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恥、義理、恩、礼節――日本人が忘れてしまったものはなにか? そして依然として日本人を突き動かしているものはなにか? 第二次世界大戦中、米国戦時情報局の依頼を受け、日本人の気質や行動を研究した文化人類学者ベネディクト。日系人や滞日経験のある米国人たちの協力を得て、日本人の心理を考察し、その矛盾した行動を鋭く分析した。ロングセラーの画期的新訳。
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Posted by ブクログ
第二次世界大戦中、米国戦時情報局の依頼により研究された文化人類学者による日本人論。恥の文化、恩と義、応分の場など日本人の特性について述べられ、私はしっくりきた。日本人が日本人を客観的に見ることもでき、古典的名著となっているのも納得。
アメリカ人と仕事をすることが多く、自分の行動原理や観念的な素地がそもそも米国人と違うことを日々感じていた。 ただそれを言語化できず認知できていなかった今の自分に必要な本だった。 本稿の中でベネディクトの示す「恩の貸借」の概念はとても納得感があった。 また「日本人の特性を子育てから見る」くだりも、な...続きを読むるほど全く同じではなくとも伝統的に親から受ける教育には戦前戦後共通項があり、それが日本人らしさに還元されているという考えは私たち20代にも共感できる部分があったと思う。 方法論的にもコロンビアのフランツ・ボアズから受け継いだ比較論がとても興味深かった。 国外に向けて仕事をする人は、まず日本をよく知るべきだと思いここ数年は「日本」について考えることが多かったが日本人としての自分の視座は「当たり前」の範疇を客観的に特性として認識できなかった。 だから、ベネディクトの米国人からみた日本人という客観性は非常に有益だと感じた。 訳者があとがきで述べる『アメリカで借金の返済に向けて強制力が作用しているのと同様に、日本では恩返し(義理を果たすこと)を促す力が働いている。その強制力とは「恥」である。義理を果たさないと、恥を知らない人間として世間の嘲笑を買う。だから、日本人は義理を尽くす─』という要約は、端的かつベネディクトの意を簡易的に汲むにはすばらしい要約。
日本人が相対的価値観にとらわれる理由 この本は日本人が相対的価値観(世間の目、人からの評判、身分、貧富の差等)に囚われがちであり、だからこそ相対的価値観とは逆の絶対的価値観(自分の軸で生きる)を説いている自己啓発本が人気が出る理由が分かった。 気付き ・恩と愛の違い 恩は返さなければならない、ま...続きを読むたは返したい 愛は見返りを求めない 日本人は恩のほうが強い。これは義務感的な役割も持つ。 ・恥の文化 日本人は自分が馬鹿にされたり、けなされたり、恥をかくことを気にする。 これは道徳心が自分の中にあるか、外にあるかが大きな要因。 キリスト教ならば、自分は常に神に見られているので自分の中に道徳を置く 日本は神の教えがないため、世間の目が道徳となる。だから空気を読むとか、同調圧力が一層強い。 評価の基準を外に置くことが多い理由が分かった。 このように本で書かれてしまうと、国民性なので仕方ないとも思える。 ならば、なおさら相対的価値観を持つのではなく、自分の軸で生きていく絶対的価値観で生きていくことの重要性が理解できた。
かつての日本人の生活様式をつぶさに分析した本。様変わりした現代に読んでも情景が浮かぶことに驚嘆するとともに、敵を理解すべくこのような分析を行なっているアメリカ人の恐ろしさをひしひしと感じた。
