いい子のあくび

いい子のあくび

1,760円 (税込)

8pt

芥川賞受賞第一作。
公私共にわたしは「いい子」。人よりもすこし先に気づくタイプ。わざとやってるんじゃなくて、いいことも、にこにこしちゃうのも、しちゃうから、しちゃうだけ。でも、歩きスマホをしてぶつかってくる人を除けてあげ続けるのは、なぜいつもわたしだけ?「割りに合わなさ」を訴える女性を描いた表題作(「いい子のあくび」)。
郷里の友人が結婚することになったので式に出て欲しいという。祝福したい気持ちは本当だけど、わたしは結婚式が嫌いだ。バージンロードを父親の腕に手を添えて歩き、その先に待つ新郎に引き渡される新婦の姿を見て「物」みたいだと思ったから。「じんしんばいばい」と感じたから。友人には欠席の真意を伝えられずにいて……結婚の形式、幸せとは何かを問う(「末永い幸せ」)ほか、
社会に適応しつつも、常に違和感を抱えて生きる人たちへ贈る全3話。

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いい子のあくび のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    文学でしかなし得ない、人間存在。
    体格、性格など、比較の中で生きている様。
    先に気づいてしまう、割りの合わなさ。

    切実に自分のありかを求める祈りで締めくくられている表題作。

    先輩と後輩の意識の断絶を描く「お供え」。

    親友の結婚式を通して、フェミニズム的感性と友情の亀裂をえぐった「末永い幸せ」。

    0
    2024年05月24日

    Posted by ブクログ

    普段の日常で、あえてわざわざ
    言葉にしないような「ちいさな悪意」や
    抱えることそのものを非難されるような
    「ひっかかり」「モヤモヤ」を描くのが
    抜群にうまいよなぁ、と感嘆した。

    前を見てない人を、前を見ている側が
    避けないといけない割に合わなさ。
    結婚式という儀式の気持ち悪さ。
    めちゃくちゃ共感し

    0
    2024年05月06日

    Posted by ブクログ

    (いい子のあくび)
    職場の上司に猫かぶりの態度をとったり、浮気をしている彼氏に気付いていない風を装い良い子を演じることは、余計なところに神経を遣うため割に合わないと感じるが、自分へのメリットも少しはあるだろう。
    しかし、歩きスマホの人を避けることはどうだろうか。はなっから悪いのはスマホに夢中になり前

    0
    2024年05月05日

    Posted by ブクログ

    高瀬隼子さんはなんて女性特有の、すごくすごく微細な、いけず心や生きづらさを切り取るのが上手なのだろうか。読んでいて、痛い。心当たりがありすぎて、痛いんだ。ぶつかっても平気な顔してる男性にぶつかったる!と思ったことも、防犯目的で自室に入る前に後ろを振り向く自分になんでやねん!と思ったことも、数多くある

    0
    2024年04月30日

    Posted by ブクログ

    いい子であることの割の合わなさってあるよなあ。この裏の感情は私だけじゃないんだと思わされる。よほどの聖人でない限り、必ず共感できるところがあると思う。特に女性。

    0
    2024年03月09日

    Posted by ブクログ

    すごく刺さる。みんな色んな顔があったり、特定の人には見せられない顔があったり、本当の自分の顔が分からなくなったりする。
    歩きスマホを避けてあげても気付かれもされず当然かのように通り過ぎる人にムッとすることがある。まっすぐ歩けるのは私が避けてあげたからなのに。

    やばい女、共感できない、という感想もあ

    0
    2024年03月08日

    Posted by ブクログ

    人の本音は面白い!
    創作物の中でだけ、人は本音を語ることができます。SNSにあるのは、他人にどう見られるかを考えて書く余所行きの本音です。

    いい子でいたい。いい子に見られたい。だから、人に知られずにいい子でいた時に、打算なく良いことができたと満足する。自発的に良いことをしても特に報われる訳ではな

    0
    2024年02月29日

    Posted by ブクログ

    どうしても「いい子」が求められる世の中。
    自分も知らない間に避ける側の人間になっているなあと実感。バランスは難しいけれど、優しくありたい。

    0
    2024年02月28日

    Posted by ブクログ

    私は高瀬隼子さんの作品が好き
    誰にでもあるであろう、悪意や裏の部分を誇張はしているけど言語化してくれて晒してくれるのが凄く良い

    今作もそう
    歩きスマホしてる奴のために、なぜ私が避けなければならないのか
    結婚式って、お祝いの気持ちとは別に滑稽に見えて気持ち悪い
    めちゃくちゃ分かる。共感でしかない。

    0
    2024年05月27日

    Posted by ブクログ

    衝撃的だった本編が唐突に終わり、続きが読みたかった反抗心と、続きなんかないよこの人には…という脱力感でしばらくその後のページがめくれなかった。
    短いお話が2つあったけど、そちらもかなりスパイシーで味わい深い。特に結婚式の話。
    本編「いい子のあくび」は終盤ドキドキが止まらなくて、息を詰めて読み終えてし

    0
    2024年05月07日

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