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「大佐に手紙は来ない」「純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語」など、世界文学最高峰が創りだした永遠の物語。著者の多面的な魅力を凝縮した新訳アンソロジー。
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Posted by ブクログ
日常の切り取り方が、(わたしたちが普段過ごす日常と作者が想定する「日常」の乖離を鑑みても)鮮烈に感じられた。 生々しい人間の感情や生活の垢じみた、湿っていて暗い雰囲気と、寓話のような美しさが同居している稀有な作風だと感じた。
最高。 ラテンアメリカに蓄えられてきた奇蹟の力をこうして味わえる幸せ。なんでさっさと読まなかったのか。 ある種の"物語"を勝手に期待する男たちが読者とともに裏切られる構造は、前期のリアリズム小説にも見出される。 同じアンチ=リアルな短編小説としてカフカを連想したが、カフカは悪...続きを読むい予想が裏切られないという悪夢の因果律に支配されてて、ガルシア=マルケスはよい期待が裏切られがち、なのかも。
名作だ。しかし、やるせなくて読んでしんどい作品が多い。解題にも書かれていて、そのような作家なのだと知る。現実的な描写の中に幻想的なものがしれっと同居してるのはすさまじく、現実味が強すぎて、少し心が疲れてしまった気がした。 ラテンアメリカ文学としてボルヘスは大好きだし、コルサタルも楽しめた。たしかに同...続きを読むじ香りを感じるが、それとは明確に違う地に足のついた「つらい」現実感が迫る。 しかし、この中では「聖女」がとびきりに気に入った。なぜならば、やるせないだけでなく、その中に希望があったからだ。人生はやるせないことの連続で生きてゆくのであって、そのなかに少しでも希望が欲しいとぼくは思うのだ。たとえそれが歪んだものだったのしても。
ラテンアメリカ文学を読むぞ!と息巻いて全然手を出せていなかったのですが、ついに気になっていたマルケスを読む。 前半の、庶民のやるせなさを強く感じるリアリズム小説より、後半のザ・マジックリアリズム!という感じの、色鮮やかでファンタジー要素が含まれる小説のが好きだった。 ファンタジーと言っても、中庭で見...続きを読むつかった天使は年老いていて、日差しと雨にさらされる鶏小屋に入れられて放置されるし、水死体の話やら、おばあちゃんに娼婦にさせられた娘の話やらがあるし、人生の残酷さは伝わってくる。 それでもラテンアメリカの太陽が連想される、鮮やかなイメージの話が多いので、不思議とあまり暗い気持ちにはならない。なんかその感じがメキシコっぽい気がする。 「巨大な翼をもつひどく年老いた男」「純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語」「光は水に似る」が特に好きだった。
なんだか癖になる文体。 読んでいて映画のようだと思った。 この光景を映像で見たいと思わせるような描写が沢山あった。 シュールな要素もあり。
救いのない話が多いな。あとこの本に限らず、ガルシア=マルケスさんの作品の中には、気長に待ち続けるひとが多く登場する気がする。何を待っているのだろう。
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