ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
「あたしは、何よりもまず人間よ」ノーラは夫にそう言いおいて家を出る。ノルウェーの戯曲家イプセン(1828-1906)は、この愛と結婚についての物語のなかで、自分自身が何者なのかをまず確かめるのが人間の務めではないか、と問いかける。清新な台詞と緻密な舞台構成がノルウェー語原典からの新訳でいきいきと再現される。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
子供と家を捨てて、自分を獲得するために動いたノーラは正しいのか?どちらとも言えない…。 最初、二人の会話の仲睦まじさから良好な関係にある夫婦だと思っていた。そう思わせておいて、あのような形で問題を投げかけてくることがうまいなと思った。 愛していることは確かなのに、潜在的に彼女を自分より下位である、...続きを読む守ってあげる存在だとしていたことが露呈したのが悲しい。 親子ならまだしも、夫婦間での力関係は今でも全然あることだと思うし、多分無意識に、そっちの方が円滑だからとか思って、悪く言えば隷属している部分もあるのかなと思ったり…。 上手くまとまらないけど、現代の夫婦観に思いを巡らせてしまう、良い刺激を受けた本だった。
出版時にこのような男女の関係を本として記すことが出来るその心に畏敬の念を持たせていただきたい。 戯曲を本としたものは初めて読んだので、会話を読み進めていくのが面白かった。 世間知らずということをしっかり認識し、責任をもつ主人公の姿には見習いたいと感じた。
まってこれってこんな面白い話だったの!? 大学生のときに読んだきり、 そして一応役者なので、エチュード的に一部はやったことがあるけど… 全然わかってなかった!! やはり本ていうのは、読むときの年齢によって全然見え方が違うものですね。 仕事のために読んだけど、いま読んでよかった。 ノーラが馬鹿すぎて最...続きを読む初「イーッ!」てなったけど、 最後に「そういうことか…」と納得。 でも、自分の人格形成における失敗(?)の責任を夫や親に押し付けるのは趣味じゃないです。 しかし!それを最後に自分の正しいと思うように行動するノーラには快哉を叫ぶぞ! 後世に書かれたものだけど、森本薫の女の一生「誰が選んでくれたのでもない、自分で選んで歩き出した道ですもの。間違いと知ったら、自分で間違いでないようにしなくちゃ。」に通じますわ。
家庭板みたいな話でゲスく楽しめました。面白かったです。 ヘルマーがモラ男なのはもちろんですが、ノラが大概甘ちゃんすぎます。 「父や夫に心配をかけないために、勝手に父の名前を保証人欄に書いて、借金をした。思いやりゆえの行動であり、これが偽署の罪だというなら法律が間違っている!」というのが、序盤で出てき...続きを読むた上に最後にも出てくるノラの主張です。 過ちを犯した人はみなそれぞれの事情があったということに思い至らないノラは世間知らずのままです。 そして、自分を愛していると言いながらも犯罪はかばってくれなかった旦那に幻滅して家を出るわけです。 よく考えもせずに、生家のなくなった地元へ戻る? あてもないうえに子どもを捨てて? なんて気まぐれな、というか、1週間で帰ってくるに100ペリカ。
この本を読み終わって思わず、本を破り捨てたくなった。ノーラを理解できない夫のヘルメルへの怒りのために。そして、今の日本の女性の状況のために。 それくらい心を揺り動かされた一冊。 もし将来結婚するなら、相手に読まして反応を見たい。(悪趣味かな…)
全く期待せずに読んだけど凄く心打たれた。 男と女とで確実に感想が異なるであろう末恐ろしい一冊。 自分の嫁に読ませて感想を聞きだして一喜一憂するか、はたまた永遠に禁書にするか。 訳者の原 千代海さんは人間賛歌として解釈してるけど、これは今も昔も重厚な社会劇だよ。 ってかイプセンは元々ナショナリズムの闘...続きを読む士だったのに途中でノルウェー大嫌いになって国外で暮らしたり(結局晩年に戻ってきたけど)、女性の社会進出を訴えた戯曲を書いた直後に女性蔑視者になったりとかなり香ばしい作家。 イプセンはローマの学術団体「北欧協会」でそれまで認められていなかった総会における女性の投票権を声高に主張した。会費を払えば男も女も同じである、と。 しかしその提案に猛反発したのはあろうことか大半が女性。 イプセンはこれに大いに失望して一転女性蔑視的な性格となる。 女性の社会進出を推し進めるフェミニスト団体は、社会進出を望まない女性のことは微塵も考えない。まるで学級委員が自分だけ善だと思って乗り気のしない周りを巻き込む構図のよう。男と同じ仕事量・責任で同じように出世して子供が産まれてもバリバリ働きたいなんて思う女性はごく一部だよ。 果たしてどっちが本当の優しさかな? イプセン自身の生涯も相俟って色々と考えさせてくれた一冊
