【感想・ネタバレ】コンビニ人間のレビュー

コンビニのアルバイトとして18年働く、独身女性の古倉恵子36歳。
週5でシフトに入り、勤務態度はマニュアル通りの”正しい”対応。
店長から重宝され、同僚ともうまくやっている、はずでした。
新入りのアルバイトが入ってくるまでは…。

かく言う私もコンビニ店員として4年間働いていました。
正社員、歳の近い学生アルバイト、日中に働く40代の主婦、未婚(恐らく)の30歳以上の謎の人。
日本社会の縮図かと思えるほど様々な人がいますが、それぞれ自分の価値観で相手をみていて、
「自分こそが主人公」だと思っているはず。
本作は、「コンビニ店員である自分こそが、普通で正しい主人公」と考える恵子の主観が鮮明に描かれています。
「なぜコンビニ店員なのか」。これが神髄だと思います。

目まぐるしく変わる衝撃展開に魅了されたいあなたも、
世の中の“普通”について考えを深めたいあなたも、
1~2時間でサクッと本を読みたいあなたも。

世界各国で読まれていることからも、作品の魅力は語るに及ばずですが、
皆様に1度は読んでいただきたい名作です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

購入済み

共感しかない

冒頭から難しい描写が一切なく、
全ての言葉、文章が読みこめ、コンビニで働く自分を見ているようでした。
幼少期から周りと同じでなければいけないという
呪縛、皆と違うと変わった人と思われ、削除される「村社会」をストレートに描かれています。自分の思いを発言し皆に驚かれる描写は、私自身がいつも感じている違和感を具現化してくれました。ストーリーもこちら側の人間には「わかるわかる」と頷ける事ばかりで、普通に生きている人には衝撃かもしれません。賞を取るにふさわしい作品でした。1時間で完読しました。

2
2021年02月17日

購入済み

すごい!

普段読書などはしませんが、何かでおすすめされていて気になって読んでみました。
そんな自分にもスラスラと読めて、とても楽しめる作品でした。
そしてたまには読書もいいなと思えさせてくれました!

1
2021年05月20日

Posted by ブクログ

今までにない読書体験でした。
これまで私が面白かったと感じた作品には、感動する場面や興奮するような場面、驚愕の大どんでん返しなど「この作品のこの場面が好きなんだよね」と人に紹介できるようなシーンがあるものでした。
しかし、この作品はただ淡々と面白かったです。この作品を読み進むにあたって自分が何に惹かれ、どこに共感し、なぜ面白いと感じているか、とても一言では表せません。

0
2024年05月26日

Posted by ブクログ

書いた人天才やと思う。違う人間の部分的なところを自分にあてがう感じがわかるなあと思った、それを文章に表せるのがすごいなあと思った。

0
2024年05月25日

Posted by ブクログ

普通とはなにか
世間で言う普通ではない人視点で語った作品。

また世の中の生きづらさなどを語った作品でした。

多様性とは何か。登場人物の白羽の発言の中から考えさせられました。

0
2024年05月22日

Posted by ブクログ

主人公は昔から「自分はどこかおかしい」と感じながら生きてきた訳だけど、家族も友達も先生も、主人公がどうしておかしいのか、おかしいことがなぜいけないのか、誰も教えることはなかった。主人公は周りに圧迫されるように、「治らなきゃ」と思いながら周りの人間の言動を吸収して、真似することで普通を演じていた。
数派や社会の軸から外れた人間を、そうでない側の人間は「理解がある」ように見せかけてどこか軽蔑しているように感じて辛くなる。ただ生きてるだけなのに、結婚や就職、出産といった過程を踏まないだけで迷惑がられる。マジョリティは、大多数の側に属しているというだけで自分が正解であることを信じて疑わないから、他人に「結婚しないの?」「就職しないの?」なんて平気で漬け込んで異物を社会から排斥することが許されてるなんて勘違いする。
ラストの主人公の決断は私にはきっとできなかった。「コンビニ人間」のみとしてアイデンティティを確立してしまうことが、ある意味で依存しているようで奇妙で怖いなと思った。

0
2024年05月17日

Posted by ブクログ

多様性って肌の色とかLGBTとかにばっかり使われて、それも大事だけど、普通でない考え方をする人や常識では考えられないような人間を受け入れられるかって事だと思わせる本だった。その普通とか常識は誰も決めてなくて、普通に対する人間の共通認識が非難される人間を生み出していると考えさせられた。

0
2024年05月16日

購入済み

「普通」とは?

