名称未設定さんのレビュー一覧
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レビューというか感想
ぐいぐい引き込まれて三日で一気読みしてしまった。
前半は群像劇風。
人物造形はキャッチーで分かりやすく、それぞれの主人公に感情移入しながら読めました。
特にジャカルタのあたりはワクワクしたなぁ。
パブロと出会うまでのコシモのパートは読んでて悲しかったけど、
調理師のビジネスにどうやって関わるのかを想像しながら読むのは面白かった。
後半の日本編からは、もう気が気じゃ無い状態で読んでましたね。
登場人物だいたい全員いかれてるしやべーことやってるけど、それなりに愛着もあって、
応援したいような、はやく報いを受けて欲しいような、不思議な気持ちで読んでました。
なお -
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見た目に反してちゃんとしてます
あなたが常識的な人なら、こんな本を買う奴は馬鹿だと思うでしょう。
「あー、こういうの出てくるよね。流行りの作品に載っかったよくある薄っぺらい自己啓発本でしょ?」
って感じの感想を抱いているに違いありません。
しかし、この本は違います。
著者は精神科医の名越康文先生で、サブカルに近いところで活動されているお医者さんです。最近はyoutubeもやってらっしゃいます。
その精神科の先生が、精神分析的な目線で作品を解析しているのがこの本です。
ですから、この本は自己啓発本ではなく作品分析本です。
『傷ついたまま生きるためのヒント』というサブタイは謎ですが、気にしなくて良いと思います。 -
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面白かった
正直、読む前は大したことなかろうと舐めてかかっていたのですが、存外にしっかりしていて面白く読むことができました。
後書きによれば編集の手もしっかり入って改稿などもしていたということで、文章も読めるものになっています。
台詞回しだけはちょっとな、と思いましたが、ストレスになるほどのものではありません。
筋としてはまぁタイトル通りで典型的ななろう的展開ではありますが、江戸の風俗や吉原についてちゃんと記述されているので説得力は中々。
キャラクターも十分親しみやすく、女の子たちはリアルとまでは言いませんが、童貞向け二次元ファンタジーみたいな胡散臭さはありませんでした。著者が元風俗店従 -
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エンタメとして良し
エンタメ小説としては割と面白かったです。
取材をしっかりしていることもよく伝わり、アニメの現場を描いた
フィクション作品としてはかなり完成度が高いと思いました。
少なくとも"現在まで"を描いた部分では、現実との大きな齟齬は見当たらなかったと思います。
ただし、コロナ後の未来を描いた後半については色々と気になるところもありました。
たとえば、デジタル作画は作品のクオリティそのものには寄与する部分が少なく、少なくとも現場の制作側にとっては導入のための課題の方が多すぎる点が無視されています。
それで -
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タイトルに騙されてはならない
如何にも"なろう"的なしょうもないタイトルがつけられているが、
中身はかなりしっかりしている冒険でジュブナイルでノスタルジーな小説であった。
まず何といっても描写が美しい。自然が、町並みが、風景が頭の中で立ち上がってくる。
全体としてはライトで読み口が良く、後味もすっきり。
プロットもしっかり練り込まれていて、複雑すぎることもなくストレス展開も物語を彩るのに程よい塩梅。
刊行済みの9巻まで読み、ところどころ話の展開とキャラの心情やおかれた環境に涙ぐむこともあったが、
感動ポルノ的な下品さはなく、穏やかで暖かい気持ちになれるものであった。
ともか -
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盛ってる
10代に向けた作品として考えるとかなり突き詰められてる感じはする。要素もりもり。
主人公は、学校では目立たないけど学外ではハイスペックな仲間達を束ねる司令塔。
友人はイケメンで天才なのに心に謎の傷を負っていて主人公に依存しまくっている。
タイトルにもなっている友人の妹。可愛い。
学校では畏怖される美人女教師。主人公の前ではポンコツのオタク。
従姉妹。可愛い。
この五人がマンションの同じフロアに集住し、趣味的でありながら時代を切り開くようなゲーム制作に没頭しているという設定。子どもの夢が詰まっている。
学外の活動で実はすごいことやってんだぜっていう話の構造は -
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立ち上がるリアリズム
主人公は割と普通にいる感じの青年。統失的なネガティブ思考が少々目立つものの、こういう人間はいる。多くの人が自分の中にも大なり小なり見いだせる存在だと思う。
ヒロイン(?)の岬ちゃんは、どこか捉えどころのない少女。とはいえその実、最後まで読んでしまえば、分かりやすい設定の「(境遇は特殊で哀れではあるが)普通の少女」でしかない。しかし、主人公の岬ちゃん(と他者)に対する興味の無さが、岬ちゃんを不思議少女に仕立て上げている。
主人公のありようはどこまでも臆病かつ現実的で、岬ちゃんというヒロイン候補がラノベ的なイベントアプローチをしかけてきても全くなびかず、ただただひきこもるばかり。自分から -
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けっこうおもしろい
既刊九巻まで。
文章は読みやすく、物語も練られている感じがして面白いです。
内政に主眼をおいた作品で、序盤は転スラの町作りのあたりを彷彿とさせますが、あちらほど主人公がイキっておらずヨイショ度も比較的低いのですんなり読めます。
中盤、アミドニア戦あたりでは戦記物風の描写が増えますが、内容が安っぽくあまり良い出来ではありません。しかし、そこを抜ければある程度安定します。マキャベリや兵書などの過剰な説明・引用が鼻につきますが、それも数巻でその割合は減るので読み飛ばせば問題ありません。
イラストのクオリティがびっくりするほど低いです。
表紙はどれも良い感じなのですが、口絵・ -
