作品一覧
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4.0嫁さんは、死んでもまだこの世にうろついているんだよ―― 大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻・倭子の死を受け入れられずにいた。 未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。 巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。 倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。 エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、 倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。 壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。 家に、死んだはずの妻がいる。 この世に留めるのは、未練か、呪いか。 選考委員満場一致、大絶賛! 第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
★5 亡くなった妻の影を追って異形と関わり合いを持ち… 完成度が鬼高のホラーミステリー #をんごく
■きっと読みたくなるレビュー
スゴイ、完成度が高い!
これで新人の作家先生ですか~、末恐ろしいですね。これからの活躍に超期待です。
大正時代、船場を舞台にした異形モノのホラーミステリーですが、世界観がバッチシ決まってる。幻想的なのに迫りくる描写がリアルで景色が浮かぶ。ちょっと怖めのジブリアニメを観ているような、そんな感覚です。
時代背景も土地柄もしっかり取材もしてあるし、途中に挟まれる歌やセリフ回しも雰囲気を盛り上げる。しかも物語の長さも230ページほどしかなく、シンプルかつ切れ味鋭いのが