ある夫婦のはなし。 女の人ってすごくずる賢くて、実はとんでもないことをしでかしているんだから! と、わくわくしました。 女の人の強みと弱みをうまく使い分けたノーラがすばらしい。 たのしかった。 別れると決めたら、一歩も譲らない決意もかっこいい。
おもしろすぎる。 入り込んでしまい、2時間弱で読破。 最後の20ページは心が 震えたいうか、 とてつもない感情が自分の中に生まれて、 チクチク痛かった。 男性主体社会では夫婦関係は「愛」にならず、 それは「保護者」と「人形」になってしまう。 その要因は簡単なもので、 自分の実存確認、内省を行わないこ...続きを読むとになる。 というか、従属できて、それで生活できてしまうんだから必要がなくなる。 結果、相手からの影響は感化ではなく洗脳になってしまう。 うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。 社会とかシステムって人間を壊すよね。まさしく。 「法律は動機のいかんを問わんものです」 「若いうちに堕落する人間は、まずたいてい、その母親が嘘つきだ」 「けれどもね、心から愛する人と、会って話するのが好きな人とありますわ」 「あけすけに話をする必要があります。ごまかしや上塗りでは、とてもとてもあの上やってゆけるものではありません」 「あなた方はわたしを愛していらっしゃったのではありません。わたしを夢中に甘やかしているのが、いい楽しみだったのです」 「パパはわたしを自分の人形と呼びました。そうしてわたしと遊びました。ちょうどわたしが自分の人形をおもちゃにするような風に。」 「わたしはあなたの前で芸当をして生きておりました。しかもあなたはそれをお好みでしたわね。あなたとパパと、お二人とも、私に対してふかい罪をおつくりになった。あなた方のお陰で、わたしはこんなからっぽの女になりました」 「わたしには子供を教育する勤めを果たすだけの力がございません。その以前にわたしが果たさなければならない、ほかの勤めがあります。わたしはまず自分を教育しなくてはなりません。しかも、あなたはそれを助けてくださるお人ではございません。わたしは独力でいたさなくてはなりません」 「今となっては、世間の言うことだの本に書いてあることだのは、わたし標準とはいたしません」 「私が正しいか、社会が正しいか、窮めなくてはなりません」 「あなたの心配の一滴でもいいから飲ませてほしいのです。でもそれをおねがいすると、あなたはいつも軽い冗談にしてしりぞけておしまいになりました。あなたはわたしをちょうど人形のように教育なさいました。あなたは子供を相手にして遊ぶように、わたしを相手にお遊びになりました。わたしは苦しみを担うことができたらどんなに嬉しかったでしょう。私は嵐のように吹きすさんで高めてくれるものを、心からあこがれていました」
"新しい女性"はここから生まれた!ノラとヘルメルのような関係って実はかたちを変えて今もこの世に潜んでいると思う。
『人形の家』は、ノルウェー出身のイプセンにより、1879年に出版および初演された戯曲。夏目漱石や太宰治など、いろいろな文豪に引用されていて、以前から気になっていたので読んでみました。 ノーラは、年明けに弁護士から銀行の頭取になることが決まっている夫と、可愛い3人の子供たちとクリスマスを迎えるのを楽...続きを読むしみにしていました。しかし、彼女はある重大な秘密を抱えており、それに関わる人物が家に訪ねてきて気が気でなくなります…。 タイトルから内容が想像つかなかったですが、ラスト15ページの怒涛の展開で「人形の家」の意味が明らかに。終盤の夫が見せた掌を返すような態度で、妻は気づいてしまった訳ですが、何もかも放擲して飛び出して行くのは展開が急すぎかな。人間扱い云々とありますが、この時代で外に飛び出しても、一度気づいてしまった疑問は違った形の不満となって覆い被さってくるような気がして、ノーラが不憫な気がしてならなかったですね。 追記 : 書いていてふと、エスター&ジェリー・ヒックス『サラとソロモン』の「ある場所や状況の中に悪いことがあるからという理由でそこを去るなら、次の場所に行っても、ほとんど同じことが起こるってことなんだ。」というセリフを思い出しました。ノーラに幸あらんことを。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
イプセン 人形の家
新刊情報をお知らせします。
イプセン
原千代海
フォロー機能について
「岩波文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
人形の家
試し読み
人形の家(新潮文庫)
作者のこれもおすすめ一覧へ
▲イプセン 人形の家 ページトップヘ