面白かったー 訳も読みやすかった。 特に第12章の子育てと第13章(終章)の戦後日本についてがいい。 第12章では西洋人から見れば矛盾している日本人の態度の豹変ぶり(戦時中の愛国精神から戦後の占領統治に従い得ないと予想されていたが、的外れに終わったなど。他にも多々ある。)の謎が解ける。 第13章は...続きを読む戦後日本の平和主義への方向転換に矛盾はないことを本書を通したまとめとして書く。よい。 個人的に、先日まで試験に合格するかしないかでかなり気を揉んでいたのだが、これが日本人的な思考だと論じられて、世界には同じ局面に対峙してもこんなに精神をやられないんだなと、自分が小さく見えたし、気持ちが軽くなった。
500P超えの大著。 アメリカの文化人類学者ベネディクトによる『菊と刀』 アメリカとの第二次世界大戦中に、 敵国日本の情報収集の意を担ったこの研究は、 表層的な日本の軍事行動ではなく、 日本人の行動原理を深層から理解するために、日本人の文化発祥から当時に至るまでの歴史的観点で、日本人ならではの文化...続きを読む特性を鋭く考察した著書だ。 この本は1996年の時点で日本語版だけで230万部を売る、1946年からのロングセラーとなっている。 1945年第二次世界大戦終結の翌年に出版されている。 日本人をアメリカ人の社会文化構造の価値観の中から判断するのではなく、 日本人の社会文化構造の根底からの理解に努め、その流れや枠組みを汲み取り対象を見ようとしており、だからこそのアメリカとの違い、日本人であるからこその様々な特徴が浮き彫りになって見えてくる。 日本人とはこうゆうものなのか、逆に日本人が日本人を理解するような、非常に腑に落ちる感覚になる。 秩序と階層的な上下関係を重んじる日本人。 自由と平等を重んじるアメリカ人。 ジョン・ロックの『市民政府論』などに見える「自由」、「平等」の自由主義や民主主義的なバックボーンをもつアメリカとは、日本は背景が違うのだ。 戦後70年以上たつ今観るからこそ、 アメリカナイズされた日本、だがアメリカナイズしきらない日本、どこに日本人本来の特性があるか。その一点が眼前に観えてくる。 時を経ても「忠臣蔵」に対する義理を重んじる姿に感銘を受けずにはいられない。 今もまだ日本人には「義理」の心が息づいている。 こういった日本とアメリカの本質的な違い ということをテーマにおかれた主題 アメリカ人にとっては理解不能な、一見矛盾しているように見える日本人の行動原理には、日本人には矛盾ではなくそこに秩序があり そういったようなことを真に理解していくには 物事の表層的なことだけを捉えても理解は浅く、 歴史、宗教、政治、経済などのあらゆる全人間的知識を総動員して読み抜く必要がある。 そういった気概で向き合う価値のある骨太な良書である。 本質を見抜くには、多角的視点は不可欠だ。
これはもう、とんでもない研究論文である。 読む時間が相当かかったのは、日本人たる自身や周りに垣間見える、見ようと思わないと気がつかない日本人の姿そのものが細かく描写されていて、いちいち読み込まねばならなかったからだ。 戦後、大きく日本人の文化は変わり、アメリカ人の文化も変わって、互いに融合して重なる...続きを読む部分が増えたように思う。しかし、本書で指摘されている恥の文化のようなファンダメンタルな日本人は変わっていない。その事を認識すれば、日本社会のみならず、国際的な活動における指針となるだろう。
アメリカ人の文化人類学者であるベネディクトが日本人の特性・特徴を研究して著した本。 本著の起因は1945年、太平洋戦争終結後にアメリカ軍が日本を統治するにあたって分析を試みた際、ベネディクトに鉢が回ったことにある。 アメリカ人からすれば当時の日本人は不可解な行動を取る国民であった。 日本人は、攻撃...続きを読む的であるかと思えば、一面では温和であり、軍事を優先する一方で、美も追求する。このような二面性が彼らには理解できなかった。 ベネディクトは、アメリカ人には理解できないこのような不可解さも日本人なりの価値観や論理に基づいた相互に有機的な関係であると考えた。 そこで、日本人捕虜の尋問録、日本の映画、新聞、小説などから分析を行い、日本人の不可解さを説明する幾つかの鍵を見つけた。 