感情タグBEST3
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ここ最近読んだ中で1番刺さった作品。まずタイトルから滲み出す仄暗さに惹かれ、それを凌駕するストーリーに圧倒された。読むのにもの凄いエネルギーを使い、読後も少し放心状態になるくらいインパクトのある作品だった。終始暗いのだが、人間の残忍さやどうしようもないサガをあらゆる角度から描いててハッとさせられる。
ラストのなんとも言えない終わり方もこの作品らしくてよかった。
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竹槍を読みたいと思い、先にデビュー作を読むべきか、と思い手に取ってみた。
初美、ミミというキャバクラの女の子。早速マウント取る男、、よくわからないけど人も育ち(金持ちとか良家という意味ではなく)も良さそうな徳山。 1人だけキャバ嬢の中で他の子と違うセンス良くて賢くて、、、よくあるキャラクターか、と、期待せず読んでいくも、なんか面白い方向に進んでいく。
ほかのバイト先の仲間、年配の女性、社員含めた、あるあるな、強がる敗者みたいなしようもない人らの中で、徳山くんは、よい意味の育ちの良さがあり、初美と徳山くんはルッキズムの恩恵も受けている。二人で電車乗ってるところとか、なかなか、独特の嫌な感じを爽やかに書いていて、とにかくセンスが新しいというかユニークというか。
日本社会では見えないように包んで包んでそとからわからんように他人をボコボコに傷つけることが横行しておりそれをなぞり認知しその気持ち悪さを確認するように歴史上、歴史的から現代現在いや今日今おこなわれている残虐、虐殺、非道をひもとき、過去の遺物としてではなく開陳しゆえに徳山くんは時代が近づくほど嫌な気分になる。やがて今、今の現状に気づき、、、小気味良く詐欺師やマウントバカ男や勘違い女をバスターしながら、理想の境地に向かっていく、滑らかな感じ。
262ページあたりが衝撃であった、なるほどと膝を打つ感じ。
心穏やかに、そして小気味よい、いいぞ!って心の中で拍手しながらラストに向かっていく、希望とか、やる気とか、世の中でマウントとるか自己弁護、現実逃避するためのくだらん感情を粉砕し原点にもどる、みたいな、よい表現わからないけどそんな感想。
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初美は普通の家庭に生まれたことがコンプレックスと言った。
貧乏と裕福、片親など、将来バネになるような、目的意識を強めてくれるような、要素があまり無かった。
だから、初美の心は基本的に空っぽで、そこに世界中の歴史を元に、人間の醜さ、卑しさ、愚かな姿が入っていった。
何百年経っても人間の本質は変わらないということを理解した初美は、全てを諦め、絶望しているんだと思う。
さらには、社会に出ても、キャバクラという、酒、男女、金という人間の欲が溢れ出る環境、醜さ、愚かさもてんこ盛りの場所に身を置いてしまった。そのために、知識だけでなく、経験からも人間に絶望したんだと思う。
そんな初美からすると、徳山にも諦めと絶望が滲み出ていたんだと思う。
マルチ商法の勧誘があった時、初美がなぜあれだけ好奇心旺盛に乗っかり、行きたがったのか、謎だった。
今にして思えば、マルチ商法がどんな内容で実態がどうであるかは、知識として知っていたと思う。しかし、気になったのは、マルチ商法自体ではなく、そんなことをしている醜く、愚かな人間たちの方だと思う。より自分を絶望させてくれる何かが欲しかったのかもしれない、そして、そんな人間たちが何をどう考えて生きているのかに単純な興味が湧いていたのではと思う。
最初はマルチ商法の人間たちも、自分たちを大きく見せることに必死で、何重にも綺麗事という名の装甲を付けた言葉を放っていた。しかし、初美の真っ直ぐすぎる脅迫にも近い追求によって、次第にその装甲は剥がれていき、最終的に剥き出しの本音を引き出した。その結果、予想通り、くだらない理由や目的が出てきた、そこには人間の欲だけが並んだ。
クルーザーを貸切って、有名人と酒を飲みながら、セックスをしたり、欲の塊のような理由に初美は内心満足だったと思う。さらなる、人間への絶望を与えてくれたのだから。
他にも、バイト先の女性の先輩に対しても、徳山のメールを介して、初美は似たようなことをした。こちらに関しては、一方的なぶん殴りだったとは思うが。
この先輩は欲が溢れていたというタイプでは無い。むしろ、人間というものに期待や希望を持ちすぎており、初美とは真逆と言ってもいい存在だったのかもしれない。
