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栗本薫は22歳、某マンモス私大の3年生。アルバイト先のTV局内で発生した女子高生連続殺人事件を、ロック・バンド仲間の信とヤスヒコと解決しようと挑む――。当時の若者たちの感覚や思考を背景に、凝った構成と若々しい文体によって、シラケ世代とミーハー族の心の断面をえぐった江戸川乱歩賞受賞作。1979年週刊文春ミステリーベスト10第1位。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
乱歩賞第24回。読みやすいにょ☆アルキメデスより爽やか風味て感じ。 キャラがユーモラスで親しみやすい。若者たちの心の葛藤を描いて、理解に苦しむ大人たちがいてと共感する部分が多々あったかな。エンタメ的にもよくできている話。 非常に面白かった。
これもやはり中学時代に読んだ記憶が。 栗本薫作品はグインサーガが入口だったので、ファンタジー作家がミステリーも書けるなんて、器用な人だな、なんて生意気な感想を抱きながら読みました(笑) 推理小説もよく読みましたが、ミステリーマニアを自負するところまでは到っていないので、この作品がミステリーとして...続きを読むどのような完成度(つまり謎と、それを解く為の鍵の配置、そしてトリックの着想や実現性)なのか、判断はつきません。 でも、物語としては(俺の判断基準は常にそこにあります)秀逸だと思います。 ミステリーの括りではあるけれど、これはジュヴナイル小説だと思います。 思春期の葛藤そのものが書きたかったんじゃないかな。 ぼくらシリーズは、そんな甘酸っぱさに満ちた作品です。
軽めの推理小説として、また80年代若者文化(シラケ、ヒッピー、歌番組)を映しだした物語としての側面とともに、アイドルに傾倒する少女たちの心理(を主人公の青年が代弁したセリフ)が印象に残った。「推し活」が話題になることも増えてきている現在、読んでみると発見があるかも。
最初は、軽佻浮薄な70年代の風刺小説のようでした。文章のタッチも軽いので、殺人事件を扱ったミステリにしては緊張感がありません。しかしながら、読後には若者たちの苦悩を描いていたことが分かります。著者の瑞々しいデビュー作です。
あるTV局で起こったあるアイドルのまわりで起きた連続殺人事件のお話です。 この話を支えてるのは、昔かたぎの警察といまどきのロックな奴ら。 付属の赤川次郎と栗本さんの対談にもあったけど、 昔の大江健三郎の時代だったら『われらの時代』だったのに、これは30年前に出版された当時は『ぼくらの時代』にタイト...続きを読むルが変わった。 たぶん、30年後の今、こういう推理小説を書いたら『ウチらの時代』になるのかな~? なーんて考えたりしちゃう。。。 この30年前から援助交際なんてあったんだぁ~。 でもその当時は何千円の単位だったんだな~とかリアルに思ったりして。。。 話自体は古くないよね~。っていうか今でも全然変わってない。 そんな社会を背景に書いてあるとこがちょっと悲しかったりする。。。 結末は、ちょっと意外な展開でビックリしたけど、まぁ普通の推理小説だったかな。。。? 栗本さんは、中島梓で文壇デビューしたんだけど、この本の主人公がこの本の書き手で栗本薫ってんで、それから栗本薫と中島梓と使い分けていろいろマルチに活躍しなさった偉い人だったのね~。
僕らの時代 栗本薫の代表作で、30年前の江戸川乱歩賞受賞作。 ロンゲ、バンド、アイドルといった昭和50年代の世俗が見えるミステリー作品。連続殺人事件をロックバンドのメンバーが探偵よろしく推理し何事件を解決していく?かに見えたが、バンドメンバーが殺されてしまう。そんな中でもしらけ世代の僕らは、無感動を...続きを読む装いながら大人たちを煙に巻いていく。 しかし最後の結末は、実は連続殺人事件ではなく、連続自殺事件であり、僕らはその自殺にストーリーを持たせる役目だった!? 途中から以前読んだことがあることを思い出した。 そうだよね。栗本薫これだけ読んでるんだから。
ミステリ色はわりと薄め。連続女子高生殺人事件に挑むロックバンド仲間の大学生3人組、を中心に据えた、まさに「ぼくらの時代」の物語。しかし、あの動機が表向きだけでも通ってしまうって凄い時代だと思う。。
文体も時代背景も80年代でちょっと古いかな、という印象ですが、 独特の感性が鋭く表現されていて、少し懐かしい気がしました。 彼女自身も音楽が好きだったのですね。 文中に登場する洋楽は、きっとこだわりが強いのでしょう。 それと、書きたいことがあとからあとから沸いて出てくるような 彼女の創作意欲...続きを読むが垣間見えるようで、ものすごいエネルギーを感じます。 もう少し元気でいてくれたら、違ったものが読めただろうに。 本当に惜しまれます。
主人公たちもあい光彦の風貌や設定は時代が違っていて、どうにも想像がつかない。しかし世代間の対立や、大人に振り回される子供たちの訴えという軸には大いに共感出来る。視点がころころかわってしまうために感情移入しがたいが、それこそが狙いだったのだと納得もする。
最初に読んだ感想としては、この作品を男性が書いていたとしたらすごく非難を浴びたかもしれないのではないかと感じました。ひょっとしたら 賞はもらわなかったかもしれないかもしれないと。 伊集院大介 もの を沢山読んで,栗本薫の愛好者になってから読みました。 「ぼくらの時代」を、栗本薫の作品として最初に...続きを読む読んでいたら,栗本薫の作品を読み進もうと思わなかったかもしれません。 この作品以外での登場人物としての栗本薫(男性)は,もっと透明感があり,素直だと思っていました。 「ぼくらの時代」でのような行動は取っていないような気がしました。 ネタばれになるのであまり理由は書けません。 栗本薫の愛好家以外の人の評価をぜひお聞きしたいと思います。 栗本薫の愛好家になってしまったので,ついつい擁護したくなっています。批判は抑えたくなっています。 栗本薫の初期の作品なので,難点があってあたりまえではあるので, 歴史的作品としての評価が高い。 賞を取った作品という意味が無かったら,評価は低いかもしれない。 栗本薫(登場人物)を男性として描写したのが作家栗本薫(女性)の原点であることがわかると、さまざまな謎が読み解けるだろう。
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