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母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
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Posted by ブクログ
ただ何となく、ムルソーが許されることを願った。裁判中ずっと、1人の人生がこんな簡単に決められて良いわけが無い!って思ってたけどそれは殺されたアラブ人も同じ事で、共感は同調を生むなと思った。取り返しのつかないことが自分の手から離れたところでどんどん進んでいく浮遊感が不安で不安で最高だった。 また、どん...続きを読むなことにも慣れる と言う彼の感覚がぶっ刺さった。全てを諦めているのではなく、自分の感覚に自信を持っている彼がかっこよくて羨ましかった。最後のシーンを何度も読み直したい。
フランス映画を1本見終わったような読後感。 ムルソーは置かれている状況に対して素直に反応する。そして世間の常識ではなくて自分の論理で判断する。だから、決して悪い人でも冷たい人でもないのに、その行動は常識に照らすととんでもないものとなる。嘘がなく純粋なのはムルソーの方ではないのか。
有名だけど題名以外なにも知らない本を読んでみたくて読んだ。(ときめきトゥナイトのヒロイン江藤蘭世の語源がフランス語の異邦人[Etranger]であることは知っていた。) 主人公ムルソー君の人格は、21世紀人をみているようだった。死刑を宣告されなければいけないような人格破綻者の要素は希薄で、「私」の...続きを読む視点で語られる「事実」と裁判で語られる筋書きとでは、天と地の差があった。 これで死刑判決を貰ってしまうのは、検察の弁論のうまさと弁護側の弁論の下手さが理由の大半ではないか、と感じた。そういう意味では法廷ドラマの印象が強い。 引き金を引いたのが一発目だけであれば、高い確率で過剰防衛で済んだのではないかと思う。後の四発も「気が動転していたので。。」で済みそうな気が。。何といっても相手が先にナイフを抜いたわけだし。 裁判で「太陽のせいだ」と殺人の理由を述べる場面は名場面だ。自分も、明確な理由もなく何かをやらかしてしまった場合に使ってみたいものだ。ムルソーと同じようにイカれた奴と思われるだろうか。
ここ数年で読んだ海外古典の中で一番感銘を受けた。素晴らしかった。 古典文学を読んだ時なぜか作中の時代もその当時のものだと錯覚してしまう気がする。この小説の時代設定も書かれた当時のものなのだろうか。裁判がずいぶん不正確で不公平だなと思った。裁判制度に対して作者が一石投じる意図もあったのだろう。 主...続きを読む人公は極めて理性的かつ合理主義的思考を持っているものの、自身の意思とは無関係に生ずる本能的欲望には弱く、他人への共感力に欠けた行動を取ってしまうのが面白かった。 ラストの主人公の叫びは何度も読み返すと思う。良い終わり方だった。
論理では説明ができない不条理について考察の機会を与えてくれた一冊。 難しすぎて何度も読み返し、読書習慣がついてからようやく読破、太陽のせいで人を殺めた、という男の発言がこの本への私の1番の思い出。
高3から何度も読んでしまう一冊。いつもは聴聞司祭とのやり取りで気圧され、ラスト数行で心地よい気分に浸って終わってしまうので今回は東浦さんの『晴れた日には異邦人を読もう』を手引書にして再読。ラストの心地よさで意識の表面に出てこなかったカミュの愛した情景の素晴らしさを実感できた。ムルソーという人物をこ...続きを読むれまで崇拝の対象とも狂人とも言えない形容し難い人物として接し、なぜか彼に親近感が湧くのが不思議で仕方がなかった。手引書をもとにムルソーと接したことで、ムルソーがとても気を遣える不器用人間といえることに納得でき、そこでやっとムルソーへの親近感の正体がわかった気がした。 未来への確証のない可能性よりもありのままの今の素晴らしさを全身で謳歌する。そんな姿が自分にとって理想であり、今の自分はそこに近づいているのかもしれないと感じて高校生の自分に自慢したくなった。