普通とは何なんでしょうか
普通に学校に行く?普通に友達を作る?普通に就職する?普通に結婚する?普通に子供を産む?私も様々なことに違和感を感じながら生きてきた人間なのでこの本は非常に面白かったです。
なぜ他人の人生にそこまで関心を持てる人が多いのか、いつも不思議に思います。
私は普通がつまらないです。変なやつでいたい。
きっとまた読み返します。そのくらい好きな本でした。

#深い #スカッとする

0
2024年05月15日

Posted by ブクログ

結婚することが、もはや「欲求の消費」という経済活動とみなされる現代。
人生をどのように、何に消費していくかなんて、それぞれが決めれば良い時代。
自由で平和であることが、悪とされる理由について問うた素晴らしきトロイメライと言っても過言ではない。
自分を自分らしく生きることが、すばらしいのだ。
さらりと読めるページ数も好き。

0
2024年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても話題の本で前から気になっていたが、ようやく読めた。とてもおもしろかった。

最後に白羽は恵子に対して怒りをぶつける。恵子のような生き物は"皆から迫害されて孤独な人生を送るだけだ"と言うが、本当にそうだろうか? そうならない未来もあると信じたい。
私はこの物語はハッピーエンドなのだと思った。

恵子の女友達がけっこうリアルで読んでてイライラした。

0
2024年05月12日

QM

購入済み

読みやすいが考えさせられる

読みやすい文章で、忙しい時でもサクッと読めました。
周りと同じでなければいけないという小さいころからの空気に疑問をもつ主人公、
彼女自身の考え方を見て、こういう人もいるのかと、改めて勉強になったと思います。

0
2023年12月19日

購入済み

オンリーワンの大肯定

 現代日本の同調圧力による生き辛さを一蹴する好著である。
 評価の分かれるラストシーンについては、コンビニバイトの行かず後家である主人公古倉恵子が、他人の目を気にし過ぎず、自分の納得できる生き方に進むことを示唆したもので、オンリーワンの生を大肯定するハッピーエンドと捉えたい。
 また、本書はラノベのようにエッジの効いた会話やコンビニを水槽に見立てるなど文芸作品らしい表現技巧に優れ、ぐいぐい惹き込まれつつ読んだ。

#笑える

0
2023年08月31日

購入済み

一気に読んだ

面白くて夢中になって読んでしまいました。偏った思考だし、共感できるような事はなかったのですが、何故かこちらが救われるような気がしました。

#深い

0
2022年08月03日

ネタバレ

おもしろい

読後の最初の感想は、「今っぽい話だなぁ」でした。
私は小説を頭の中でしっかりと映像化する癖があり、俳優さんや女優さんを当てて読みます。そうすることでより入り込めます。
今回の主人公は黒木華さん、店長は長谷川博己さん、など。

主人公は周りとは少し"違う"という幼少期をすごし、極力自分から何かを発さないように過ごします。
ゆくゆく自分が"違う"部分を治すのではなく、周りの"普通"な人を真似てあたかも同じかのように振る舞い生きていく。
それが非常にスムーズでやりやすいと感じたのが、コンビニ。
"古倉さん"という店員として存在し、幼少期がどうだとか考え方がどうだとか、主人公の感情や生き方など誰も気にしない。
品出し・レジ・掃除など必要とされていることを必要な分こなすという生活を35歳まで、アルバイトのまま、未婚で、続けます。

そもそも、この「誰も気にしない」というのは"普通"の人なら寂しく感じることだろうと思うけれど、主人公はその環境が心地よく感じています。
今まで"違う"ということを押し付けられていたがために、コンビニの一部になれていることに幸福を感じている。
正直、今は社会でもプライベートにまったく介入しないというのがむしろ良しとされる風潮がありますよね。
若者に多いのが
有給を取る理由を言う必要があるか?
恋人の有無を教える必要があるか?
オンライン会議では部屋を映さない  とか。
何かとハラスメントでネーミングされます。

主人公のと訳が違うのは大前提ですが、
「迷惑をかけているわけではないのだから放っておいてくれ」というのは、今っぽいですよね。
白羽は迷惑かけまくってましたけど。

といった感じで、そのリアルな社会の感じが気分を暗くさせます。
それだけ入り込めるということだと思います。
いくらでも書けそうなので強引に締めました。

あと書いておきたかったのは途中で一瞬出てきた"主人公の成れの果て"の男性です。
お客の癖に商品を整理したり客の列を正したり。
白羽に促されるまま就職してしまったら、ああなっていた。
だから主人公の判断は正解で、ハッピーエンドだと思います。

#深い #タメになる

0
2022年06月23日

Ayu

購入済み

面白い

主人公の超合理的な考えに驚かされました!