それが、「応分の場」「報恩」「義理」「特目」「名」である。 つまり、己の分を知り、自身を抑制することで慎重にこれを弁える。自分が受けた恩には何があっても報いる。受けた義理は、たとえそれが不本意なものであったとしても、必ず返す。自分の評判を輝かしいものにしておくことをなによりも尊び、名誉を回復するためなら誰かを殺すことも自らの命を差し出すことも辞さない。 ベネディクトは、これらの性質を持つのが日本人だとする。 またベネディクトは、日本人に二面性をもたらすのは幼少期における教育の極端なまでの甘さであるとする。日本人の子どもは幼少期、欧米の子どもと比較して遥かな自由を認められる。 しかし、10歳頃になるまでに躾の一環として「コミュニティから仲間外れにされる恐怖」やそれに付随する恥や嘲笑を与えられるため、日本人は壮年期には自分の衝動を抑えることが常となってしまう。 それでも、時折、自由奔放の身であった幼少期の記憶がフラッシュバックする。これが日本人の二面性として表出するというのだ。 本書は80年も前に発表された本だが、深く西洋化された現在の日本にも通ずる内容だと感じる。それほど日本人の本質の部分を的確に捉えている。 高度成長期の日本は敗戦後の荒野から、先を行く欧米諸国にキャッチアップするだけで成長が約束されていた。しかし、それに追いついてしまってバブルが崩壊し、日本経済は底を打った。そしてそこから30年間、遂に浮上することなく今日に至る。 日本経済の復活のためには、官民学のあらゆる領域において抜本的な改革が必要である。経営学のトレンドを追うことや細かな経済施策を考えるだけではなく、より根本的で徹底的な革新が必要だ。 そしてその革新の準備のために、今一度日本人の特徴・資質を見つめ直すべきだと思う。本書はその一助となる古典だ。
米国の目から日本の心理を考察した本。日本人がどう見えていたか、どうだったかに関する考察は非常に興味深い
途中で飽きてしまい、最後まで読んでいないのですが笑 戦時中の雰囲気を感じつつ、現地調査ができない中でのベネディクトの鋭い考察には感心した。 戦後から半世紀以上が経って日本人の行動パターンも若者を中心に変化しており(ジェネレーションシフトというやつ?)、私もその世代の一人なので共感できないところも多々...続きを読む。しかし高齢者率が高いことを考えればこの本で述べられている日本の行動パターンを理解するのには意義がある。 日本人は法律や制度、役割を設けて過剰に環境面の秩序を保とうとする。"過剰に"、"環境面の"というのが日本独自のポイントだと思う。秩序を保とうとするのは、どこのどの程度かに差はあれど生存欲求をもつ人類共通のものである。 まず、なぜ日本人は"環境"の秩序なのかというと日本人の世界の認識が、環境→主体だからだ。言語の構造と世界の見方には深い関係性があって日本語は英語と違って周囲から中心に向かう言語だということを最近知り、このように思った。ここらへんは今後学んでいきたいところだが、日本人は主体よりも先に環境を捉えるのだろう。 そしてその環境だけを見つめていると、誰もコントロールできない創造と破壊の世界(無常観)であることに気づく。その流れに身を任せられる勇気があればいいものの、大抵は個を失ってしまうというのではないかと危機感が芽生える。だから自分という存在を見失わないような法律、制度、役割を欲するのである。 運が悪いことに法律や制度というのは権力と相性が良く、歴史上のトップは日本人らしさを悪用して不安を煽り"過剰"なまでにはってしまったのだろう。 環境面の秩序を重んじる日本人らしさはらしさでいい。でもそれが自分や誰かを傷つけるほど過剰なものにならなってはならない。遠くの誰か見えないなにかではなく、目の前の自分と他人に素直でありたい。これからは東洋と西洋の行動パターンをバランスよく取り入れていくことが大事である。
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