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大航海時代、日本もまたグローバルプレーヤーだった。世界が海で繋がった世紀を、ポルトガル海上帝国の構築、イエズス会の積極的布教、信長・秀吉・家康や諸大名ら権力者の反応、個性的な宣教師、禁教、弾圧、島原の乱、鎖国というキリスト教伝来をめぐる出来事を軸に、壮大な文明史的視点で振り返る「渡辺史学」の到達点!
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Posted by ブクログ
読みたかった本ナンバーワンをようやく読むことができた。 10年もの連載なので長いといえば長いけど、 エピローグを読んで得心した。 とりわけ、 「アジア宣教は単に、北方プロテスタンティズムによるカトリック世界の縮小を補償するものではなかった。それは著しく後年の共産主義者の世界革命理念に似ている」 とい...続きを読むう一文に感動した。 ま、エピローグを読んで初めて全体というか、 渡辺氏の考え方が分かるというのも、 自分の拙さなのだが。 単行本にしたとき(2017年)86歳の渡辺氏。 今は90歳を迎えられたか。 肩の力を抜きつも、聡明な文章が私は好きだ。 文句なく星五つ。
大航海時代と日本 この本の目線は当時の日本人ではなくあくまでも来日した西欧人で、まさに渡辺史学! その意味では名著「逝きし世の面影」と同じだ 幕末日本に文化的優越性を持って現れた欧米とは異なり、対等性を示した日本 この当時もまた、逝きし世である
グローバル・ヒストリーが密やかなブームらしいですが、これはその観点から書かれたもの(NHK スペシャル「戦国」でまさにこの時代が放映されました)。 1494年にスペインとポルトガルで結ばれた「トルデシリャス条約」はあまり知られていないのではないでしょうか。大航海時代、勢力を競い合っていた両国が、世...続きを読む界を2分して新領土の分割を取り決めたもの。これによって、日本はポルトガルの対象地域となりました。ローマ教皇は、布教することを前提にこれにお墨付きを与え、(ザビエルはスペイン人ですが)ポルトガル系のイエズス会が日本でも布教を開始。その後、宣教師から「布教をまず進めてから、その国を侵略する」ということを聞いた豊臣秀吉は、バテレン追放令を発布。ただ、その後も布教は続き(スペイン系フランシスコ会が参入してイエズス会と勢力争い)、徳川秀忠・家光の時代になって禁教令・鎖国となって弾圧が行われるまでが詳細に記述されています。 諸外国は、当時の日本の武力にはかなわないと見ていたそうで(家康もそう考えていた)、「侵略」までは考えていなかったのではないでしょうか。逆に、日本は欧州からすれば憧れの地であり、日本で殉教することが誉れであったと書かれています(日本で殉教を目指す宣教師もいた)。これを読むと、当時の状況では、「鎖国」も一つの選択肢であったかと思わされます。 じっくりと腰を落ち着かせて読むべき丹念にして重厚な一冊です。前回の「黒船前夜」に続いて、本書は著者86歳のもの。これだけ精緻に調べて書き上げるというのは大変なことと思いました。 因みに、本書には書かれていませんが、スペイン語が多い南米で、ブラジルだけが唯一ポルトガル語なのは、この「トルデシリャス条約」のため。両国の線引きでブラジルがポルトガル側に入ったためですが、「世界2分」とは凄いことを考えたものだと改めて思いました。
冒頭、日本の視点ではなくポルトガルの視点から展開されていくのがとてもよかった。どのようにして日本にたどり着くのか、自分が苦難のなか、冒険していく気分になった。 親から勧められて手にしたが、キリスト教は嫌いなのでしぶしぶ読み始めた。しかし、日本での話になると「この人キリスト教が嫌いなんだろうなあ」と...続きを読む思わせる記述が随所にあり、想像したものと反対にすらすら読めた。 為政者がはっきり判断を示さず、忖度を期待するところは現在と変わらないと感じた。司祭たちはさぞ困ったことだろう。そこは同情する。
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