名称未設定さんのレビュー一覧
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購入済み
小説も映画も文句なし
「君の名は」には偶然的に出会った。CMで映画公開の告知はあったが、内容に関してはほぼ関知していなくて、当初は観に行く予定も全くなかったが、観たい映画の時間が合わずに何か別のものを観るかなーと考え何気なく観賞をした。
圧倒された。映像の美しさ、流れてくる音楽、紡ぎだす物語、共感できる演技、どれもが心地よく調和されていて、一気に引き込まれる感覚を久々に味わうことができた。それからは音楽や小説にも手を出してしまうほど、どハマりである。
この小説版は瀧と三葉の視点と考えがより強調されて書かれているため、映画とはまた違った目で読むことが出来てよかった。所々に表現されている劇中歌の歌詞が、観た時の余韻を思 -
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事件部分以外の捉え方
本シリーズの2作目の作品です。現実のSTAP細胞問題に通ずる事件が大きな展開になります。
提案した新発見の事案に対し、様々な不具合や不正が散見され、この事案に対して疑問視の目が向けられます。この事件が不正にあたるのか、主人公が真相を求め奮闘していきます。
今回の中で、もっとも印象に残るのは事件そのものよりもマスコミのあり方。報道はすべてのように扱うことで、どれだけ偏見な目で見られてきた人がいるのだろうか。最後の主人公の報道陣に向けた会見の言葉が何よりも痛切に響く表現で表されています。
人間はミスをします。でも、それ1つですべてを全否定するような報道の仕方をする今のマスメディアのやり方は歪に感じ -
ネタバレ 購入済み
ネタバレあり
館シリーズ5作目の時計館の殺人。
旧館内の時間軸と新館や外側の時間軸とが交互に描かれるスタイルは1作目の十角館に通じる描き方です。
前半部分はややスローペース感がありますが、後半に進むにつれエスカレート式に展開が進んでいくのはさすがの一言です。
大元のトリックに関しては、時計が扱われていることから2つの場面には時間差はあるだろうと当たりはつけていました。最初は半日周期のずれかと考えてましたが、旧館内の時間が現実時間と徐々に開きが大きくなる仕掛けという大胆なトリックです。当たり前で考えると気付けない絢辻作品らしいトリックでした。
やや犯人の心情が掴みにくい感じはあります。主に娘の死に追い -
ネタバレ 購入済み
本格ミステリーの傑作
島田荘司の代表作として最も名の知られた作品。自分の中のミステリーブームの内に触れることに相成りました(^ ^)40年前に起きた不可能としか考えられない猟奇的連続殺人。友人の石岡から事件のあらましを説明された御手洗がこの謎に挑戦します。徐々に示される事件の内容は複雑に絡み合い、難解としか言えません。果たしてこの事件の真相はなんなのか?
以外ネタバレ
この小説はあまりに有名です。事件の大元のトリックには間接的に金田一少年の事件簿で触れていました。読み始めて、アゾート事件の死体切断の顛末からあれ?と感じ、このトリックにいち早く気づいてしまったのは痛恨ではあります。元々こちらが先なので -
ネタバレ 購入済み
ネタバレあり
館シリーズ2作目の作品。森深くに建てられた一件の水車を模した館。過去に起きた事件と現在の時間軸での出来事を交互に描きながら物語は進行します。
ミステリとしては優しめかな、所々の表現で入れ替わりにはすぐに気づける展開でした。由梨絵の藤沼紀一への態度が過去と現在で明らかに変化があることから犯人はほぼ確定的でした。むしろ古川恒仁の消失は確かに単純だけど想像させづらいミスリードを示していました。ついつい館に何かあるのではと疑ってしまいます。十角館の殺人が不意打ちで真相を告げたことに対して、推理としてはこちらが考えやすい内容です。次回にも期待します -
ネタバレ 購入済み
優しい神様達
タイトルと表紙イラストに惹かれて購入です。
全く知らない神様の名前がたくさん出てきます。しかし、本書で描かれる神様の表現は堅苦しい感じではなく、現代風でユーモラスです。喋る狐はまだわかりますが引きこもりでオンラインゲームやSNSにはまっている男子中学生風の神様で表現してたのには今までにない感じでした。それなのに背景はジーンとくる感じのお話で所々泣けるシーンがあります。最後のエピローグがかなりグッときました。
