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  • 完本 中国再考 領域・民族・文化
    5.0
    1巻1,540円 (税込)
    古代中国の天下観はいかにして現代中国の世界観へと転じたのか.中国内部での国としてのアイデンティティをめぐる多様な議論を歴史的に考察し,中国人の民族的感情の淵源を探って好評を博したオリジナル版現代文庫に,「民族」をめぐる論文と,これまでの研究を総括する論文を増補した完本版.二〇一四年アジア・太平洋賞受賞.

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  • 完本 中国再考 領域・民族・文化

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    宋代と清末の二つの時代がそれぞれ「中国意識」と「現代中国」の形成に大きな影響力を持っていたことが分かる。中国は統一と崩壊と内乱を繰り返しているだけで発展していないとする見方をとる人も多いが、漢唐の時代と宋では質的に全く異なる「中国」が誕生していたようだ。しかし話はそこで終わらず、宋の後には元や清といった異民族王朝が漢人の居住範囲を遥かに超える大帝国を作り出す。これが現代中国の内部に民族問題を生み出すきっかけになった。
    清末には満蒙回蔵などは放っておいて漢族だけの中国を打ち立てる向きもあったようだが、それは清朝の国土の分裂を意味し、結局新生の中華民国は清朝の版図を基本的には受け継いでいる。民国時

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    2024年04月25日
  • 完本 中国再考 領域・民族・文化

    Posted by ブクログ


    中国の複雑さを、中国人自らが語った文章。全体的にフェアな書きぶりであると個人的には感じられ、中国にもこのような冷静な議論があるという事実に感銘を受けた。
    中国は帝国と近代国家の顔を交錯させている国である。その勃興に伴い、西側中心の既存秩序、周辺諸国と衝突を繰り返す中国の今の本質を、中国人自ら歴史から解きほぐし分析している点に価値がある。
    中国はそもそも一つなのか。中国では漢民族中心主義(国境を意識する近代国家)と、多民族主義(天下が果てしなく広がるイメージの帝国)が相互に顔を出す国である。また、その領域も歴史的に増減幅があった(周辺諸国の一つである日本にとってみれば、その増減幅が死活的な脅

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    2024年02月07日

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