当初、徳山はこの先輩を良く思っていたが、初美と出会い、ある種この悪女によって、真逆の道、希望に寄った心を、抗うすべもないほどに魅力的な初美によって、絶望側へ引っ張りこまれてしまった。
人は大抵、人の言動からその裏を読み、悲観的になる方が多いが、この先輩は事実として悲観的であるにもかかわらず、それに気づかず最大限希望的に人間を捉えていた。
これは、この女が人間を自分の見たいようにしか見ていないためである。人は確かに、誰しもが相手を自分の中の理想と比べて、見たいようにしか見ないが、この女はそれがあまりに強すぎる、世渡りが下手というか、現実が見えていないというか、善良すぎるんだと思う。だからこそ、初美から見れば、イライラしただろうし、気持ち悪いと感じたんだと思う。
その気持ちを全て徳山のメールを介して、最大級の言葉で、最大級の皮肉を込めて、ぶつけたくなったんだろうと思う。
初美は人間に絶望し、人間の欲というものが本当に嫌いだった、だからこそ、自分から欲というものをできる限り削ぎ落としていった、性欲、食欲、自己顕示欲など、全てを削いでいき、最終的には死にたくなった。ねぇ、死にましょうよ。という印象的な言葉へと繋がっていったんだと思う。
Posted by ブクログ
タイトルを含めて悪意の満ち溢れた小説。
悪意しかないと言っても過言ではない気がする。
極めて危険。心が弱っているとき読むと、きっと副作用にやられる。だから、必ず健康な時に読んでください。
ナンバーワンキャバ嬢・初美との出会いをきっかけに破滅に落ちていく浪人生・徳山の姿を描く。
救いはなく、ただただ無残。
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主人公の性格が共感できるところが多かっただけにのめり込むように読んでた
自分の前に初美のような女性が現れたらと思うと恐ろしくもあるけど、悪くないなとも感じた
終盤の初美と片岡さんの文章の温度差に笑った
最後はハッピーエンド?幸せは人それぞれ違うからね
俺も嫌な奴に嫌ってガツンと言ってやりてえーー
自分が今まで触れてこなかったから考えもしなかったけど、この作品読んで関西弁素敵だなって思った
Posted by ブクログ
4月1冊目
春爛漫暖かくなって気持ちも前向きに
なれそうな季節になってきたというのに
まあでもこれくらい浮かれた春うららな日に読んだ方がいいのかも。
究極!!
なんで人は陰の方にひっぱられやすいんだろう。
陰の方がしんどいのに何故か居心地がいいのはなんでやろう。
少しでも病んでる時にこの本を読むと初美に引っ張られてしまうので注意が必要。
けど主人公は幸せやったんじゃないかなあ。
とも思ったりする。
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私が読書にハマるキッカケになった本です。 本をほとんど読んだことがない私の最初の感想は「なにこれ。怖すぎる」でした笑 言葉に表せない感情でした。不気味な面白さ。 本を読んだことのない私でも、面白くてスラスラ読めました。 初美は誰が見ても変わり者ですが、芯の強さというか…そこまで綺麗な言い方ではないかな。物怖じしない、異様な魅力があるのも確かだなと思いました。 徳山はそれにまんまとハマり、正しい判断が出来なくなる。どうしようもない結末にたどり着く。人間らしいとも思いました。
Posted by ブクログ
こんなタイトルを選んでいる時分で文句言えないんだが2冊連続でなかなかネガティブに振り切った作品読んでしまって心が疲弊
とはいえ、最初こそ独特の言い回しに読みづらさを感じるも読めば読むほど引き込まれて、この文体こそがミミの持つものなんじゃないかと思わされた
藤倉にお金のありかを聞くことはできない、と徳山が独りごちてたのを最初は「意外とそういう義理堅いところもあるもんなんだな」と思っていたが、きっと確認してしまったらミミがそうであることが自ずとわかるわけで、それが怖かっただけなんだろうな
予備校の先輩にキレたのも、(先輩自身がとんでもないというのもあるけど)自分の拠り所としている存在を汚そうとしてきたからで、どこまでいってもミミだった
これまで徳山は自分のことで怒るっていうのができなかったんだろうと思う
周りはミミのことを悪女と評するので、なにかミミに裏があるのかと思ったけど、朝キャバに調査にいってもなお彼女には徳山が知っているまたは想像の範疇にあるような気質しか結局なくて、それはつまり、徳山の周囲もまた徳山を蔑んでいたということだ
だから!は「もう一度キャバクラに行けば彼女のことがわかる」と親切心で伝えるし(=徳山が彼女について理解しきれていないだろうという憶測がある)、日浦は気持ち申し訳なさそうにするし(事実徳山を軽んじていたがそれを本人から指摘されて自覚した)、斎藤は店長にキレる彼に尊敬を向けるが、積極的に遊ぼうとはしない(キレたという側面はすごいがその他に魅力を感じてない)