神様の御用を任される主人公の現状や言葉にも感情移入できる部分があり、気に入りました。
優しさのある小説で、続きの神様がどんな風に表現されるか楽しみです。
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ネタバレ 購入済み
見事な愚か者の物語
アイスクリーム作りの天才、軌川十助の成功と挫折と別れの物語。ペパーミント色の肌をもつ彼は人の痛みに応じ様々なアイスクリーム作りをします。その十助の良き理解者であり、アイス作りに協力する楠木玲。二人のアイスクリームはやがて大人気となり、世間に広まります。しかし、やがて玲は十助から離れケーキ作りの道を行き、十助自身も統和機構から処分の対象にされます。彼には自分自身も知らない“世界の敵”になりうる資質を持っているのです。
ここまでのシリーズ作品は様々な人物の多視点で描かれることが多いですが、今回は十助に比重が多く置かれており彼の優しさと哀愁がひしひしと感じられる作品です。
無論、今までの人物も随 -
- カート
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試し読み
ネタバレ 購入済み真実の形とは
ヤンの最も長い在任期間である少佐時の話。キャゼルヌから依頼を受けて過去の英雄ブルース・アッシュビーが第2次ティアマット大戦で戦死したのは謀殺されたという怪文の真相を調べ始めます。730年マフィアと呼ばれるアッシュビーの盟友たちの中の唯一の生き残りであるアルフレッド・ローザスを訪ねますが真相については語ってもらえません。やがてヤンは別命で捕虜収容所の参事官として惑星エコニアを訪れます。そこで出会う帝国軍捕虜のケーフェンヒラー大佐からの話で調べていた謀殺の事件に繋がっていくのですが・・・。また、この惑星で後のヤン艦隊にとって必要になるパトリチェフとムラタとも出会うことになります、どこで繋がるかわか
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購入済み
実用書なのに
実用書でワクワクしながら読めた経験は初めてです。
本書は著者の言葉を借りれば直感読書術で見つけた本になります。本屋でパッと見たときのタイトルに自分の読書は内容がしっかり入ってないなと感じる部分がありました。
電子書籍で安く入手できる機会にパッと選択して買ってしまいました。
その内容は簡単に言うとアウトプットとスキマ時間の2つのことが大切だと言うことでした。情報発信の機会を増やし記憶に留め、少ない時間でも集中して読むことで質を高めようということだと捉えました。
今迄はその時間のうちには楽しく読んでいても説明できるレベルにはなっていなかったと思いますし、なんとなく読み進めている部分もたくさんあった -
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ネタバレ 購入済み
ミステリーかな?
レビュー等高い評価の作品で大どんでん返し的な内容との触れ込みから手にとってみました。内容描写等は丁寧な書き方をしていることでイメージは伝わりやすいです(残酷な描写も多々あるため映画化の際にはきついかも)。場面展開もアレックスとカミーユ、二人の人物の視点を交互に見せることで緊迫感がありました。しかし、最後の三部の内容が拍子抜け感があります。ここまで引っ張る上での犯人像の浮かびあがせかたに大きなインパクトはありませんでした、ここで大きく大どんでん返し的な書き方があれば評価はだいぶ違うものだったと思います。場面展開の急激な変化は多いのでその面では最初と最後の展開は大きく大どんでん返しなのでしょうが、
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購入済み
完全な叙事詩
田中芳樹作品の出会いはアルスラーン戦記が最初になります。その世界観の緻密さ、個々人の表現の豊かさに読み進めることを止めれない作品でした。銀河英雄伝説という作品もすぐに手にしたいと思いつつなかなかその機会を得ず、今回の電子書籍という形で購入となりました。その世界観の素晴らしさはやはりと言わざるを得ません。ラインハルトとヤン・ウェンリーの二人が作り出す歴史模様、そこに織りなす数々の人々の偶像劇、これほど遠大な物語なのに、どこか近親感をもたらす表現は作者の初期の作品から変わらずあったのだと改めて感じました。本編はここまでですが、また外伝でも楽しませてもらえること疑いないです!