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「ナチスは良いこともした」という言説は,国内外で定期的に議論の的になり続けている.アウトバーンを建設した,失業率を低下させた,福祉政策を行った――功績とされがちな事象をとりあげ,ナチズム研究の蓄積をもとに事実性や文脈を検証.歴史修正主義が影響力を持つなか,多角的な視点で歴史を考察することの大切さを訴える.
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Posted by ブクログ
近頃インターネット上で「ナチスは良いこともした」と主張したがる人が増えているとか....あまり知識のない自分はこの本でアウトバーンの建設、フォルクスワーゲンの開発、歓喜旅行団の事業 、失業対策のことなど知りました。日本は女性の地位が低いと言われていますがヨーロッパ諸国でもつい最近まで日本と何ら変わり...続きを読むなかったことも知りました。男性だけでは人類は成り立たないのに何故こんな状態が出てきたのだろう。いつも思うのだが大衆も自分たちの疑問に思うことを大いに話すことが独裁を止められるのではないかと思う。しかしそれには確固とした自分を持っていないとね。
定期的に繰り返される「ナチスは良いこともしたのだ」という発言や主張に対して、そんなわけないじゃん、で片付けるのではなく、歴史学の手法で丁寧に反証していく。 ある「事実」を、文脈や全体像、目的、背景までを視野に入れて捉え、「解釈」すること。そこから自分の「意見」を持つこと。それが「歴史的思考力」を養...続きを読むうことでもある。 ここで示される検証方法は、「歴史的思考力」とは何か、どうやって思考すればよいのかを知る手掛かりとなると思う。
正直、ナチスは良いこともしたと思っていた側の人間だった。 そこに対してしっかりと反証を持ってきて、全部プロパガンダだよと突きつけてくれる素晴らしい本。 ナチスに限らずだが、歴史認識というものは本当に難しいし、「ナチスは実は良いこともしていた」という面白く刺激的なナラティブにはどうしても心惹かれるもの...続きを読むがある。 こういった本がちゃんと出版されることに感謝。
強い。 文書で戦うとは、こういうことか。ちょっと違うか。でも、徹底的に事実を並べ、検証する事の重要さを学べる。学生入門書としては本当に最適。 ・ポストトゥルース ・歴史書
「はじめに」では、歴史学において重要なのは〈事実〉〈解釈〉〈意見〉の三層構造で検討することだと説明している。そのあとで、ナチスの個々の政策について歴史的経緯、歴史的文脈、歴史的結果という三つの視点から整理して検討しており、練習問題と解説であるかのようにとてもわかりやすい。このような視点で考えることは...続きを読む歴史学に限らず重要だろう。「あとがき」にあるポリコレへの反発という考察は納得のいくものであるだけに気が滅入るが、専門家は反発を覚悟しつつも粘り強く専門知識を伝える努力を続ける必要があるとしてTwitterで実践している著者を見ると心強く思う。
ナチ政権についての知識がほぼないまま読み進めたけど、平易でかなり読みやすかった。 政策について事実、目的、結果を順に説明して評価が書かれてあり、表面や小粒の事柄を捉るのではなく全体的な目的から評価する重要性にも気付ける。 あと最後の章で、ナチスは良いこともしたと主張する人たちの動機まで考察されてい...続きを読むたのが興味深かった!
面白い。ナチスってなんだろうって感じの、予備知識が全然ない人にこそおすすめ。国民(国家)社会主義が何か、ソビエトの社会主義とどう違うか、みたいなの基本的なところから話をスタートしてくれるからありがたい。 著者二人とも、実際の検証を進める章では、とても理性的にナチスの動きを分析している印象。①政策の...続きを読む経緯 ②目指したもの ③結果 で分けるのはとても分かりやすくて良い。 事実、解釈、意見の三つの層を意識しながら、歴史を振り返ることはとても大事。フェイクニュースを簡単に信じれてしまう今の世の中において特に。 決まりきった史実をに反発して快感を得ようとしてる歴史修正主義には、暇な人たちなんだなと同情するしかない。何事にも疑問を持つことはたしかに重要だけど…
知らなかったが、2021年2月に、ヒトラーの大ファンと言う女子高生の小論文が称賛されるようなツイートがあり、ちょっとした騒ぎとなったようだ。 折しもトランプ元大統領が、在任中にヒトラーは良いことをたくさんしたと報じられたり、欧州ではヒトラーの行動に賛同を示す極右が台頭もしてきている。更に我が国の、何...続きを読むかにつけてとんちんかんな発言をする、あ◯う副首相の「ナチス政権を手口を見習う」問題があったり、否が応でも興味をひく主題だ。 このような背景には何があるのか、専門家の立場で、所謂「良いこと」とされる政策一つひとつに対して検証を加えて、結論を導く。 当然と言えば当然かも知れないが、真に個人の幸福を求めるものではなく、プロパガンダに満ちた政策には少しの肯定感もない。 その時代背景や具体的な数値を元に、「良いこと」とは、ナチスが扇動しただけのことだったと言う主張が理解出来たし、改めて時の為政者に絶大な権力がある時の恐ろしさを感じるところとなった。 ただ検証の根拠の一つに、政策の独自性があげられていたが、別にそれが二番煎じであろうと、良い悪しを判断する根拠には乏しいと感じた。(無論ヒトラーを肯定する気持ちなど露ほどもないが) 「おわりに」にもあるが、著者も反駁は想定しており、以下の言葉を留めている。 「歴史知識」と「歴史意識」は分けて考える必要があるという。 学校や大学、マスメディアなどを通じて伝達される前者に対し、後者は「過去に対する感情的イメージ」であり、それこそが「学んだ歴史知識をどのように解釈し、利用するか」を決定するのだという。「過去」について「自由」に発言したい、そして自分たちこそ「真実」を知っている。そういう感情が先にあるために、教育やメディア、研究などによって正確な知識が伝えられれば伝えられるほど、ますます反発を強めて「逃げ道」を探すようになると言う。 また、「売らんかな」で出版されるセンセーショナルな書籍では、人目を引く主張が行われているが、ナチスの戦争目的や人種主義、嘘や不正と切り離した「先進性」の評価はあまりに一面的で、とうてい学術的検証に堪えるものではない。 彼らの政策は全て、ナチ体制が来るべき侵略戦争のために軍備拡張を優先した結果だった。
育休、アウトバーン、環境保護… ナチスを絶対悪とする論調に反発するように取り沙汰される各種政策を批判的に検証。先進的に見える施策も数々の犠牲と差別の上に成り立っていた事が分かります。ブックレットながら非常に読み応えある好著。おすすめです。
ナチスの功績を一つ一つ丁寧に検証し論じたもの.「良いこと」と世間で言われていることに惑わされないしっかりした目が必要だ. 「ドイツ人は最初は借金で生活し,次には他人の勘定で暮らした」に深く納得.ナチ体制はまさしくならず者国家である.
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検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?
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小野寺拓也
田野大輔
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