ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

710円 (税込)

3pt

世界的な物語作家と聖路加の気鋭の漢方医が打ち合う、生命を巡る白熱のラリー!
『精霊の守り人』から医学の未来まで、知的好奇心を刺戟する圧倒的な面白さ。

最愛の母の肺がん判明をきっかけに出会った作家と医者。
二人の話は、身体のシステム、性(セックス)、科学・非科学、自然災害、宗教、音楽、絵画、AI、直感……、
漫画から古典、最新の論文にいたるまで縦横無尽に広がっていき、物語の創作の源泉もひもとかれていく。
かつてないほど刺激的な思考体験ができる究極の一冊。

なんのために生まれ、なんのために生き、なんのために死ぬのか。
人は、答えが出ないとわかっている問いを、果てしなく問い続けるような脳を与えられて、生まれてきたのでしょうか。――上橋菜穂子

なんのための生なのか、という問いは、いささか弱音のようにも聞こえるのですが、この弱音こそが、優れた物語の書き手である上橋さんの「創作の源泉」であるように私には見えてくるのです。-――津田篤太郎


コロナ禍にみまわれた2020年、文庫化にあたって、新章「未曽有の難局にどう向き合うか」(津田篤太郎)、「地球に宿る」(上橋菜穂子)を追加。

【著者略歴】
上橋菜穂子
1962年東京生まれ。立教大学文学部卒業。文学博士。川村学園女子大学特任教授。89年『精霊の木』で作家デビュー。
著書に『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、『狐笛のかなた』『獣の奏者』『鹿の王』など。
野間児童文芸賞、路傍の石文学賞、本屋大賞、日本医療小説大賞など数多くの賞に輝き、
2014年には児童文学のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞する。

津田篤太郎
1976年京都生まれ。京都大学医学部卒業。医学博士。
聖路加国際病院リウマチ膠原病センター副医長、日本医科大学付属病院東洋医学科非常勤講師、北里大学東洋医学総合研究所客員研究員。
西洋医学と東洋医学の両方を取り入れた診療を実践している。
著書に『未来の漢方』(共著)、『病名がつかない「からだの不調」とどうつき合うか』『漢方水先案内』がある。

※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    単行本で読んで良かったので再読。
    一番初めに上橋さんが、
    「生物は命をつなぐために生きているから、生まれてきたことの意味を問うても仕方ない」
    というようなことを言っておられ、
    私もずっとそう思って生きてきたから共感したんだけど、その続きに、
    「でも、人はどうしてそのような問いを生む脳を持って生まれた

    0
    2023年12月20日

    Posted by ブクログ

    お二人の言葉の選び方が美しく、とても気持ち良く読み進められました。時節の挨拶ひとつにしても、なんて鮮やかな表現なんだろうと感動の連続。
    生と死という、一番身近でありながらどこか考えることを避けてしまうことについて、様々なお話を交えながら対話されています。興味深い話がたくさん出てきて、一気に読み進めて

    0
    2022年02月03日

    Posted by ブクログ

    文庫化にあたり、2章追加されています。
    これまでの章を踏まえて、この度のコロナに関するお二方の視点が書かれています。自分と同じ考えへの共感もあり、新たな捉え方の発見もあり、とても興味深いものでした。

    0
    2021年04月01日

    Posted by ブクログ

    上橋さんの書簡は星5。
    津田氏の書簡は星無し。
    (どこが嫌かは面倒だから省略。)
    生きるということ、言葉の限界、一見関係なさそうなもの同士の相似。
    上橋さんの、いろいろなことへの洞察により、混沌とした世界がクリアになり、いろいろ腑に落ち、落ち着く。
    よき物語を紡ぐ人の文章は、書簡の形式をとっても変わ

    0
    2021年02月04日

    Posted by ブクログ

    新聞を読み、テレビを見、内容によって気持ちが動くことがある。ふと湧いた想いを捕まえることなく流してきた私にはその想いを言葉にすることはとても難しい。こうやって言葉にできる人たちがいることが嬉しい。

    一つずつ頷きながら読み、辞書を引きながらゆっくりと読み返し、お二人と共にいる世界を感じた幸せな時でし

    0
    2020年09月17日

    Posted by ブクログ

    副題に「生と死をめぐる対話」とあるが、対談ではなく往復書簡という形式になっている。テーマは重いが、エッセイとして読むこともできる。
    上橋氏が他界されたお母様を心から愛しておられることが文章、行間から伝わってきた。
    無論悲しい話なのだが「これほど親を愛せるのか」という点では羨ましいとさえ思った。

    0
    2022年06月25日

    Posted by ブクログ

    お母様の晩年の過ごされ方とその支援をなさる上橋菜穂子さん、生物としてのヒトの生死にまつわる内容を語られる医師、おふたりの往復書簡。文章が美しく内容は興味深い。

    0
    2021年08月12日

    Posted by ブクログ

    守り人シリーズの作者の飾らない語り口と 医師として向き合う津田氏の誠実さが、伝わる往復書簡

    もう一度 読み返して考えたい

    0
    2020年12月27日

    Posted by ブクログ

    蓑虫の雌の生態は、悲劇なのだろうか・・・。女性である上橋さんはふと考える。昆虫が4億年かけて選択したかたちが、あの生態なのだと考えたら?上橋さんにそう語りかける津田先生は優しい。
    患者の看取りを重ねてきた津田先生と、向こう側とこちら側を考える上橋さん。なぜ人は死を恐れ、受け入れ難いのか。
    答えのない

    0
    2020年12月10日

    Posted by ブクログ

    死生観のみならず、二人の往復書簡の話題は多岐に富む。年長者で作家である上橋氏は勿論、津田医師が実に泰然自若とした雰囲気を感じさせる。

    掛かり付けの医師を持つならこういった方になって貰いたい。

    これからの読書の秋の夜長に味わいつつ読むのにオススメ。

    丸善京都本店にて購入。

    0
    2020年10月09日

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