猪苗代 羅臼 横手
    しまなみ海道 五島列島 広島 登別・洞爺
    ・あとがき 参考資料一覧有り。

    旅先でその地に住まう人々と出会い、話を聞く。
    現れるのは、その地の歴史と住まう人々の想い。
    日本の国際観光の歴史と国内観光の変遷やリゾート開発の明暗、
    交通手段の変化、戦後復興や高度成長、バブル期とその崩壊、
    コロナ禍

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    2024年05月11日
  • 水納島再訪

    Posted by ブクログ

    クロワッサンの形をした島で知られる水納島。
    本部町から船で行く沖縄県の離島です。

    そこの滞在記なのですが、リゾート地を陽気に
    レポートする内容ではなく、島民との語らい、
    島の歴史、戦争との関わり、そして島の小中学
    校の変遷なども静かに語られていきます。

    どんな人にも小説になるような起伏に富んだ人
    生があると言われます。

    島も同じなのです。

    激動の歴史の積み重ねの上に「現在」があるの
    です。

    歴史の重みを感じる一冊です。

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    2023年05月10日
  • 水納島再訪

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    水納島の紀行にかなり近い歴史のはなしとか聞き書きとかいろいろがいい具合に交じっていて重い話が多いわりに楽しく読んだ。大した筆力。

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    2022年04月24日
  • ドライブイン探訪

    Posted by ブクログ

    昭和的なノスタルジックな香りがする
    ドライブイン。
    そういえば、最近はコンビニや道の駅など
    の陰に隠れて、あまり見かけることもなく
    なりました。

    やはり増え続ける道の駅とは対照的に潰れる店
    が多く今や希少な車で行くスポットとなって
    います。

    単にそんな場所を訪れて「なつかしい」
    「そういえばそんなのあったよね」とレポート
    するだけではありません。

    頑張って経営する店主をしっかりと取材して、
    その人の人生そのものを描き出します。

    「人の人生」とは、かくも多様であり、
    皆頑張って生き抜いているのだなと、
    勇気を与えてくれる一冊となっています。

    0
    2020年06月22日

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