0
2022年04月25日

ネタバレ 購入済み

読みやすくて

一気に読みました。発達障害者と思われる人物がコンビニで有能なバイトとして働く様子、ラストの決断に、ロッカーや正社員のふりなどは非常識な行為ではありますが、社会に大きな迷惑をかけるでもなく、この主人公がいきいきと輝ける場所があることを嬉しく思いました。

#タメになる

0
2021年09月20日

購入済み

いつものコンビニ

いつも必要最低限の買い物だったり、滞在時間だったりの無機質なコンビニ店内。その向こう側にある人間らしさを考えさせられた作品です。

0
2021年04月23日

A

購入済み

面白かった

面白かったです。
ただ、この話をどうとらえたら良いのかは難しいですね。
読んだひとそれぞれに思うところがあるでしょう。
良いとか悪いとかの話ではないでし。

ともかく、できるだけ多くのひとが下記のことに気づいて欲しいものです。

絶対的な善悪は存在しないこと。
生きることに意味は存在しないこと。
人間の行動はすべて自分のためであること。
(人のためにしていることであっても、
その人が心のそこから相手のためだと思っていたとしても)
世界中の人間はすべて別の生き物だということ。

0
2021年04月08日

ネタバレ 購入済み

読みやすかった。

とても読みやすく面白かった。主人公の思考や価値観が淡々と語られている。考えさせられる内容ではあるが、読後感は意外とすっきり。

0
2020年04月25日

悲哀を拒否している

アプローチが違えば、もう少し掘り下げられる気がする、
と読後に最初は考えた。
あまり異常な人の、突飛な行動で脚色して読者が面白がる作り方(構造)は、
これみよがしで共感も得がたく嫌だな、と思ったが、
深く考えてみると、演出や脚色が大袈裟なだけで、
こんな人はいくらでもいるのではないか、とも後で思った。
私の身近な職場にもずっとフリーターで生きている40歳オーバーが何人かいるわけで。
ただ、作者はそういう人を描きたいわけでなくて、
どちらかというと描きたかったのは、
主人公(多分作者の内面の一部)のある種の純粋さ(短絡的傾向)だと思う。
つまり、何がいけないの? と。
『主人公は』普通でありたいだけなのに、と。
間違ったことは何も言っていないと。
言ってしまえば、主人公はただすごく真面目に働いていて、
すごく真面目に質素な生活をしているだけの人ですよね。
ずるさもなく、欲もない。誰も傷付けない。周りが理解できないだけ。
肉親が哀しめば、合わせようとさえする。
独り身が悪いわけがないわけで。
それが、パブリックとプライベートの切り分けをして生きている世間の人たちからすると、
残念ながら受け容れられず浮いてしまう。
ただし、そのへんを悲哀に持っていかないのは、
作家としてそういった視点をもしかしたら
拒否しているのかもしれない。
言い換えれば、それは怒りではないかな。
やっぱり間違ったことは何もしていないわけですよ。
結婚なんて、したい人がすればいいわけで(私は妻子がいますが)。
それらを考えると、作者が主人公をかなりの変人のように描いたのは、
ある種の皮肉かもしれませんね。
そこまで考えると、大変良作だと思います。
私も作者と同じく、個性と言いながら異質なものを平均化しようとする世間は嫌いですね。

0
2020年02月14日

購入済み

人間らしさってなんだろうと思う

人間らしさってなんだろうと考えさせられる作品。人の目をつい気にしてしまう人にはとても刺さると思います。題材は結構重いが、結構サクサク読めます。おススメです。

0
2019年12月17日

購入済み

まさか、こんな内容とは

芥川賞を受賞した作品として知ってはいましたが、題名からライトな内容だと思い込んでいました。
誰かの普通は誰かの普通じゃない、そんなの当たり前だと思っていたけど、それこそ普通じゃないのだと思い知らされた感じです。
2人以上人が群れると、時として怖くなる。
普通圧力か…
深呼吸ができる場所で暮らしたいし、一緒にいる人には深呼吸させてあげられる人になりたいです。

