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僕が住む平屋は少し臭い。薄暗い廊下の真ん中には便所がある。夕暮れ時に、暗くて臭い便所へ向かうと――。視界が歪み、記憶が混濁し、暗闇が匂いたち、眩暈をよぶ――京極小説の本領を味わえる8篇を収録。
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Posted by ブクログ
この怖い表紙の本を電車で読んでたのはテロだったかもしれない。 でもね。この本、見返しの方が怖いんですよ。夜中にふと開いてギョッとしました。 「もくちゃん」あたりから、この不条理で、不愉快で、気味が悪いのにどこか懐かしいような世界の虜になってしまった。 少しの違和感が怪異になり、どんどん増殖していっ...続きを読むて、最後には酷く粘性のある湯にどっぷり浸かったように、登場人物が異常な世界で身動きが出来なくなっているこの感じ、クセになる。 それにしても厭な怪のこのディティールの細かさよ。 中庭の池にたまに湧くぺらっぺらな「半紙を人の型に切り抜いたようなもの」や、誰もいないのに鏡の中に映る「くねくねと蠢」く中年の女や、縁の下で地べたに腹這いになった「真っ赤な女の人」にほんとに遭ったことあるのかい、京極先生。 「もくちゃん」「シリミズさん」「杜鵑乃湯」が特に好き。
とても好きな世界観だった。 他のシリーズも読んでみたいと思う。 京極夏彦さん、初めて読んだが、読みやすい文章と描写。トイレの神様の話がとても想像できた。 大学の時の知り合いの実家が汲み取り式の便所だったことを思い出した。その上に洋式の便座は備え付けてあるが、下を見ると真っ暗で、トイレ自体も自宅の外に...続きを読むあったであろう場所に屋根をつけてあり、電球も一つで、暗くて何も見えなかった。窓もついていたけど、開けられていたことはないし、ドアも引っ掛けるだけの簡易的な鍵。なのにほぼ外にある。 その子の家に遊びに行った時はギリギリまでトイレを我慢していたのと、お尻を浮かせて座らないように用を足したこと、コンビニに出て用を足したことを思い出した。まさに同じ情景。 上を見たら居たかも。
再読。現代怪談シリーズ短編集。普通の日常とそこにぽっかりと口を開けた非日常が奇妙に混じった話が多い。最初は普通なのに、気付けば異界に足を踏み入れているか浸食されている。その眩暈のような感覚がたまらなく心地良くもあり、心底震えるような恐怖感もある。特に気に入った話は「歪み観音」「けしに坂」かな。
怪談をベースにした物語の短編集。 百鬼夜行シリーズ「姑獲鳥の夏」以来の京極作品を読んでみましたが、ホラー的なものがあまり好きでないからか、ピンときませんでした。長編の方が面白いかな。
今回は判りにくいお話ばかり。 「もくちゃん」というお話は なるほど京極さん良いこと言うなと感心させられた。 昔はどこの町にも少々困った人というのが1人くらいは居たものだなと。
短編集。 日常の中に潜む気味悪さ、後味の悪いものを描いたもの。 話の中には所謂霊的なものが人間に危害を加える、というようなものはない。 むしろ、題材はすべて日常生活。日頃、怖いと感じるもの、気味悪がっていたものに姿や形、そして現象を与えることで、それらが具現化しているような。そんな気持...続きを読むち悪さと怖さを感じた。 ただ、私くらいの年齢(20代)がギリギリかなぁ、と思った。ボットントイレの気味悪さ、見世物小屋の存在等、体験したり聞いたことがなければ、その気味悪さがピンと来ないのかもしれない。
不思議なちょっと気持ち悪い話の短篇集 京極の短編だけど、本当に短編(笑) 今までの幽談、冥談と同様にわけのわからぬものについて、いつもの京極らしく主人公の独白で綴られる ま、京極好きだから最後まで読んだけど、他の人には薦められないなぁ
情景描写か自問自答か。 淡々とした描写の中に、おかしなものを見つけるのも怖いし、些細なきっかけから、どもまでも考えてしまう思考も怖かったです。
幽談、冥談、そして、眩談、と続けて読んでいるのですが、不条理で不気味な短編を読みたい方にはお勧めですね。 (これをきっかけに内田百閒などへ行くもよし) そして、今回、私を何よりも喜ばせたのは解説を大好きな者星大二郎さんが書いていること。雰囲気が「栞と紙魚子シリーズ」に似ている感じでいいわぁ。
怖いのかと思ったら、ただただ変なはなし。 「杜鵑乃湯」昔よく見た夢を思い出した。すごく広い家のなかをさまよっていて、どうしても外に出られない夢。 「けしに坂」忘れてたこと思い出してうわーってなるパターン好きだけど、これは忘れすぎ。 「むかし塚」埋めてお話にしたい思い出。 お話は、消えない。思い出は薄...続きを読むれていくけれど、物語は永遠だ。 辛いし苦しいけど、忘れられないし忘れたくない思い出。 大切に永遠に持っていたい思い出。 お話にするには時間がかかるけれど。
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