作品一覧

  • 貧困なき世界―途上国初の世銀チーフ・エコノミストの挑戦
    5.0
    1巻3,740円 (税込)
    開発経済学はこの半世紀以上、政府主導から自由市場重視まで、両極端の政策を実験のように試行してきた。たとえば、1980~90年代はワシントン・コンセンサスといわれるビッグバン・アプローチが支配的な考え方で、市場の歪みを一気にすべてなくすことが市場経済化の成功のもとだと考えられてきた。だがこの先進国がつくった開発理論に沿って改革を推し進めた国は、みな、失われた20年を経験している。 対照的に、主流派経済学の市場メカニズムの原理をまったく無視した、当時、一番悪いやり方だと見られていた、いわゆる「漸進的アプローチ」を実践した国は、みな成功を収めている。 本書は、この、順調な高度成長を達成してきた東アジアの国々の経済発展の歴史からみて、一見中庸あるいは中道派にみえる後者のアプローチをとることが、実際の処方箋として非常に有効であることを現実の成果によって検証し、推奨する。  開発経済学に、「成功させるヒミツの魔法」があるわけではない。先進国の作った理論を鵜呑みにせず、そして先輩途上国のたどった軌跡をそのままたどることでもなく、自分の国の資源制約に適した政策を立て、地道に遂行することしか、発展への道はない。本書は、中国の発展のプロセスを克明に記し、各国ごとの特性にあわせた開発戦略のロードマップを描くことで、自国の発展のために日々頭を悩ませている途上国エコノミストにとって本当に役に立つ開発モデルの枠組みを提供する。
  • 傲慢な援助
    4.4
    1巻3,740円 (税込)
    貧困には(1)極端な貧困が存在する悲劇と(2)先進国の援助が現地に届いていない悲劇がある。本書は第2の悲劇を検証し、現地の人の生活を本当に改善する新しい援助の形を模索する。
  • 傲慢な援助

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    傲慢な援助。ウィリアム・イースタリー先生の著書。貧困国、貧困状態にある貧しい人たちへの援助は正しいやり方でしないと何の問題解決にもつながらないし、自分勝手で自己中心的な傲慢な自己満足、傲慢な援助にしかならない。せっかくの援助が、単なる傲慢な自己満足、傲慢な援助に終わらないためにするべきことをきちんとしないと。

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    2019年07月19日
  • 貧困なき世界―途上国初の世銀チーフ・エコノミストの挑戦

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    貧困なき世界 ジャスティン・リン 東洋経済新報社

    途上国初の世銀チーフエコノミストの挑戦
    混沌の時代の台湾に生まれ
    混沌からの脱出を体験し
    中国に渡って同じ種類の体験をすることと合わせて
    台湾の大学卒業の後北京大学で修士号を取得し
    シカゴ大学で博士号取得という道を歩み
    理論と実践の両面で裏付けられた上で
    北京大学の享受になるが
    2008年から4年間を世界銀行副総裁に抜擢される

    何しろ博学で視野が広いことが専門バカばかりのこの時代に
    貴重な存在となったのだろう
    又二つの貧困脱出劇を体験したことから湧き出す
    途上国への提案には現場を知る強みがあったようだ

    経済という言わば社会を運営するための

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    2017年03月20日
  • 傲慢な援助

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    「人はインセンティブに反応する」という基本原則に沿った論になっている。過去の援助について、明解に失敗の原因を分析している。さらにMDGsもその延長線上にあるとし、そのディレクターでもあるサックスを批判しているが、これも説得力がある。MDGsを批判的、客観的に見るためにも有用。共同責任から各々特化した個別課題について責任を持てば成果も上がりやすい、そのようなサーチャーが援助の主役になるべきなのはごもっともだけど、そのサーチャーにどう資金を分配するかはプランナーが決めるしかないんじゃないかと思う。
    サーチャーとプランナー、これプロフェッショナルとジェネラリストの議論よね。ジェネラリストがG8とかで

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    2012年10月07日
  • 傲慢な援助

    Posted by ブクログ

    「人はインセンティブに反応する」という基本原則に沿った論になっている。過去の援助について、明解に失敗の原因を分析している。さらにMDGsもその延長線上にあるとし、そのディレクターでもあるサックスを批判しているが、これも説得力がある。MDGsを批判的、客観的に見るためにも有用。共同責任から各々特化した個別課題について責任を持てば成果も上がりやすい、そのようなサーチャーが援助の主役になるべきなのはごもっともだけど、そのサーチャーにどう資金を分配するかはプランナーが決めるしかないんじゃないかと思う。
    サーチャーとプランナー、これプロフェッショナルとジェネラリストの議論よね。ジェネラリストがG8とかで

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    2012年06月27日
  • 傲慢な援助

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    ネタバレ

     本書全体を通じて、プランナーとサーチャーという立場が比較軸として語られる。
     プランナーとは、援助対象から離れた場所で、大所高所に立ち、課題の理想的な解決が可能だと考えている援助者のこと。サーチャーとは、援助対象のすぐそばにいて、全ての課題を解決することは不可能だが、今よりも少しだけ物事を良くするためには何をすれば良いかが分かっている援助者を指している。
     ちなみに、国連や世界銀行、先進国からの援助などは大部分がプランナーに属する。

     なぜこのような比較軸が成立するのか。それは、プランナーによる援助が、ほとんど事態改善の役に立たないという悲しい現実があるからなのだ。
     プランナーからの援助

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    2012年01月26日

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