作品一覧

  • 転落
    4.0
    1巻946円 (税込)
    アムステルダムの場末のバーでなれなれしく話しかけてきた男。彼はクラマンスという名のフランス人で、元は順風満帆な人生を送る弁護士だったが、いまでは「告解者にして裁判官」として働いているという。五日にわたる自分語りの末に明かされる、彼がこちらに話しかけてきた目的とは? 『異邦人』『ペスト』に並ぶ第3の小説、待望の新訳。
  • 革命か反抗か―カミュ=サルトル論争―(新潮文庫)
    4.4
    1巻506円 (税込)
    歴史を絶対視するマルクス主義を批判し、暴力革命を否定し、人間性を侵すすべてのものに“ノン”と言い続けることを説いたカミュ。彼の長編評論『反抗的人間』の発表をきっかけにして起きたサルトルとの激しい論争を全文収録。カミュ、サルトル二人の思想の相違点を知るとともに、現代における人間の尊厳、自由について考えさせる必読の書。ほかにF・ジャンソンの二論文を収める。
  • 転落・追放と王国(新潮文庫)
    4.3
    1巻737円 (税込)
    パリでの弁護士生活を捨て、暗い運河の町・アムステルダムに堕ちてきた男、クラマンス。彼の告白を通して、現代における「裁き」の是非を問う、『異邦人』『ペスト』に続くカミュ第三の小説『転落』。不条理な現実、孤独と連帯といったテーマを扱った六篇の物語からなる、最初で最後の短篇集『追放と王国』。なおも鋭利な現代性を孕む、カミュ晩年の二作を併録。
  • 最初の人間(新潮文庫)
    3.9
    1巻737円 (税込)
    戦後最年少でノーベル文学賞を受賞したカミュは1960年、突然の交通事故により46歳で世を去った。友人の運転していた車が引き起こした不可解な事故の現場には愛用の革鞄が残されていた。中からは筆跡も生々しい大学ノート。そこに記されていたのは50年代半ばから構想され、ついに未完に終わった自伝的小説だった――。綿密な原稿の精査によって甦った天才の遺作。補遺、注を付す。
  • 異邦人(新潮文庫)
    4.2
    1巻605円 (税込)
    母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    3.9
    1巻693円 (税込)
    神々がシーシュポスに科した刑罰は大岩を山頂に押しあげる仕事だった。だが、やっと難所を越したと思うと大岩は突然はね返り、まっさかさまに転がり落ちてしまう。――本書はこのギリシア神話に寓してその根本思想である“不条理の哲学”を理論的に展開追究したもので、カミュの他の作品ならびに彼の自由の証人としてのさまざまな発言を根底的に支えている立場が明らかにされている。
  • マンガ ペストとコロナ 東京の女子高生が、ペストの世界に迷い込んだら
    3.0
    1巻1,650円 (税込)
    ノーベル文学賞を受賞したアルベール・カミュの傑作小説 『ペスト』が生まれたのは、1947年のこと。 それなのになぜ、コロナ禍の現代は、これほどまでに、 『ペスト』の世界を彷彿とさせるのか?  天災か? 人災か?  〈ペスト〉と〈コロナ〉の不思議な「重なり」に、 今後、社会がどうなっていくのか、どう生きていけばいいのか、 大きなヒントが隠されている。  絶望とは、闘うべき理由を知らずに、  しかも、まさに闘わねばならないということだ  ―――アルベール・カミュ  本書は、アルベール・カミュの傑作小説『ペスト』の世界に、  もしも、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下を生きる  東京の女子高生がタイムスリップしたら……  という設定から始まるオリジナル漫画作品である。  新型コロナウイルスが蔓延しはじめた2020年春。  渋谷で友達と待ち合わせをしていた女子高生・香は、  カラスのような仮面をつけた「オランの使者」と名乗る不気味な男に、  突然、1940年代のアルジェリア・オランという街に誘われた。  オランの市民から信頼されている町医者・リウーは、ここ数日、  やたらと血まみれのネズミの死骸を見かけることを不審に思っていた。  それと同時に、今までに見たことがない症状で  苦しみ亡くなる人が増えていく。  やがてリウー医師は、それが何年も前に世界から消滅したはずの  ペストであることを確信する。  しかしリウーが「これはペストだ!感染症だ!」と訴えても、  お偉いさんたちはそれを認めようとはしない。  そうした中、あれよあれよと死者は増え続け混乱状態へと陥り、  ようやく街はペストの流行を認めた。  しかしその時にはもう、市民の間では差別や分断が溢れかえり、  個人の自由は奪われ、全体主義が蔓延っていく。  あっという間に変わり果てた世界――  すべてを目撃した香は、行動し続けるリウーの姿を見て何を思うのか?  本書の監修は、 新刊『ひとりも、死なせへん    ――コロナ禍と闘う尼崎の町医者、551日の壮絶日記』が 話題の著者・長尾和宏医師。 この物語を教訓に、withコロナ時代を我々がどう生きていけばいいのかを、 医療的・社会的の両面から考えていく。
  • ペスト
    3.9
    1巻1,111円 (税込)
    194*年4月、アルジェリアのオラン市に突如発生した死の伝染病ペスト。病床や埋葬地は不足、市境は封鎖され、人々は恋人や家族と離れた生活を強いられる。一方、リュー医師ら有志の市民は保健隊を結成し、事態の収拾に奔走するが……。不条理下の人間の心理や行動を恐るべき洞察力で描いた、ノーベル賞作家カミュの代表作。
  • ペスト 1巻
    完結
    4.1
    全4巻616円 (税込)
    194X年4月、アルジェリア北西部の港町オラン。短い春を謳歌していた町は、前触れなく閉ざされた。恐ろしい流行病によって――。鼠の氾濫、謎のリンパ疾患、錯綜する情報、そして……。 凡庸な町が突如として熱病に侵される“不条理”を描き、圧倒的共感を呼んでいるノーベル賞受賞作家・カミュの代表作(宮崎嶺雄訳・新潮文庫刊)を、車戸亮太が激情のコミカライズ!!
  • ペスト
    3.9
    1巻825円 (税込)
    アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    不条理小説、カミュの作品は初めて読んだが、はじめ私は主人公ムルソーに対して激しい感情の動きがなかったり、あまりにも文体が客観的過ぎることから、社会一般で言われている人間性というものが欠けているのではないかと思い、主人公の行動や言動に理解できず小説を読むのに苦しんでいた。しかし彼が逮捕された後の裁判にて被告である彼なしでことが進み、死刑を宣告される不条理が起きた時彼は万人とは違う行動原理を持っていることが分かった。それは、万人には社会的信頼とか、自分ではどうしようもない事柄を嘆き、神だとか、そういうものに心を傾けるが、彼は自分の肉体的欲求と己の意思だけが自分の行動原理であり、太陽が照りつける海岸

