前著に続き分かりやすい切り口でトレードは何かということを説く。言っていることはシンプルだが、身につけることは困難。試行錯誤を繰り返した上で、沢山の損切りをしたうえで身につくものだと感じる。繰り返し読み返す価値があると感じる。以下、要約。
❶前書き
①成長株投資は銘柄を選ぶというよりタイミングを計る要素が強い。
❷トップトレーダーのように考えてトレードするための第一歩
①勝者は重大なことを運任せにしない。勝つと決めたら、毎日、その目標を見据えながら生きるのである。
②トレードで成功するまでには訓練を積まないといけないし、多くの時間がかかる。しかも、時間を費やすだけではなく、PDCAサイクルを常に回し、結果を検証し、改善していくことが求められる。結果がついてこなくてもやり切るメンタルの強さも重要である。
③何かをものにするには他のことを捨てる勇気が必要である。自分の優先順位が何かを見極めて、それに従って焦点を絞り、目標を達成したら次の目標に移るようにすること。
❸常にトレードプランに従う
①自分の中で明確なトレードプランを持つ必要がある。行き当たりばったりの戦略は必ずダメになる。損切りはどうするか、逆指値が引っかかった場合、再エントリーするときの基準は何か、追加でポジションを取る時のルール、含み益の手仕舞い方、急落した時の対処法など事前にシュミレーションすることにより、冷静な行動が取れるのだ。
②1度目より2度目のセットアップの方が上手くいくことが多い。銘柄によっては数回の振り落としは覚悟しなければいけない。
③機関投資家が買っている時はブレイクアウトした後は数日から数週間の間に支持線まで数回売りが入る。半分くらいの銘柄はそうなる。数日か1〜2週間で回復するようであれば、その銘柄は握ってOKである。
④ブレイクアウトした後は上昇した日数を数えると良い。理想としては7日程度上げ続けてほしい。4日のうち3日は上げてくれると機関投資家が買っている痕跡として信用できる。
⑤他には、押しの後に大きく上昇すること、しかも出来高も大きい。陰線の日より陽線の日の出来高も多く欲しい。
⑥株価が適切なベースを上にブレイクした後に20日移動平均を下回るようなときは注意。また、出来高を伴って3日続けて安値を切り下げる時も注意。
⑦適切な計画のもと、ポジションを立てたら後はルール通りにやるしかない。メンタルを削るような気迷いと後悔は必要ない。
❹すべてのトレードで、まずリスクを考える
①トレードで大損しない方法はシンプルである。コントロール不能になる前に損切りをすることである。大損は必ず小さい損失から始まる。その時点で切ることが重要。
②10%をオーバーする損失は許容してはいけない。
❺期待リターンよりも大きなリスクを絶対とらない
①例えばペイオフレシオを2:1にしたいのなら、勝率50%であれば損の倍の利益が必要であるし、40 %の勝率であれば損失の3倍の利益が必要である。常にペイオフレシオを気にしてポジションを取ること。
②ボラティリティが高い時のトレードは勝率が下がるためオススメしない。ボラティリティが高いときは株が急落している時であり、分が悪い。
③ボラティリティが高い銘柄で逆指値を置くのであればポジションを分けて出すことをオススメする。例えば6%が全体の損切りラインであれば、4%と8%の2通りで逆指値を出すやり方である。
④増し玉をする時は含み益でやることをオススメする。そして、最低トントンになるところで逆指値を置くことにより損失を抑えることが出来る。
❻自分のトレードの真実を知る
①自分のトレードを記録して、良かったところ、悪かったところ、特に悪かったところから何が原因で間違ったのかを学ぶことは何よりも有益である。
②勝率、平均利益率、平均損失率で、トレードの全てが決まる。これを具に観察したうえで、自分のトレードの癖を見直して理想系の形に持っていくことが大事である。
③利食いは半分してもOKだが、損切りを半分で済ますことはオススメできない。
❼間違いではなく、資金を複利で増やす
①50・80ルールというものがある。長らく相場を引っ張ってきた銘柄が50%以上下げる確率は80%あり、80%下げる確率は50%ある。今の相場に当てはめると、多くのグロース株は80%以上さげているし、FBやAMZN、TSLAのような大型株でさえ、50%下げている。
②コンディションが整っていない場合、無理にトレードしないこと。悪いコンディションで勝負して、運が良ければ儲かるかもしれないが、それは継続性に欠ける取引である。
❽株式をいつ、どうやって買うか
①買う銘柄は常にトレンドの途中にある銘柄である。例えるなら、サーファーが波を捉えるように株を買いたい。大相場をつける銘柄は必ず長い上昇局面があるので、そこを捉えたい。
②チャートのポイントは以下
ⅰ)株価は50日、150日、200日移動平均より上。50>150日>200日である。
ⅱ)200日移動平均が少なくとも1ヶ月(望ましくは4〜5ヶ月以上)上昇トレンドにある。
ⅲ)現在の株価は52週安値より少なくとも25%高い。52週高値からは25%以内にある。
ⅳ)ベースを上に抜ける時、50日移動平均を上回っている。
③VCPは大事なブレイクパターンである。2〜4回のボラティリティの収縮で売り物が減ったところでブレイクアウトするパターンを探したい。
④適切なピボットでは必ず出来高が減る。売り物が出てこなくなり、これこそが少しの買いで一気にブレイクアウトする要件となる。
⑤押しは10〜35 %以内が好ましい。押し幅が大きいとダマシが発生しやすい。50%を超えるとしんどい。少なくとも指数の3倍調整が入るような銘柄は戻り売りがキツイため外した方がいい。
⑥先導株は指数より先に底打ちしている。見つけるべきは先導株である。強いセクターの最も強い株を買うべきである。
⑦弱気相場の後、主要な指数が買われ過ぎのシグナルを無視して上がっていき、自分の監視しているリストに先導株が増えれば相場が強いと見るべきだ。また、上がる日に出来高が増えて、下げる日は出来高が細るかどうかも見たい。
⑧チャートパターンはカップウィズハンドルに注目したい。これは形成に最短で3週間、長いと45週間近くかかる。大抵は7〜25週間(1.5ヶ月〜半年)である。
⑨低いチートで買いに行く場合、出来高が細っていること、はらみ足を何本か確認すること。要勉強。
⑩ダブルボトムで前の安値を下回る時は多くの弱い買い手が振り落とされており戻った時に妙味が出る。
❾最適な結果を得るためのポジションサイズ
①取るリスクの最大は総資金の2.5%、逆指値の損切りラインの最大は10%。ポジション量の最大は25%まで。
②先導株は最も勢いが強いため早々と手じまわない方が良い。
➓いつ売って利益を確定するか
①週足でベースの数を数えることも大事。5個くらいまでくると要注意。第3ステージは値動きが大きく、このフェーズでは売るべきである。
②株価がトレンドの初期の頃と比べて2倍以上PERが上がっている場合、注意したほうが良いかもしれない。
③株価の上昇の最終局面ではブローオフの買いが入ってくる。この時、7〜15日の取引日で70%(15日であれば10日)上げるようであれば売り場を探すべき。
④出来高も大きく出来ている時は注意。機関投資家は上げている時に売っている。
⑤大事なのは自分のトレードを分析した上でクセを見つけ、悪いクセは治すこと。
11)並外れた成果を上げるための8つのカギ
①株式投資で大事な要素、それは判断が正しい時に大きな利益を得ること、同時に判断が間違っていた時に少ない損失で済ますことである。