▼「異邦人」カミュ(窪田啓作訳)。新潮文庫。初出はフランス語で1942だそうです。 ▼とても薄い文庫本で、考えたら何十年も「いつか読みたい本」だった一冊。とうとう読みました。不条理不可解芸術小説かな?と思っていたら全然違って、大変に面白かった。後半終盤は打ちのめされました。さすがです。 ▼そもそ...続きを読むも舞台がアルジェリアです。北アフリカです。フランスの植民地でした。ムルソーという、大まかに言うと貧しい部類の青年がいて、母子家庭で育ち、今はサラリーマンをしているのだけど、冒頭でお母さんが病死します。離れた施設?にいたみたいで、休みをとってかけつけて、段取りをします。それから海でぶらぶらして、知人の女の子と出会ってデートして良い感じになったりします。一緒に知人の別荘?だったかに遊びに行き、その知人というのがやや愚連隊で、対立グループと喧嘩になって、巻き込まれて、主人公は一人銃で撃って殺してしまいます。で、裁判にかけられて死刑宣告を受ける。 ・・・という流れです。 ▼この主人公さんが、とても自意識が高いのか、別段母が死んでも嘆かない。この主人公はそれなりに問題なく生きているように見えて、さまざまな偏見や蔑みや抑圧や暴力や貧しさといった、そういったものに支配され、翻弄されて生きている。でもそこで暴発したら変人扱いされる。そんな「皮膚感覚」みたいなものがヒリヒリと伝わってきます。説明されずに伝わってきます。ハードボイルドです。ハードボイルドなドストエフスキーという感じがします。ちょっとチャンドラーに似ています。 ▼終盤で、死刑宣告後に神父さん(牧師だったか?)の「許し」みたいな誘いを、激高して拒絶するくだりがあるんですが、白眉でした。圧巻でした。カミュすげー。
センター倫理で暗記した、『不条理』=『カミュ』=『異邦人』。読んでみたら、そんな軽々しいものではなく、深く胸に去来する作品。 母親が死んでも悲しむ姿を見せず、翌日にはデートをする。そんなことを裁判で裁かれる。 なんだよ!って気持ち。 80年以上前の作品だけど、何も古臭さを感じず、寧ろ生臭さすら感...続きを読むじた。『不条理』に悩む時に、繰り返し読みたくなりそう。
カミュの代表作の一つ。理不尽さを描く。正常なのは自分なのか、周りなのか。同じ状況になればどう判断するのだろう?
(Mixiより, 2010年) す、素晴らしい。物語のドラマティックな進み方と、主人公のリアリティ溢れる思考。その二つがお互いを支えながら、読者をグイグイ引っ張って行く強い力を持った作品です。 とにかく全編を通して共感の嵐でした。そんな中で、文庫の紹介文に「通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソ...続きを読むー」と書かれているのが気になる。ムルソーの行動は、たしかに一見すれば非常識で不条理。でもそう見るのってむしろ難しいんじゃないかな?と感じました。読んでいる間は完全に僕らはムルソーになるしかなくて、客観的事実だけを抜き出してこの小説を読むのってどうも不自然だと思います。ムルソーの考えに従っていれば、彼の起こす行動は、そうであるしかない一対一のものだと感じました。タイトル「異邦人」というのも、「こんなに正しい思考をしている人間が、まわりから見たらなんとも異様なのは何故だろう?」という皮肉な意味だな、と解釈しました。だから「不条理だ」と強調するのはどうも納得いかないんです。これに気づかせる為に、圧倒的に客観視をさせる裁判のシーンが描かれているんだと思うんだけどなぁ。こういう風に瞬間的な感情、思考を捉えていく作品、大好きです。とにかく無駄がない。きっとこれから何度も読むだろうな。
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異邦人(新潮文庫)
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カミュ
窪田啓作
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