    0
    2024年05月22日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    ペスト
    著:カミュ
    新潮文庫 か 2 3

    ペストは、14世紀、東アジアで流行が始まり、中央アジアを経由してヨーロッパで猛威をふるった。
    人類の歴史史上、14世紀は、唯一人口が減少した世紀であり、その原因はペストであった

    現在もマダガスカルをはじめ、散発的にペストの流行が発生している

    本書のように、ペストが突然、大都市を襲うというようなことはあながちあり得ない話ではない

    一方、作者のカミュは、「シーシュポスの神話」、「異邦人」といった、不条理を扱う作家である

    ペストの初期から、都市がロックダウンしたあとの人々の生活と、その心理をリウーという医師の目で描いたのが本書である。ある意味で、「

    0
    2024年05月15日
  • ペスト

    Posted by ブクログ

    この本に書かれていることを完全に理解するにはまだ至らない。だから、これから何度も読み返したい、あるいは、自分の成長を測る物差しのようなものとして持っておきたい。

    0
    2024年04月07日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ただ何となく、ムルソーが許されることを願った。裁判中ずっと、1人の人生がこんな簡単に決められて良いわけが無い!って思ってたけどそれは殺されたアラブ人も同じ事で、共感は同調を生むなと思った。取り返しのつかないことが自分の手から離れたところでどんどん進んでいく浮遊感が不安で不安で最高だった。
    また、どんなことにも慣れる と言う彼の感覚がぶっ刺さった。全てを諦めているのではなく、自分の感覚に自信を持っている彼がかっこよくて羨ましかった。最後のシーンを何度も読み直したい。

    0
    2024年03月29日
  • 異邦人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    短い。3時間かからず読んでしまった。1部2部に分かれてるがその構成力がすごい。前半自由に生きてた主人公が内省的になったりの変化もあり、対比的で面白いし、1部のすべてが2部の伏線となっている。1部も映画みたいで良かった。主人公像をどう解釈するか、太陽を何の象徴と捉えるかで味わいが変わる。自分は主人公はただ愚直な人間であると解釈した。世界の、自然のありのままの姿を享受し、流れに身を任せて生きる。直感的な最善を行動に移し、愚直なまでに素直に生きる。そして太陽。言わずもがな太陽は不条理の象徴であるが、古来からそうみなされてきたように、やはり「生」の象徴でもある。主人公に生の喜びを与え、主人公を突き動か

    0
    2024年03月15日

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