なによりグロテスクなのが躁の先輩で、なにかと徳山を気にかけてはいるものの、ああいう長文の本人からしたら励ましを送れること自体舐めてるのだ、彼を目覚めさせてあげないと、導いてあげないと、が透けてみえる、仕事でぼろぼろの自分にとってのあのポンコツはそれこそ拠り所だったのかもしれない
そんな徳山にきちんと敬語で丁重に接してくれる人間が現れたらそりゃ砂漠のオアシスなわけで、ああいう結末になってしまったのは蔑ろにし続けた周囲のせいか、プライドを崩せなかった徳山自身か
結婚なんて「2人で生きていきます」という宣言であってミミの求めるものとは対極なのにそれに気づかないのが徳山だなあと思った
在日と親を理由に断ったのは徳山のそのどうしようもなさを指摘したくなかったのか、不条理に苦しめたかったのか、よくわかんなかった
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負のエネルギーの強さに圧倒されました。
死のほうへひっぱる強さ、孤独へ押しやる強さ、そしてそれって楽なんですきっと。
初美が何を考えているのかいまいちわからないんですけど、わたしは実験してるのかなって、徳山って動物園の動物とかとおなじなのかなって思いました。徳山からしたら大好きな初美と死に向かっていって、思考力も弱まっていってて、それって羨ましいなって思っちゃいました。(たぶんこの本の影響受けてるわたし)
生きていてもクソなことばっかりで歴史ってグロくて人間って気持ち悪いってことを改めて文字で読めて良かったです。
わたしはこの本好きでした、自殺願望はないけど一緒に死ねる人がいるっていいなと思いました。
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想像していた話と全然違った。
形岡からのメールと、初美の返信が印象的だった。明るい気持ちになりかけたところで、どん底に突き落とすような落差があった。
初美の言うことは正論で、厳しすぎるくらいの現実を突きつけてくる。それが流暢に関西弁でスラスラと出てくるから、つい快さをおぼえてしまう。断定しているのも良い。でもその主張の行く先は死しかないのだ。
たとえ醜い世界の中でも生きることを選択するかどうか。死ぬことは簡単なことと言い切る初美の説明に、思わず涙が出てきた。もしこんな安寧が死の先にあるとしたら、生きるのがつらい人は行ってしまうだろうと思った。
手を引く力の強い初美と、その手を取っしまう徳山。初美だけが悪いのではなくて、徳山にもその素質があったのだと思う。ラストはただただ光合成して生きている植物みたいな二人が頭に浮かぶ。
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すっきりしない結末ではあったが、徳山がどっぷり初美に影響され、入り込んでいく描写が見事だった。
そして、意味不明なことをしている/言っているようにも思えながら、全く共感できないわけではない。人間ってそんなもんだよなと思わされるところが秀逸だった。
この2人はどんな結末を迎えるのか、いつかふとSNSで見つけたときに、「そうなんだ」程度に読み流すのだろうか。
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とにかく気持ち悪い
厭世的な破滅系小説となろう系の気持ち悪い部分を混ぜて煮詰めて、中二病エッセンスを入れて仕上げた一冊という印象を受けた。
でも出てくる価値観や主人公のとにかく情けない部分に親近感のようなものを覚え、個人的にはしっかりと感情移入(この辺りは読む人によって捉え方は変わるとは思いますが)。最後に受け取ったメールの部分に関しては、とにかく読むのが苦痛だった。何もかもが綺麗事で解決すると思ったら大間違いですよ
総じて、急性アル中手前まで飲んだ次の日に長い長い帰路を鈍行に揺られてる感じ。それでいて足元をゆっくりゆっくり真っ暗な穴に滑らせていってるようなイメージ。抗えない
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喪失感、いやちがう、共感?いや、諦めか…
自分が感じてる人間の愚かさや、この堕ち方知ってるわ、そうなるよねーっていう、共感からくる安心。そして仕方ないよなーっていう諦め。
まあ、共感してる時点で狂ってるって言うのは事実かもしれないが、書いてあることは事実。
人が気づいてない人間の愚かさ。
さて、気づいてるのに目を逸らしてるのか。気づいてないのか。気づいたら堕ちていくから気づかないようにしてるのか。
さあどれだ、?みなさん??