1
2021年07月11日

Posted by ブクログ

サラッと読めるのにおもしろ…
自分を作って世の中の部品になることで安心を得られる感覚も、作った自分に飲み込まれそうになる感覚も身に覚えがありすぎる
この本が人気になるということは意外とみんなもそうなのか…
と自分の普通っぽさに安心している自分がいる

0
2024年05月26日

Posted by ブクログ

「コンビニ人間」は非常に面白かったです。人間の同調圧力や悪意が不快で、不気味に感じられました。ただ、少し誇張されている部分もあるのではないかと思いました。いずれにせよ、人の心に土足で踏み込んではいけないと改めて感じました。

0
2024年05月25日

Posted by ブクログ

様々な人の話し方がトレースし合って、その人の話し方になるといった表現が印象的だった。
また、現代社会に蔓延する「普通圧力」に疑問を持ち真剣(素朴?)に向き合う主人公の異端さは、不気味ながらも新鮮さに溢れている。解説にあった「ベビーエンド」という概念も知ることが出来た。この「ベビーエンド」もいわゆる「普通圧力」の産物なのだという。常識に囚われずに、人になんと言われようと生きたいように生きることを決意した時の人の活力を字面越しに目の当たりにした。
とても面白い作品だった。

0
2024年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【記録用】
バイト先で勧められて読んだ1冊。
真っ直ぐにサイコパスな主人公と捩れまくった2ちゃんねるの化身みたいな相手の男。
斜めからモノを見るものたちの頂上バトル。
現代社会の生きづらさを映し出してる感じ。
今の社会を生きるのって大変だって斜めな見方を通して真っ直ぐ伝えられた気がする。

0
2024年05月23日

Posted by ブクログ

結果的に家族は嫌がるのだろうけど、この子が動物や人殺しにならずに済んだのは良かったことだと思う。アルバイトはどうしたって、学校の合間だったり主婦だったり、意味のあるものしか働いていないから異物になりやすい。

0
2024年05月23日

Posted by ブクログ

周りとどこか違う主人公は、普通の人間という皮をかぶって、マニュアル通り振る舞い生きているコンビニ人間。

新しくコンビニバイトとして入ってきた、異物を認めないこの世界から隠れていたいという白羽さん。彼もまた、周りとどこか違う。

「普通」とは何か?
それぞれが、「普通」と違うことで生きづらさを抱えている。


友人たちとBBQをしているときに
「あ、私、異物になっている。」と主人公が気づく場面があるが、この感覚すごく分かる…。
 

正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除されるー
治らないと、正常な人達に削除されるんだー
ただ、少数派というだけで、皆が僕の人生を簡単に強姦するー

村田さんの言葉のバリエーションが豊富で、物語に引き込まれてしまい、読み進める手が止まらなかった。

0
2024年05月23日

Posted by ブクログ

一気読みしました。

「普通」がわからない古倉と
「普通」に適応出来ず捻くれた白羽。

コンビニの視点から描かれる、見えないマニュアルに支配されている世間。
多様性といいつつ根深く残る「普通」圧。
共感する部分が多かったです。

0
2024年05月19日

Posted by ブクログ

人はそれぞれ、事情が違ければ幸せの形は違う。周りは善意でアドバイスをしているが、それが主人公には合わないのだろう。善意の加害者になっていないか、自分を見直さなければいけないと思った。自分と他人は違うのに、なぜ一緒だと思ってしまうのだろう。そこに人種や国、宗教などのトラブルが集約されているのではないだろうか。

0
2024年05月19日

Posted by ブクログ

一気読み
人がこの世に生まれ大人へと成長していく中で、皆と同じであることが望まれ、そうでないと異質と見なされる。また大人になってからも就職したり、恋愛をしてパートナーを作り結婚をして子供を作るといった人生パターンが普通で当たり前であり、「多様性」という言葉が浸透しつつも「普通」でないことはどこか許容し難い部分がある。そんな世の中の常識や価値観、普通とは?という事をこの物語の主人公を通して考えさせられる作品。
実際村田沙耶香さんがコンビニバイトをされていたとあって裏事情や店員の心情など細かく独特で面白かった。加えて村田沙耶香さんはとても仕事のできるコンビニ店員だったのだろうなとクスッとできました。

