作品一覧
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレずっと夢日記を読んでいる感覚だった。
「コランは道を走っていた。 「きっとすばらしい結婚式になるぞ……。明日、明日の朝だ。友だちはみんなきてくれる……」 クロエに通じる道だった。 「クロエ、あなたの唇はやわらかい。あなたの顔は果物のようにつやつやだ。あなたの目はしっかりとものを見ている。そしてあなたの体はぼくを熱くしてくれる……」 ビー玉が道を転がり、子どもたちがそのあとを追いかけてきた。 「あなたに十分キスしたという気持ちになるまでには、何カ月も、何カ月もかかるだろう。あなたに、あなたの手に、あなたの髪に、あなたの目に、あなたの首にキスしたいというぼくの想いが尽きるまでには、何カ月も、 -
Posted by ブクログ
詩的な表現を多く含んだ小説なのか、と思ったがこれは違う。
うたかたの日々は、一文一文を真に受け、作中世界の在り方に没入していかなければならないタイプの小説で、伏線や隠喩を解き明かすといった読書をする人にはこの作品の良さが分からないだろう。
我々が生きている世界では、肺に睡蓮は生えない。ハツカネズミは踊らない。わりとちゃんと働く。
だからこの小説はレアリスムではない。が、その反面、圧倒的にレアリスムだ。
世界が綿密に描かれ、作品固有の運動していく。
それを真に受けて読んだ我々がこの本を閉じる時、今読んだものがファンタジックな世界だとは微塵も感じることはないだろう。
そこには圧倒的なリアリティが -
Posted by ブクログ
面白かった・・・。
以前に別訳で「日々の泡」のタイトルの文庫本を買ったことがありました。もう10年以上前だったか。そのときは申し訳ありませんが、何が何だか訳のせいかのめりこめず、早々に脱落。
今回は、ほぼ盲目的に信じている光文社の新訳であることと、野崎歓氏の訳ということで再購入。読破。
いやあ、これはすごい小説ですね。
以下、ネタバレ。ただこの本は、ネタバレがどうこうという本じゃないですけど。
よほどの好みを持った人以外は、むしろ情報を色々仕入れてから読んだ方が良いと思います。
主人公はまあ、コランという青年ですね。この人はお金持ちで働く必要がない。ニコラという料理人を雇っています -
Posted by ブクログ
キッチュ!これに尽きる。読みやすくてサクサク読みすすめられる。
ガジェット満載の楽しいB級文学といったところ。
そんなジャンル存在するのかどうか分からないけど、大好きだ。
例えば映画『唇からナイフ』を観たときの感覚。ワクワクする。
いや待て、そういやこれの映画版観にいったわ。いまはなきシネセゾン渋谷かどっかでやってたような……?
映画もとことんキッチュだった、それだけ憶えている(笑)。
1968年製作だから30年近く経っての日本公開。そしてさらに20年が経過しようとしている今、新訳で原作を楽しむ——なかなか感慨深い。
この物語を完全視覚化するのは難しい。チャレンジングだったろうなー。
アニ