ただ、でもこーやって、一般人が口にしないようなことを私は考えてて、私は他の人とは違うんだ!という自己崇拝に陥っているだけかもしれない。
こんなこと言ってる自分はやっぱ他とは違うって
さあどれが本物?どれが自分??
まあ、いろいろあるけど、人間は愚かでしょうもなくて面白いよねって再認識させてくれた気がする。
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程度の違いはあれど誰しも人生のどこかのタイミングで徳山みたいなネガティブな時期はある(徳山はずっとネガティブっぽいけど)中で初美のような女性に出会ってしまったら縋ってしまうかもしれないなと思わされました
最後の形岡先輩のメールへの初美の返信が結局この作品の全てなんだろうなと思います
形岡先輩みたいな人が周りにいたら鬱陶しいだろうなと思っちゃいますね。
実際たまにこーゆー人いますしね
菅野への止められない罵倒のシーンは凄く良かったですね
徳山を正しいとは思わないが徳山の精神状態だとそうだよねって感じ
抑えきれない感情が上手に表現されてました
菅野くらいは幸せにならんもんかなと思った…
日浦一味は引き続き底辺で大丈夫です
ネットワークビジネスの件は薄く感じた…
初美の強さは表現されてたけど言ってることは初美にしてはありきたりに感じた
初美との性行為の描写(人類史の残虐性の解説を読み上げるやつ)は最初意味がわからなかったけど途中から当たり前の様に読み進めてる自分がいてビックリ
あと三浪のくせにキャバ行ってんなよ徳山…
(出オチ)
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自分の語彙では言い表せないが、なんもとも言えない鬱々としたキモチに襲われる本。
「幸福は夢にすぎなくて苦痛こそが現実」
「私たちの目的は生を楽しむことではなく、数ある害悪からできるだけ逃れることだ」
ならば、生きている意味はあるのだろうか。
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トラウマとかDV体験とかそんなん、一種の杖やと思います。心のバネになったり、言い訳にできたり、アクセサリー代わりにしている女の子もいてるし。私には、それがない。
逃げ道を求めている感じがして心に刺さった。
後半にいくにつれて徳山が初美に影響を受け、初美も徳山に影響を受けており、破滅していく。
なんとも言えない気持ちになった私は、まだ人生に希望を求めている気がした。
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頭が悪いので文章が難しかったです。読み終わるまでに何回も辞書を引きました。
こういう、人間ってきしょいなって思わせてくれる作品は大好物です。
最後の曖昧な終わり方も好きです。
何故か清々しい気分になりました。
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大阪在住の私にとって、「あ。十三の話なんや。」と思って手に取ったこの本。
よくあるひと夏の恋がエモい感じに書かれてるのかなと思いながら読み進めると、結構思ってたのと違う。
初美が思ってたよりも中二病を拗らせていて、最初は初美の描写に良い印象ばかり受けていたが、途中徳山をガリガリにさせてからは、もう初美が憎いのなんの。
そして向かえる最後のメールのやり取り。
私は片岡さんのメールに感動したのだけど、初美の返信は残酷すぎてむしろ爽快。
ここで片岡さん側の描写なんかは蛇足なんだろうけど、話に盛り込んでくれると胸糞でこれまたむしろ面白かったのかな。
まあ片岡さんが悲しむとこなんか読みたかないけどさ。
終わりのどうなるの?感もモヤモヤして良い。
だけど私は偽善でも汚くても平凡に生きていくことは素晴らしいと思う。初美は極論。中二。死を神秘化しすぎている。現実を見るべきなのは初美。
と初美にムカついても、本としては面白かった。
二つの人生観と初美の論破が見所でした。
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悪。不。負。とにかく否定的。だけど、どこか納得してしまう自分がいて、その自分に対してもネガティブに感じてしまう。生きることって何なのだろう。とにかく悍ましかった。
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2023年2作目!
にゃんたこ大先生が推してるから読んでみた!
