雷、風、土、火、光、この世に存在するありとあらゆる力を使いこなした先にある水丹術。
後継者である妹に先んじて水丹術の才を示した幼い王女ミリアが、政治的な諍いを避け、城を抜け出した先で出会ったのは伝説として語られる水蜘蛛族の彫り手だった……。
イシヌ王家により統治されている砂ノ領を舞台としたファンタ
...続きを読むジー。
本作の魅力は、作り込まれた世界観と、生き生きとしたキャラクターです。
まずなんと言っても世界観の作り込みがすごい!
雷、風、土、火、光、そして水という世界に存在する様々な力を操る丹導術。
未知の超常的な術の力や設定は、読んでいるだけでも想像力が掻き立てられ、ワクワクしました。
それだけでなく、丹導術は人々の生活や考え方、物語そのものとも密接につながっており、本作をより奥深いものにしています。
また、この世界に住む人々の風俗(衣食住など)も細やかに表現され、まるで別世界に迷い込んだような気分にも。
そして、それぞれが違った信念や考え方を持ち、行動しているキャラクターたちは、とても生き生きと魅力ある者ばかり。
特に、本作は主要キャラクターたちの出会いや別れを経ての成長が克明に描かれており、非常に読み応えがあります。