0
2024年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

白羽さんとの生活を始めてしまう辺りに人間味を感じた。主人公は結局元のコンビニ人間生活に戻ったと捉えればそれまでだけど。

個人的には好きな内容だし、いい作品だと思うけれど、これが芥川賞を受賞した作品だとは思わなかった。社会がこれをどう捉えてるのか、何を感じたのか気になる。

0
2024年05月15日

Posted by ブクログ

オーディブルで!
再読
やはりこの人変わってるけどこういう人も幸せになってほしい。
コンビニがあったことでやりがいができたんかなあと思う。
それはコンビニでもなんでも良くて、夢中になれることを探したいと思う

0
2024年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の考え方があまりにも変わっていたので「え?そんな事普通は思わないから!」とか思ったりしたけど、それでも自分のペースで生きていくのは凄いし、主人公の行動にはただただ驚かされた。
でも主人公が言っていた通り、ずっと同じ環境にいると周りの人の話し方に似てきたりするのはわかる。
白羽の行動や言動は私には理解出来ない部分が多かったかな。

0
2024年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文体や表現はライトで現代的な印象だが、それゆえに主人公の社会不適合さのどうしようもなさがリアルで一層浮彫りにされている気がして、読後はしんどく暗澹たる気持ちが残った。
主人公のコンビニへの依存が行きすぎて、もはやそれなしでは生きていけないほど進行してしまっていることが分かるエンディングも、主人公の清々しさが不気味さを際立たせており、作品としては良いのだが、主人公のことを思えばさすがに見ていられず、できれば少しでも将来に希望が見えるエンディングにして欲しかった。それほどまでに世界観に没入させられた。
コンビニバイトの描写がリアルでさすが経験者だと思った。

0
2024年05月12日

Posted by ブクログ

普通ができない人間に対する社会や自分の不寛容を自覚させられます。
社会に縛られる不自由さを感じながら、自分らしく在りたいなんて考えたりするわけですが、これは社会の規定する普通と自分があまりずれていないってことで、自分は恵まれているんだなと思いました。
普通ができないひとが、社会の歯車であることを望むという本書は、普段の生活では考えが及ばない視点をくれました。
こういう、一切共感できないけど、想像できて納得感があるモノに触れると、もっといろんな本を読まなきゃなと思います。
普段はついつい共感できそうな本ばかり手にとってしまうので。
物語としても読みやすく、面白かったです。

0
2024年05月12日

Posted by ブクログ

大学受験のとき毎日通ってた塾の隣のセブンにプロのコンビニ店員さんがいたのを思い出した
声の張り方とか会計時の鮮やかな手つきとか、おそらく主人公もあんな感じなのかなあて想像したらより面白かった
人それぞれ得意分野があって、それぞれがその仕事を全うしようとすることに対して文句つける人たちは自分達の人生が他人との相対比較でしか価値を感じられないものなんだろうなと思う
私もカフェでバイトしてた時、どうやったら最短距離で提供できるかを意識的に研究してたこともあったし、完璧な動線作れたときはニヤニヤしてた
この人は絶対SVになるべきだと思う、天職

0
2024年05月27日

購入済み

普通って何?

個性が強すぎると敬遠され普通じゃないと言われ淘汰されていく。主人公は妹に助言を求め普通の人間に近づこうと外見や話し方を変えていく。そうしないと生きていけない。ただただコンビニの仕事に24時間精神も縛られてないと崩れてしまう。
毎回縄文時代を語る白羽さんとの出合いは彼女にとって普通になれる事だったのか?社会不適合者だったかも知れない彼女がコンビニ店員に身を置くことで社会の歯車に成れたと感じられればこれからも頑張れるのだろう。普通とは?と考えさせる一冊でした。

0
2022年02月20日

a

購入済み

同調圧力

とはとても恐ろしいし、自分加害者になってしまっている時がある。
何事にもニュートラルでいる事は本当に、とても難しい。

0
2021年07月13日

購入済み

想像の斜め上をいく展開

友達に薦められ、書評を読んでから購入しました。
ありきたりの人間の苦渋を描いたストーリーかと思いきや、想像の斜め上をいく展開に驚きながら一気読みしてしまいました。
色々な人の生き方。これからの社会の多様性のあり方を考えさせられました。

