作品一覧
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3.9
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレイプセンはウェルメイド・プレイの構成生かし、自己認識と独立を現実的に反映するために劇という象徴を用いて理想主義のもろさを明らかにしている。
観客が、この戯曲が女性の解放を表している作品であるという先入観に縛られ続けているため、ウェルメイド・プレイであるという構成が、同じ結末を保証するものではないということを忘れていることを暗示している。
作品の大半ではノラが完璧であろうという家族像にしがみついている様子が描かれている。従って、観客はこの戯曲の理想的な結末がどのようなものであるべきかを振り返り、結局ノラの家出がこの戯曲の山場、すなわちクログスタッドとの対立・衝突を解決しているか否か、その判断が -
Posted by ブクログ
子供と家を捨てて、自分を獲得するために動いたノーラは正しいのか?どちらとも言えない…。
最初、二人の会話の仲睦まじさから良好な関係にある夫婦だと思っていた。そう思わせておいて、あのような形で問題を投げかけてくることがうまいなと思った。
愛していることは確かなのに、潜在的に彼女を自分より下位である、守ってあげる存在だとしていたことが露呈したのが悲しい。
親子ならまだしも、夫婦間での力関係は今でも全然あることだと思うし、多分無意識に、そっちの方が円滑だからとか思って、悪く言えば隷属している部分もあるのかなと思ったり…。
上手くまとまらないけど、現代の夫婦観に思いを巡らせてしまう、良い刺激を受け