【感想・ネタバレ】彷徨える艦隊 旗艦ドーントレスのレビュー

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Posted by ブクログ

未来に蘇ったジョン・ギアリー大佐を中心に展開する、ミリタリーSFの彷徨える艦隊シリーズ第1巻です。
2つの星間人類文明であるアライアンスとシンディックは、終わりの見えない泥沼の戦争を続けています。
危機的状況のアライアンス艦隊は古戦場で漂う救命ポッドを回収、それには100年前に死亡したと思われていた伝説の“ブラック・ジャック”ことジョン・ギアリーが人工冬眠状態で眠っていました。
特進による大佐でしたが、英雄視されていたギアリー大佐はアライアンス艦隊士官の多くから崇拝されることになります。
今まさにシンディックと不利な交渉を行おうとしているアライアンス旗艦ドーントレスで蘇ったギアリーは事の成り行きと不在だった年月に何があったのかの不安で一杯となり、やはり状況は悪化していくのです。
希望は“ブラック・ジャック”以外に無く、本当は普通の人間であるジョン・ギアリーに託されることになりました。
多くのジェネレーションギャップに悩まされることになりますが、しかし同時にそれが強みにもなるところに面白みがあります。
図らずも艦隊司令官となったギアリー率いるアライアンス艦隊を待ち受ける未来とは…。
2巻にも期待します。

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2022年05月13日

soz

購入済み

一気読みしてしまう

戦記小説を探していて、評判が良かったので読んでみたら大当たりでした。
往年のスペースオペラ、SFファン。銀英伝が好きな方ならきっと気にいるはずです。

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2021年03月08日

Posted by ブクログ

地球人は二つの勢力に分かれ100年以上も戦争を続けている。100年前の戦闘で救命ポッドによって冬眠状態だった主人公は、味方艦隊に救われる。しかし、その時味方は敵艦隊に圧倒されていた。首脳陣が全員殺害され、主人公は艦隊を率いることになってしまう。彼には3隻のチームを指揮したことしかなく、100年前の戦いの特別昇進で大佐になっただけというのに…。ところが、彼はすでに伝説の英雄と見なされていた。彼は艦隊を率いて母星に帰還することを目指す。
神格化した彼に全幅の信頼をよこす者にうんざりし、彼の指揮能力に疑問を持つ者の反発に会い、彼の艦長職務は一筋縄ではいかない。なおかつ、この100年で艦隊としての集団戦法は失われ、各自がてんでばらばらに攻撃するしかできなかった。
館長としての負託に応え、皆をまとめて帰還することができるか?
というのが、大体のあらすじ。艦は亜光速で飛行することができ、ワープ航法も手に入れているが、通信系だけは光速を越えられないという制約が話の展開を面白くさせている。
そして、英雄と素の自分という主人公自身の葛藤と、彼に様々な目を向ける艦長たち。
単なるスペースオペラではない、複雑な人間ドラマを展開する!

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2016年11月10日

Posted by ブクログ

久々に、睡眠時間を削ってしまう面白い話に出会えました。
壮大な話、シカケに溢れた世界設定、想像をかきたてられる描写、散りばめられた知恵、個性豊かなキャラクターとその掛け合い。著者も凄いけど、訳者もまた素晴らしい。

これでSFでなかったら、万人にオススメできるんですが(笑

著者ジャック・キャンベルはなんとアメリカ海軍士官OB。艦隊に関するプロが、今度は宇宙を舞台に艦隊を戦わせる。かと言ってマニアックな表現に囚われず、艦隊に乗り込んだ政治家=軍事の素人に対して説明する形で、しっかり解説。
とは言え3次元空間で艦隊が動く戦闘シーンは読み飛ばしてると訳わかんなくなります。おかげで今2周目。

ストーリーはこんな話。
主人公は自分の指揮していた艦が敵に破壊され、救命ポッドで100年間も冷凍睡眠していた軍人。浦島太郎状態です。
味方に運良く救出されたものの艦隊は敵の只中。いきなり司令官に呼び出され「敵と交渉してくるから留守頼むわ」と言われて艦隊司令官の権限を移譲される。
敵と交渉しに行った司令官はアッサリ敵に殺されてしまい、主人公は満身創痍の艦隊を無事に故郷へ連れ戻す重責を背負わされる…。100年寝てたから知り合いはそりゃみんな死んでるし、現役の軍人たちの考えも変わっている。超アウェー戦ださぁどうする?

インバスケット演習かよ!