なんか、むずかしかった笑
恋人に依存したら、終わりやなって思った。
あくまで、人生の主人公は自分で
自分が軸に生きないと、依存しているものがなくなった時にどうしたらいいかわからなくなる。
キャバ嬢の子の奥底に何があって、
素性まで書かれていないので、
もうちょっと教えて欲しかったー、もやもや。
まあ、それが作者の考えなんだろうけど、、笑
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「死にたくなったら電話して」で検索したら厚労省の「こころの健康相談統一ダイヤル」が一発目に出てきた。そういう時代なんだね。
インパクト抜群の文庫表紙に惹かれてジャケ買いしたけど、意外なほど楽しめた。
初美という不気味な女性に絡めとられて身も心も壊れていく男の物語で、現代版『砂の女』といってもいいかもしれない。
世界の残虐史をねちっこく語るくだりや、男のかつての仲間と決別するシーン、ラスト近くで男の元同僚宛てに送ったメールなんかは、いずれも行間から著者の悪意が溢れ出すような感じがしてなかなか面白かった。
一人語りがちょっと長すぎる部分があったのが気になったけど、マイナス部分を帳消しにするだけの魅力が作品にあったように思う。
死にたくなるような精神状態のときに本書を読むべきかどうかはよく分からないけど。
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エピソードにツギハギ感があって、ところどころ無理矢理な感じがしたけど、負の方向に引っ張られていく不気味さと、徳山と初美の人物像が新鮮で嫌いじゃない物語。
関西弁が気持ち良かった。
こういうとこ結構大事かもって思った。
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女に惚れたら男は何でもする。きっと無理してでも女に注力するのが男だとします。これを世間では情けないとレッテル貼りをするとします。 それを丸ごと感じられる作品かもですよね。 '237/1 '2311/20
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初美による初美のための厭世的思考に基づくスピーチ。
そして、過去の歴史上で起こったグロテスクでホラーな出来事を次々とピックアップしていき、人間って怖いね、こんな残酷な事してんねんで、ほんまキショいよな等といった事を延々と恋人であるイケメンに垂れ流し、全身くまなく真っ黒に染め上げていく。
読み進めるに連れて「あー!アー!!!!染まっていきよん!!嗚呼!!!良くない方向に影響されてる!!!もうあかん!!!」とエセ関西弁でもどかしくなってました。恋は盲目ってよく言うけれど、本当にそうすぎて怖い。人が人に依存していく恐ろしさも描かれてると思います。
心が元気な時に読んでよかった。
メンタルが弱ってる時に読むとグイッとネガティブな気持ちに引っ込まれてしまうと思うので、比較的元気な時に読むのをお勧めします。
Posted by ブクログ
死にたくなったら電話してというタイトルだけど、自死することが悪いことではないような話の持っていき方だった。果たして徳山と初美は心中したのか?最後がふわっと終わってしまって残念だった。スカッとする部分はあるけど死にたくなった時に読む本ではなかったな(笑)
Posted by ブクログ
キャバ嬢の初美と出会い、破滅へと進んでいく徳山。
内容とすれば、これだけの話し。
ただ、読み手の私も気分がどんどん下がっていく。
初美は狙ってなのか、無自覚なのか分からないけど、
徳山の思考をじわじわと乗っ取っていっている感じ。
自分軸のない者にとって、圧倒的な個性の影響は受けやすい。影響を及ぼし支配する様はある種の宗教のようにも思えた。
そこに怖さを感じる一方で
それ以外の人物たちの、悪意であり偽善者とも取れる表層的な人間関係の怖さも感じた。
自分のメンタルがしっかりしてないと、どこかへ持って行かれそうな、そんな作品でした。
Posted by ブクログ
登場人物全員気持ち悪いのは確かだが個人的に初美のキャラと世界観は独特で魅力的でいいと思った。徳山を見ていると1人の人間でこんなに人が変わってしまうものかと思った。いずれにせよ初美は毒で徳山に出会うべきではなかった
内容が強烈で先を読む気にはなれん。
徳山も初美もなにがしたいのかなにを目指しているのかわからない
Posted by ブクログ
・村上龍ならどう書くかな、この話、と思いながら読んだ
・世界へのただならない憎悪が結局、自分達の(消去的な)消滅に向かうけど、村上龍の小説であれば、具体的な世界の攻撃に向かう気がする
・世代の違い?(←雑)
・結局彼女は何で彼と一緒にいたかったんだろう?理由、無かったとしても、その無さも含めてピンと来なかった