#深い #シュール

0
2021年06月06日

購入済み

普通という脅迫

知らずのうちに普通を演じ普通を強要している社会で主人公はコンビニというパッケージされた社会の歯車の中で生きていて、
主人公は結局、普通を消化してしまったのかしら。
それとも選び取った選択だったのかしら。
最後に賛否が分かれるけども、その意味を考えてしまうわねー。

0
2021年04月09日

購入済み

コンビニ人間

何だか知らぬうちにハマってしまう作品でした

0
2019年11月25日

購入済み

せつない

コンビニ人間って何?
と思い興味本意で読んでみました。
現代の若者の象徴である就職難民からのコンビニバイト。
自分の娘や孫もそうなる可能性はゼロではないと思うと切なく、この様な社会にしてしまった大人達に是非読んで欲しいと思いました。

0
2019年01月24日

Posted by ブクログ

人は誰かの一部を集めたキャラクターになってるという考え方に納得した。

社会不適合者、そう感じてる主人公は、第二者からではない第三者から見ているような客観的なな思考であったため、私は第四者になれた気がした。もしくは、主人公と同じ第三者で、主人公と私は重ねられて、突拍子もない性質を現在進行形で受け入れていたのかもしれない。
コンビニ人間として溶け込んでいるのか人間として異質なのか。あるいはどちらも満たしているのか。

0
2024年05月25日

Posted by ブクログ

淡々と過ぎていく物語のストーリー。最初は、何が起こるのか、きっと何か裏があるのか、主人公は何かしでかすんじゃないのかと色々想像しながら読み進めてみる。でも、最後までコンビニを中心に取り巻く、普通ではない独身女子の話。盛り上がりや、サスペンス要素はないが、、、職場の人と喋り方、雰囲気が似てくると言う事は確かに、、と納得し、、、仕事よりも、噂話で盛り上がる私もあっち側の1人だと納得し、自分は普通の人間なんだと実感。
世の中にいる生きずらい人に良かれと思って親切にしても、有り難いと思わない人もいると言う事に、気付かされた。
でも、一つ言いたい事は、この主人公がいるコンビニへ行ったら、提供されるサービスや態度、質は最高のものだと言う事!私が妹ならこのままでいいじゃん!って言ってあげたい!!!

0
2024年05月25日

Posted by ブクログ

コンビニで18年間継続して働く主人公。コンビニの業務をテキパキとこなし、セールのようなイベントがあれば、他のスタッフと一丸となって目標に向かって働く。しかし、コンビニ以外のことになると、他人の感情に共感出来ずにいる。
でも、主人公は、決して他人が変だ、自分が全て正しいのにと周りに自分の味方を作って排除したりは決してしない。そういうところはすごく好きだなと自分は思った。
特に女性はテリトリーを作りたがちなので、思っていなくても、自分もそう思う〜と私自身も言ってしまうことが多々ある。

また、多様性と言われる時代だが、なんでも受け入れられるわけではなく、世の中にはある種の既に決まったパターンがいくつかあり、外れてしまうと排除されてしまうのだろうなとも感じた。

0
2024年05月22日

Posted by ブクログ

初めて村田さんの本を読んだが、とても読みやすかった。
コンビニという身近な場所にも、同調圧力に生きづらさを感じる主人公の考えにも親近感を覚えた。
ラストはどうなってしまうのかと思ったが、個人的にはスッキリした。

0
2024年05月20日

Posted by ブクログ

私は主人公の考え方が分からないこともなかった。世間的にいう普通や、当たり前のこと(結婚、妊娠、出産)をみんなが経験するものとして常識的に捉えてる人がどれだけいるだろうか。自分がこうありたいと思うことを我慢したり社会的な常識のプレッシャーに押しつぶされそうなこともある。
人との関わりを通して自分のあり方を再認識し、自分は自分と貫くことのできる主人公を見習いたいと思った。

0
2024年05月19日

Posted by ブクログ

普通って誰が決めたもの?って考える気掛けをくれる小説。

世間の常識で、僕らは動いている気がします。
常識って要は対多数の人たちの意見ではないのかと思います。
それに流されている人間ってゾッとします。
それでも抗うのが難しい問題だし、自分らしく生かせてくれないのが今の世かもしれません。