解説によると「危機的状況下での指揮権委譲」というテーマは海洋冒険小説の王道テーマのひとつらしい。
指揮権を委譲されてからの主人公のふるまい、少しずつ味方の信頼を勝ち得ていく姿は企業のマネジメントに通じるトコもあって、いつの間にか主人公に理想の上司像を重ねてしまうこと請け合いです。

特に主人公が一人悩むシーンが印象的。
そしていたずらに強権をふりかざすのでなく、理屈や感情に訴えて人を上手く動かしていく。公然と非難を受けて怒りを感じても、それをあらわにするのではなく、冷静に相手の薄い論拠を指摘して合意を形成していく。
そして積み重ねる勝利と、仲間からの信頼。
「もしドラ」読むならこっち読んだ方が面白い。ためにもなる。たぶん!

”規則を調べれば必ず、自分のやりたいことを正当化する根拠がみつかる”という言葉を読んで、自分が今やっている、小難しい法律を紐解く仕事にもやり甲斐を見出せたし(笑

睡眠時間が削られる以外の問題点は、まだこの話、完結していないということ。
最新刊まで読み終わったら、3周目に入らないと耐えられそうにない!

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2016年01月09日

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冒頭から、いきなり戦闘中のシーン。その中で冷凍睡眠から目覚めた大佐ギアリーは呆然とする。救出ポッドで冷凍冬眠にはいってから100年もたっていたのだ。挙句、完全降伏を迫られている艦隊の指揮を引き継ぐことになった。果たして故郷に帰れるのか!

なんだか、その昔の「宇宙空母ギャラクティカ」を思い出させるような設定なのですが、作者が海軍に所属していた経験もあり、軍隊という組織の特徴を作中に織り込んでいて、非常に話を盛り上げます。100年もたっているから、なんとなく言葉は通じるけれども、話が通じないというSFならではの面白さがあるかと思えば、相対論的な物理法則による時差が状況をややこしくするという、帆船時代の戦争のようなギャップもあり、なかなか面白いです。

あんまり、期待しないで読んだのですが、これは続きが楽しみです。
どのようにリーダーシップをとっていくかで悩む100年前の男ギアリー大佐。ガンバルのだ!

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2012年05月27日

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ネタバレ

新章が発売されてたので復習のため再読。面白いね、いわゆるスペースオペラなSFで主人公の戦艦がやられて脱出して脱出装置の冷凍睡眠から目覚めたら100年が経過してて自分は英雄になっていて絶望的な状況の艦隊を任されてしまうと。作者が海軍出身てのもあって艦隊の雰囲気がよく出てていい。ご都合主義でうまく行きすぎるって評価もあるけど逆にテンポがよくなってサクサク進むから個人的には気持ちよく読めていいかなって。

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2012年03月15日

購入済み

皇国の守護者と・・・

皇国の守護者の通じる渋い撤退戦とのレビューを見て購入。
翻訳物にしては読みやすく読み応えがあった。
過大評価され管理職になった辛さが身につまされ、読み応えがあった。

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2014年05月27日

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一世紀に渡りシンディックと戦ってきた同盟軍は大敗を喫した。今やその艦隊は足手まといになり、敵地で足止めを食らっている。同盟軍の唯一の希望は、一世紀に及ぶ冬眠で眠る伝説の提督、ブラック・ジャック・ギアリーに託された・・・というストーリーのミリタリーSFシリーズの第1弾です。

本書の主人公、ブラック・ジャック・ギアリーが目を覚ますと、そこには総力戦によって引き裂かれた銀河が広がっていた。同盟軍は敵対勢力のシンディックとの果てしない戦いを繰り広げていましたが、罠にはめられ、同盟軍の指揮官は全員殺され、残された艦長たちはゆっくりと、失われた艦隊の指揮を執るべき地位にある唯一の男がギアリー名誉提督であることに気づきます。周囲からの英雄崇拝に愕然としながらも、ギアリーは自分の義務を果たすことに。作者ジャック・キャンベルには、敵地に取り残された船団が戦いに立ち向かうという物語の本書で、銀河系全体を横断する旅に私たちを連れて行ってくれます。

プロットも、キャラクター設定も、シンプルでユーモアが光る作品でした。たとえば宇宙戦。もともと私はミリタリーSFをそんなには読まないのですが、たまには宇宙戦もいいですね。本書の宇宙戦は、複雑な戦術や艦隊の操縦を見事に描写しており、非常にサスペンスに満ちていて、スター・ウォーズで描かれたものよりも魅力的に思えました。ただこのシリーズの最大の弱点は、その設定です。単体で見ると、スターウォーズやデューン、ハイペリオンなどと比べると、どうしてみ見劣りしてしまう部分があります。2つの対立する派閥のどちらにも深みがなく、どの惑星も魅力的ではありません。とはいえ、このシリーズには可能性があり、キャンベルはそれをどんどん利用していくのですが、序盤のうちはこの設定ゆえに驚くほど面白くないのが難点です。