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おもひで
個人的に愛着のある作品。
ずいぶん昔、たまたま深夜にやっている本作のTVアニメを見てから、何となくアニメを見るようになり、気付けば関連業界で働くことになってました。
肝心のアニメ本編の出来はあまり記憶にないのですが、ED映像と曲の美しさは記憶に残っています。
右手にヒロインがくっつく(?)という奇抜な設定でありながら、全八巻という短さもあり比較的あっさりした印象の作品です。
コメディタッチの短話で主に構成されており、"○○編"などと呼ばれるような大きな物語はありません。キャラは立ってるのでもうちょっと膨らませてもよかったのになぁと思います。
最終的 -
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純愛漫画
色々とこじらせている二人のプラトニックな恋愛物語。
SM(主に緊縛)を媒介にしているものの、描いているのは心の機微そのもの。まさに純愛。
直截的なエロはなし。
少々刺激の強い恋愛モノとして読むだけでも大変面白いですが、この作品の素晴らしいところは「心と肉体」を大いにテーマとして活用しているところにあります。肉体に「痛み」を与える意味がしっかりと描かれており、ただの刺激的なちょいエロ漫画ではないと感じさせられます。
ナナにとっての「痛み」とは、「肉体の実存」を意識するための刺激であり、肉体が殻ではなく心と一体して自分自身を成すものなのだと認識するために必要なものです。それを -
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12巻まで読みました。
主人公がエロゲオタクで「現実に価値なし」と言い切るタイプのメタフィクション作品です。
もともと2巻まで読んだところでいまいちハマりきれずに放置していたんですが、ふと思い出して続きから読んだ感じです。
序盤数巻は主人公が気色悪くとても感情移入できなかったのですが、読み進める内に慣れたのか主人公が成長したのか、とりあえずそういう違和感は薄れました。
最終的には典型的なハーレムラノベになりますが、後半はそこにテーマを作って話を進行させていて、そんなに悪印象はないです。
他の多くの作品がそうであるように、この作品もオタク系メタフィクションであるが故 -
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ラノベに向いてない
読んだのは一巻のみ。
プロローグが一番引き込まれた。面白いものが読めそうだと思った。
そこから先はしばらく自分が何を読まされているのかよく分からなかった。
学習塾の建て直し展開とラノベ講習というネタが全く混ざり合っておらず、二つの別作品をぶつ切りにして適当に繋げたような印象だった。
あと、作者はエンタメとかラノベ的キャラがあまり好きじゃないんじゃないかな、と思った。描き方があまりにも表層的で、魅力を出そうとしているように見えない。ヒロイン誰もいらない説すらある。
塾講師の部分をもっと煮詰めてライト文芸かいっそ純文っぽく書いた方が面白くなったのではと思いました。 -
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あと数巻あれば良かったのかも
全五巻。ラノベ編集者と作家のラブコメ(?)。
最近は出版関係を舞台にした漫画やらラノベやらが多いですしそれ以外にも「お仕事もの」と呼ばれるジャンルが一般化していますが、この作品はその潮流に乗りつつもあまりそっちに比重を置いてるようには見えません。なので、「お仕事もの」に期待すると肩すかしをくらいます。さりとて、ラブコメに徹しているわけでもなく、どっちつかずの印象で巻が進みます。
キャラが出そろって主人公のテーマも定まって、そろそろ大きい物語を動かすのかなと思った矢先に五巻で終了。ある意味、作中に描かれている作家の悲哀にリアリズムを付加していると言えるかもしれません。
ナンセン -
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キャラ化する/される子どもたち
表題の本によると、昨今の中高生の間ではスクールカーストが固着化し、本人の意思に依らず最初に決定づけられたキャラクターを演じざるを得ない子が多くいるそうです。短くとも三年、長くは中高あわせて六年以上ですね。
とはいえ、それは古くから女子の世界では普通にあったこと。自説ですが、女性が大人になっても実家に依存する傾向が多いのは、中高生時代に(あるいは職場などでも)キャラ化から解放される安寧の地が家庭である事に依るのでは、と思っています。
そのスクールカーストが今では男子の世界にも普通に存在しているのは何故なのか。これも自説ですが、共働き・長時間労働による家庭の空洞化によって、そもそも「本来 -
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ポジティブな話は良いですね
基本的には成り上がり系で、ビジネスとかダイエットとか戦闘訓練とかを頑張る話。
触りが女性向けっぽく、他の方のレビューにあるとおり序盤は「本好きの下克上」に近いイメージでしたが、あちらほど乙女っぽさはありません。そして中身はほとんど被ってません。
ストーリーの方向性としては男性向けの要素が強いです。
スケベ的な要素は全くと言ってよいほど無いですが、そのかわり女の子がひたすら可愛いです。良き。
設定・あらすじだけ見ると重苦しい話にも見えますが、良い意味で軽い文章と小橋川の自己肯定感・前向きなスタンスのおかげでストレスなく読めます。ポジ男つよい。
主人公(小橋川)が読者の視点に近い(基 -
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そこはかとなく尊い
筋としてはタイトルそのままの内容。
フィジカルな交流はほぼ無く、つまり健全な、口当たりは非常に優しい物語。
男目線からすると「女性を養いたい」という男の欲求を良い感じについてくるなぁと感心したり。(本来、この欲求は男性に植え付けられている本能だと思っています)
しかしそれは言い換えると庇護欲とか支配欲に通ずるもので、結局のところ不健全な欲求を満たす内容だよなぁなどと思いつつ読んでました。
見ようによってはエロ漫画によくある展開からエロ要素を抜いただけ、みたいな作品なんですが、フィジカルなエロ要素を全て上述したある種の欲求に転化させて煮詰めているので、プラトニックにエグい内容とも言え