元少年Aの作品一覧

「元少年A」の「絶歌」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 絶歌
    3.7
    1997年6月28日。 僕は、僕ではなくなった。 酒鬼薔薇聖斗を名乗った少年Aが18年の時を経て、自分の過去と対峙し、切り結び著した、生命の手記。 「少年A」――それが、僕の代名詞となった。  僕はもはや血の通ったひとりの人間ではなく、無機質な「記号」になった。 それは多くの人にとって「少年犯罪」を表す記号であり、自分たちとは別世界に棲む、人間的な感情のカケラもない、 不気味で、おどろおどろしい「モンスター」を表す記号だった。
  • 絶歌

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この本に評価を付けるというのは大変難しい。


    文章として、とても美しく心打たれた部分が何箇所かあった。

    p.118「『自分の息子だから』と、ただそれだけの理由で、僕を愛さなくてはならないのだと自分自身に言い聞かせるように、僕の写真を肌身離さず持ち歩く、罪なほど生真面目な父親が、悲しかった」

    父親が自分を大切にしてくれてる、ただそれだけなのにそのように受け取ってしまう少年Aが、読み進めていくうちに周りの人の支えを受け感謝をし、人間になれたように私は感じた。

    ただ一つの歯車が狂って育ってしまったばかりに、世間をざわつかせるモンスターになってしまった。僕が僕でなくなった、そんな加害者目線の心

    0
    2023年09月08日
  • 絶歌

    Posted by ブクログ

    両親が書いた「少年A」に続き、少年Aの手記。読む前は一定数いる産まれながらのサイコパスかと思っていたが、キラーになる迄が書かれていてイメージが変わった。祖母の死を経て悪魔の作られていく様。多少の美化を差し引いて読もうとするが、読ませる内容。少年Aの心の叫びが胸に刺さる。表現者なのだなと感じる。
    出所後生活、身元を隠し逃げる日々。それでも生活がある。警察の一人が「もっと早く逮捕してあげれなくてゴメンな」という表記があるが、そうも思う。彼が言う精神的奇形児。

    ■その他
    両親が中々出てこないのが気になる、出てきても短い時間描写に感じた。
    押収物とともに写真を取られる父を見るのがキツかったと

    0
    2023年07月11日
  • 絶歌

    Posted by ブクログ

    日本で大きな影響を及ぼした事件の犯人が本を書くなんてなかなか聞いたことなかったので当時学校帰って発売日に書店に行った思い出。
    本人の人間性と芸事は関係ないと考えてるのでいるので文章力すごいなあと純粋に思った。
    厨二的思考と精神異常が混在してて不気味だった。

    0
    2023年06月11日
  • 絶歌

    Posted by ブクログ

    これほどまでに読み手の感情の置き場所を迷わせる本があるだろうか。
    純粋に本の感想を書くと、とにかく文章が美しい。
    この文を本当に本人が書いたのなら相当読書家だし、頭も良い。
    ライターが代わりに書いたのかと思ったけど、文章の随所随所に独特の自己陶酔感が滲み出てるから、ご本人が書いたんだなと思ってる。

    かなり重い事件だけど、それでもこの本が地獄みたいに重くないのは、作者が周囲の人間を非常に肯定的に受け取ってるからだろう。
    実際はわからないけど、自分を支えた人間を愛している事が伝わってくる。この本の中でもこれが本当に救い。

    もう少しセンシティブな内容に触れるなら、卑劣な殺人を犯した人間がこの様な

    0
    2022年09月25日
  • 絶歌

    ネタバレ 購入済み

    普通の顔

    少なからずショックだったのは、彼に人を思いやる心があり、殺人鬼のモンスターの顔は一側面に過ぎないということ。寮母さんの誘いを、断っては悪いからと了承するシーン。ペアを組んだバイト少年のフォローを感謝するシーン。里親さんの信頼に驚くシーン。部分的に切り取れば、真面目すぎるだけの不器用なただの青年に思えた。その一方でやはり過度な暴力性やムラのある自己中心性、認知のゆがみも感じられる。狂気と普通がマーブルのように混在している。

    0
    2022年03月31日

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