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

何の予告もなく、唐突に物語が始まるので最初は戸惑うが、どんどん話に引き込まれる。適切なリーダーがいれば、集団は正しく動くものだ、と言えば話は簡単なのだが、逆に言えばそういうリーダーがいないと、短い期間でこんなにも集団には駄目になり、転落の一途を辿るものなのかと思うと空恐ろしい。

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2012年09月06日

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スペースオペラ。主人公は過去の戦闘で死んだと思われていた英雄。本人の知らない内に英雄に祭り上げられていた。英雄視される事に悩ませながら艦隊を指揮して、故郷へと艦隊を動かす。
面白い。まだ続くようなのでこれからどの様に彷徨うのかが楽しみ。

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2012年04月29日

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いや~面白い。SFを舞台にした部下管理物語。一人称目線なのも、敵のことがよくわからなくて、緊張があります。あと、5巻も楽しめるなんて。

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2011年09月23日

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ネタバレ

 百年の冷凍冬眠から偶然に蘇生させられたギアリーは、不本意ながら、星々から使わされた救世主として祭り上げられる。目覚めた場所は、敵地の奥深く、それも大規模な敵艦隊の目前。味方は艦隊戦で大敗したばかり。タイミングとしては、物語において最大のピンチと言ってかまわないだろう。

 遠い未来世界の物語なのに、宇宙艦隊における信仰心は、とても厚い。軍人たちは、超越的存在である星々をあがめ、先祖の霊を身近に感じている。そのような環境のなかで、ギアリーは、神がかり的な英雄として崇拝を受けることになるのだが、ギアリー自身は自分が英雄などではないことを知っており、周囲からの大きすぎる英雄視との間に、齟齬を感じ、苦悩することになる。おまけに、百年ぶりに目覚めた彼は、ちょっとした知人すらいないので、孤独感にさいなまれることになる。
 また、宇宙艦隊は軍隊組織であるにもかかわらず、意思決定の仕組みがトップダウンではなく、艦長会議という合議機関による評議制度というのも面白い(蘇生したギアリーにより真っ先にトップダウン式へと改善されるのだが)。
 以上のような、不合理ではあるが、細かく丹念に設定された世界を語るナラティブは、情緒的でなく、クールで、ハードボイルド小説に近い。
 
 やがて、物語中の時間が経過するにつれて、「伝説の英雄」ギアリーに対する神秘的な期待は、低下して行くだろう。というのは、ギアリーと、その他の人々が共に過ごすうちに、ギアリーの人間的な部分についての理解が深まるからである。
 神秘的な期待が低下する代わりに、ギアリーは次々に敵艦隊を撃破し、軍事的な実績を上げることにより、現実的な評価を人々から受けるにいたる。

 この作品は、百年後に蘇生した「伝説の英雄」が、時間をかけて現実の英雄へと様変わりしていく物語と言える。

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2011年07月18日

Posted by ブクログ

とても読みやすいミリタリーSFという感じです。
筆者は元アメリカ海軍士官(退役少佐)です。
設定や話のもっていきかたに旧職のキャリアが感じられます。
お勧めできる本です。

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2010年10月10日

Posted by ブクログ

地球より遠くはなれた宇宙。
戦争により乗っていた戦艦が破壊。
脱出艇で100年間人工冬眠していた主人公。
目覚めたら、そこは100年前と変わらず同じ敵と戦う艦隊の中。
とある使命を帯び、敵の目を逃れながら、
艦隊を引きつれ地球へと戻る旅に出る。

100年の間に勝手にヒーロー化された主人公。
実態は苦悩する昔堅気の上級仕官。
主人公の指揮を疑問視する他艦長達をどう制御するのか!

はい、とても面白かったです!
あまりSF専門用語はでてきませんでしたね。
読みやすかったです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

英雄として希望を寄せられる主人公が苦労しながらも活躍します。主人公の立場や苦悩にリアリティがあり、重厚感のあるSFでした!

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2024年02月18日

Posted by ブクログ

シリーズ第一弾 可もなく不可もなし
表紙   5点寺田 克也   月岡 小穂訳
展開   5点2006年著作
文章   5点
内容 520点
合計 535点

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2017年11月23日

Posted by ブクログ

そりゃ、100 年もたてば、人の考え方も変わるよねぇ。という、主人公と、それ以外の登場人物の考え方のギャップがひどいこと。(^^;
戦闘シーンも通信の時差とか、相対速度とか、いかにも SF っぽくて楽しいのですが、印象に残るのはジェネレーションギャップに苦しむ主人公ってのがね。(^^;
久しぶりのスペオペなので続きが楽しみです。

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2016年08月24日

Posted by ブクログ

相対論を考慮した戦闘描写が新鮮。
撤退戦をテーマにする渋さは「皇国の守護者」に通じる。
過去に失われた優れた技術、という現代日本的な感覚をアメリカ人も持っているのが少し意外。

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2012年05月03日

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