また、人には長所が必ずあるっと教えてくれる小説でもあると思います。
世間から底辺でも、長所を活かせば必ず喜んでくれる人がいる。
そのために、長所を知るために仕事をしているのかも知れないですね。

0
2024年05月17日

Posted by ブクログ

寝る前に読み始めたら、止まらなくて一気読み。
妙な気持ち悪さがあるが、そこも魅力。

主人公のことは、個人的には怖かったし、理解できない部分が多い。それでも、いろんな事情に気を遣って、居心地の悪い世界に自分を合わせていく経験は誰にでもあると思う。

主人公の最後の決断は、自分にはきっと真似できない。

0
2024年05月16日

Posted by ブクログ

学生という自由な身の私にとってはまだ理解し難い内容だった。
社会人になった時にもう一度この本を読んでみたい。

0
2024年05月13日

購入済み

SF?それともサスペンス?読後感がとても後味が悪く、それが良い意味で面白かったです。
のほほんとしたコンビニでの日常小説かな?と、気軽な気持ちで読み始めたことを後悔しつつ、最後まで一気に読み終えてしまいました。

#エモい #シュール #ダーク

0
2023年03月25日

ネタバレ

まず読み始めて、主人公は発達障害の傾向が強いなと思いました。
私自身ASDの診断を受けており、主人公には共感する部分が多い、というよりも、私が書いた日記を読んでいるかのような感覚でした。

作中で、主人公が妹に「いつになったら治るのか」「どうすれば普通になるのか」というように責められる場面があります。それに対する「指示をくれれば私はどうだっていい。ちゃんと的確に教えてよ」という主人公の言葉は、まさに私の主張そのものでした。主人公や私のような人間は、周りの要望に応えるためにわざわざ行動しようとしているというのに、一体どうして具体的な改善案を出してくれないのでしょうか。こちらが歩み寄ろうとしているのに、一方的に糾弾してくるなんて、どう考えても非があるのはあちらではないのでしょうか。

自分自身のモヤモヤが物語になった、というような作品で、共感は得られましたが、感動や新たな発見はありませんでした。

#ほのぼの

0
2022年07月16日

購入済み

主人公がアスペルガー だとは書いていませんが、読み手によってはアスペルガーであるだろうと想像させて読ませてしまうところが、実際アスペルガーの人がいる中で生活している、もしくは家族や自分自身がアスペルガーである場合、評価というか読んだ感想や気持ちが大きく変わってくる作品だと思います。

小説というのはあくまで一人の人間、個人の思想を文字にするというものであるからこそ、それが全てではないということも含めて読むのでしょうが。

ここで描かれる普通や、主人公が紛れようとする普通や、登場する全ての人が目指す普通は日本独特の普通である部分も多く、人間世界に共通していえる普通もあり、日本の普通はどこかの国では普通ではない、アスペルガー だろうがなんだろうがここで書かれている皆が目指す普通のことは、ある人にとっては普通であっても、普通どころか君達は何に洗脳されてるのだと異様に感じる人もいるのも事実なので、普通を押し付けようとするシーンでのやりとりなどは、小さな世界感で独特で読んでいて気味が悪かった。カルト集団の小さな世界にも感じる。

この世界は広くて、どこかの空間では普通で当たり前になっているけど、どこかの空間では普通ではなく、当たり前じゃないことがある、人間は視野が狭くなると怖いなと感じ、気味悪さや生きづらさが伝わる作品です。

しかしながら、貧困という問題は個人の責任ではなく国をあげて取り組むべきことだと考えさせられます。こんなに真面目に一生懸命、天職を見付けて輝いて働いているにもかかわらず、人生の一生を保証されないなんて悔しいばかり。

コンビニのマニュアルは、軍隊の規律の中にいるようでさえあり、厳しいですね、怖いですね。

こんなに厳しい毎日なのに、一生懸命働いても保証されないのですね。料金支払い、荷物の受け渡し、毎日の食事まで。街の人々の為に、24時間手厚くおもてなしをしているのに、街の人のために動いてくれるはずの役所の窓口は態度が悪くても許されて、コンビニ店員は態度が悪いと社会の悪になってしまうのですね。

0
2019年12月31日

購入済み

小説の本質がこれだとしたら、やはり小説を好きになれない。気持ち悪さだけが残った。

#ダーク

0
2022年06月21日

「小説」ランキング