水たまりで息をする

水たまりで息をする

1,540円 (税込)

7pt

※この作品には販売期限があります。2024年06月19日を過ぎると販売を終了致します。

【第165回芥川賞候補作】ある日、夫が風呂に入らなくなったことに気づいた衣津実。夫は水が臭くて体につくと痒くなると言い、入浴を拒み続ける。彼女はペットボトルの水で体をすすぐように命じるが、そのうち夫は雨が降ると外に出て濡れて帰ってくるように。そんなとき、夫の体臭が職場で話題になっていると義母から聞かされ、「夫婦の問題」だと責められる。夫は退職し、これを機に二人は、夫がこのところ川を求めて足繁く通っていた彼女の郷里に移住する。川で水浴びをするのが夫の日課となった。豪雨の日、河川増水の警報を聞いた衣津実は、夫の姿を探すが――。

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水たまりで息をする のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    高瀬隼子さん作品の中で私の1番好きな作品。
    まずは夫が風呂に入らなくなるという衝撃的な話に仰天する。小説の題材としてそこに着目するところが、高瀬さんだなぁと感心する。そして風呂に入りたがらない夫をどこまでも見守って行こうとする妻に驚く。
    夫を見守りながらの妻の心の揺れ動きが、緻密に描かれている。最後

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    2024年04月09日

    Posted by ブクログ

    とても良かった。こういう話が読みたかった。
    音楽室って確かにカーペット臭かったなあ、懐かしいなあとか田舎の役場って噂話ばっかりしてそうとか、どうでもいいことだけど生活をかいている感じがよかった。
    入社して十数年経ってもお嬢ちゃんと呼ばれることをばかにされていると衣津実は分かっていた。私もお嬢ちゃんと

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    2024年03月02日

    Posted by ブクログ

    ある日突然、風呂に入らなくなった夫をもつ、都内在住30代の妻の目線で語られていく本作
    夫・研志は風呂に“入らないだけ”、作中、何度もそういうニュアンスで書かれているけど、“風呂に入って清潔にする”というのは現代において社会的に必須なことであるよな~
    研志の風呂がどうしてもだめになったことは何か大きな

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    2024年05月19日

    Posted by ブクログ

    なんで旦那さんはお風呂に入らないの?という疑問がずっとつきまとう。早く答えが知りたくて、一気読み!文章から臭いを感じる瞬間があって、思わず顔をしかめてしまった。この結末はどういうこと??読み終えた今も私は疑問の中にいる。

    0
    2024年05月07日

    Posted by ブクログ

    ままごとみたいな生活あるわけない
    生きて行くのが大変じゃない人なんていない

    平気そうに見えても苦しんでることってあるし、自分の感情に後から気付くこともある。成り行きで結果そうなっていただけの今であったり、夫に対して一緒にいたいとは思うけど、私の全てを捧げるってわけではないとか。わかるなという場面が

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    2024年03月01日

    Posted by ブクログ

     繊細に過ぎ世間での居場所をなくしていく若い夫婦を描くヒューマンドラマ。
     物語は、妻の⾐津実の視点で語られていく。
               ◇
     ある⽇、風呂から上がった⾐津実は夫が⼊浴していないことに気がついた。浴室のドアに掛けられた夫用のバスタオルが乾いたままだったからだ。

     リビングに戻り

    0
    2024年01月28日

    Posted by ブクログ

    お風呂に入る。たったそれだけ。
    たったそれだけのことだと、誰もが当たり前に思うことができなくなってしまった彼は、狂ってしまったというより、狂わされてしまったという表現が適切だなと思った。
    誰かにとってはなんでもないこと、平気に見えるようなものでもその人にとっては平気ではなくて、大丈夫ではなくて、って

    0
    2023年11月14日

    Posted by ブクログ

    ある日突然、夫が風呂に入らなくなった。
    そこから壊れていく、穏やかな日常。
    目の前に引かれた線の向こう側にいる、狂ってしまった夫への怒り。
    周りから押し付けられる理不尽な責任。
    けれども支えたいという思い。

    昔ボウルに入れたまま河原に置き去りにした魚と、夫を重ねる描写が印象的でした。
    ラストは衝撃

    0
    2023年11月07日

    Posted by ブクログ

    何もない平穏な生活でさえ小さな努力が積み重なった結果で少しの綻びから簡単に崩壊する。常識から外れた人生は、都会でも田舎でも小さな水たまりで息をし続けるようなものかもしれない。ボウルを川縁に放置したときのように、最後に衣津美は安堵したのかな...。

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    2023年10月25日

    Posted by ブクログ

    親でも子どもでも無く、夫婦間の愛のはなし。

    突然、風呂に入らなくなった夫。
    この状況に困惑しつつも、無理矢理夫を変えようとはせず、彼を傷付けないように工夫し環境、職場、居住地を変え共存していく妻の衣津実。

    前向きに現状を全て受け入れている訳でもなく、彼女に自分の意思が全く無い訳でもなく、ただ夫と

    0
    2023年10月22日

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