ユーザーレビュー 硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ 酒井聡平 「硫黄島では一万人が未だに見つかっていません。見つからない理由の一つとして挙げられるのが『風化』です。」 物理的な遺骨の風化と、居住が認められていないことによる記憶と記録の風化、そして、米軍による現在までの支配と日本政府の忖度ーー。 色んな条件が重なって遅々として進まない現状。そんなこと言ってる僕自...続きを読む身も「硫黄島は住むのは無理な過酷な環境でしょうがない」という思い込みがあったし、そもそも読むまで「いおうジマ」だと思ってた自分を恥じる。 戦後を終えるためには僕らが知ること、忘れないことが重要だと痛感。 著者のこの島への執着、執念、情熱に、脱帽と敬意。個人的な意志もあろうがただただ仕事人としても尊敬。 Posted by ブクログ 硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ 酒井聡平 サイパンで戦死したと聞いているおじいちゃんのことがずっと知りたくて、でも何もわからずで、近づきたくて、場所はちがうけどこの本を手にとった。国や家族や未来のために戦ってくれた方々に、亡くなられた方々に、その家族の思いに思いをよせ、おじいちゃんを偲び、自分の境遇の有り難さをあらためて思う。4章では最後の...続きを読む2文に共感。僕は霊魂を信じるというか、普通にいると思っている、見たこと感じたことがあるわけではなく証明できないが、いるように思うだけ。7章、8章では死が目前なのに笑顔でいられる境地、本土に帰る人を笑顔で見送れる境地に思いをめぐらす。同じ境地にたてるものではないけれど、残りの人生を生きる価値を見いだすヒントをいただいたように思う。また、本書とは関係しないが「何となく」というのは、生き方の方向を示すものだと読んでいる途中でふとふたたび思う。先祖(過去)と共にある生き方が、共に影響しあっている。読後、地道な継続は運命が顕れるというか、決まるというか、繋がるというか、そういう連続なんだと思え、また、伝承は未来にとって大事なんだと、思った。(さっきまで”う◯こ”の話しで小3息子と盛り上がっていた、おじいちゃんの孫) Posted by ブクログ 硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ 酒井聡平 これは一級のノンフィクションです。 クリントイーストウッドの映画で「玉砕の島」 として広く知られる硫黄島(ちなみにイオウジ マではなく、イオウトウです) 約2万人の兵士が犠牲になったと言われていま すが、実はそれらの遺骨は現在でも半分が見つ かっていません。 そもそも民間人の上陸は禁じられてい...続きを読むて、遺骨 の探索も多くて年に4回程度です。非常に少な いのです。 なぜか。 戦後、硫黄島が辿った歴史を掘り起こすことで その理由が見えてきます。 遺骨の探索に関わる人は主に、硫黄島に散った 兵士等の遺児です。 しかし当然彼らも高齢です。残された遺族がど んな思いで遺骨を探すのかが、痛切に伝わって きます。 本文中に出てくる「戦争は終わっても戦禍は残 る」という言葉を理解できる一冊です。 Posted by ブクログ 硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ 酒井聡平 TBSラジオ「session」に、著者の北海道新聞記者・酒井聡平氏が出演していたことをきっかけに読んだ一冊。 祖父が戦時中、硫黄島の隣の父島にいたことを知り、祖父の戦友たちを見つけたいという思いで、並々ならぬ執念と行動力で遺骨収集団に加わる様子を読み、このような人、このような記者がいるのだと驚かされ...続きを読むる。 当時の硫黄島を知る人や、遺族へのインタビューは貴重な話ばかりであり、戦後80年を前にこのような活動や記録することよ大切さを改めて知ると同時に、私たちも「知る」ことを続けなければならないと感じる。 「忘れてはいけないことは 決して忘れてはいけない」 本書の最後に紹介されている、酒井氏の座右の銘という、高木いさお氏の原爆詩の言葉が、今戦争について考えること、読むことの意味を教えてくれる。 Posted by ブクログ 硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ 酒井聡平 普段小説しか読まないからか、最初は読みにくく感じた。 でも伝えたい思いが伝わってきてこれは知らなきゃいけない、読みきらなきゃいけないという思いで読みすすめたところ途中から文体にも慣れ一気に読めました。 とても勉強になりました。 Posted by ブクログ 酒井聡平のレビューをもっと見る