松家仁之の作品一覧

「松家仁之」の「新しい須賀敦子」「」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 泡

    3.7
    1巻1,650円 (税込)
    男子高の二年に上がってまもなく学校に行けなくなった薫は、夏のあいだ、大叔父・兼定のもとで過ごすことに。兼定は復員後、知り合いもいない土地にひとり移り住み、岡田という青年を雇いつつジャズ喫茶を経営していた。薫は店を手伝い、言い知れない「過去」を感じさせる大人たちとともに過ごすうち、一日一日を生きていくための何かを掴みはじめる――。思春期のままならない心と体を鮮やかに描きだす、『光の犬』から3年ぶりの新作にして、最初で最後の青春小説。
  • 光の犬
    4.3
    1巻1,760円 (税込)
    北の町に根づいた一族三代と、そのかたわらで人々を照らす北海道犬の姿。助産婦の祖母の幼少時である明治期から、父母と隣家に暮らす父の独身の三姉妹、子どもたちの青春、揃って老いてゆく父母とおばたちの現在まで……。百年以上に亘る一族の姿を描いて、読後、長い時間をともに生きた感覚に満たされる待望の長篇!
  • 新しい須賀敦子
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    没後17年を過ぎてもなお、多くの読者を魅了し続ける須賀敦子氏の文学。類まれな知性のうつくしさともいうべきその魅力を読み解く。江國香織、松家仁之、湯川豊の三氏の対談、講演、評論を収録。1)須賀敦子の魅力(江國香織×湯川豊):「須賀敦子さんのエッセイはすべて<物語>になってしまう」と語る江國香織と『須賀敦子を読む』で読売文学賞を受賞した湯川豊の興味津々の対談。 2)須賀敦子を読み直す(湯川豊):起伏の多い人生から生まれた洗練された文章と堅牢な文学を読み解き、その物語性を分析する。 3)須賀敦子の手紙(松家仁之):新たに発見された、親友へ宛てた何通もの手紙を紹介。 4)須賀敦子が見ていたもの(松家仁之×湯川豊) 5)「新しい須賀敦子」五つの素描(湯川豊):父と娘、戦時下の青春、留学、イタリアでの新婚生活、信仰、読書体験、文体など多角的分析。他、略年譜も収録。
  • 優雅なのかどうか、わからない
    3.8
    1巻1,324円 (税込)
    Casa BRUTUS連載、待望の単行本化! 48歳にして再び独身になった主人公、匡(ただし)は、吉祥寺にある古い一軒家を老婦人に借り受け、自分好みに改装を始める。気楽な一人暮らしは、順調に滑りだすが、かつての恋人、佳奈とばったり再会。佳奈は、父親とふたりで同じ町に住んでいた……。 「気ままな一人暮らし。うらやましいかぎりだなあ。これを優雅と言わずして、なんと言う」。まわりにそう言われることに違和感を覚えつつ、佳奈との関係を取り戻したいと願う匡だが、彼女の父親は認知症となり、いつしかその介護に巻き込まれていく。自分の家と行ったり来たりの生活は、さらに思わぬ展開となり、どう暮らしたいのか、誰と生きたいのかの選択を否応なく迫ってくる---。 かつて妻や息子と暮らした代々木のマンション、一人になって借り受けた、井の頭公園に接した古い一軒家。吹き抜け、窓、灯り、テラス、暖炉、キッチン……随所にあふれる細かい家の描写が、物語に柔らかな深みを与えている。 流れるような美しい文体で描かれる、松家仁之の、新しい小説世界!
  • 沈むフランシス
    3.6
    1巻1,232円 (税込)
    北海道の小さな村を郵便配達車でめぐる女。川のほとりの木造家屋に「フランシス」とともに暮らす男。小麦畑を撫でる風、結晶のまま落ちてくる雪、凍土の下を流れる水、黒曜石に刻まれた太古の記憶、からだをふれあうことでしかもたらされない安息と畏れ。――五官のすべてがひらかれてゆくような深く鮮やかな恋愛小説。
  • 火山のふもとで
    4.4
    1巻1,672円 (税込)
    「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった――。物語は1982年夏、10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘ではじまる。国立現代図書館設計コンペの闘いと若き建築家のひそやかな恋を、この家とこの土地に流れた幾層もの時間が包みこむ。朝日、毎日、読売、東京、共同ほか各紙文芸時評で話題沸騰! 胸の奥底を静かに深く震わせる、鮮烈なデビュー長篇。

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  • 泡

    Posted by ブクログ

    薫は口から空気の吸い過ぎで、身体の中にガスがたまる吞気症を患っているのだ。
    常にお腹の張りを意識せざるを得ず、そのため絶えずお尻から空気を放出していなければならない状態だった。
    精神不安定さが顕著になった薫は、高校2年生になったと同時に登校しなくなる。
    薫は両親を説得し、夏休みの2ヶ月間、少年時から好意を抱いていた大叔父が住む西の砂里浜での転地療養を許してもらう。

    薫が転地療養で身を寄せる大叔父の兼定は、既に70歳半ばを超えた年寄りで、戦後シベリア抑留と云う過酷な過去があった。
    東京では生きる場所のないことを悟った兼定は、縁者が皆無の西の海沿いにある砂里浜と云う温泉地に生きて行く場を求め、そ

    0
    2024年05月22日
  • 泡

    Posted by ブクログ

    私の好きなテイストの小説。何か劇的なことが起きるでもなく、うまくまとめて大団円でもなく、これからうまく行かないこともありそうだけど、大叔父のもとで過ごした2ヶ月が主人公の転機になることには変わりないと思う。タイトルの泡はあ、そっちの泡ね!と。こんな雰囲気の店行ってみたいな。兼定大叔父のパートもヘヴィだけど読み応えあり。みんながそれぞれ干渉しすぎないところが最高。

    0
    2023年05月10日
  • 光の犬

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <poka>
    歩が亡くなることはかなり最初ほのほうで示唆されていたが、亡くなる場面以降、冷静に読み進められなくなってしまった。落ち着いてから気を取り直して読み終えました。

    0
    2023年02月26日
  • 火山のふもとで

    Posted by ブクログ

    <poka>
    坂西と雪子が夜の暗い道をホタルを見ながら歩く場面が好きです。
    読み終えるのがもったいなくて、2回読みました。

    0
    2023年02月26日
  • 光の犬

    Posted by ブクログ

    北海道の小さな町に生きた三世代の家族と、ともに生きた北海道犬の話。寒い土地を舞台にした静謐な物語。マクラウドの短編を思い出した。家族の分かり合えなさ。

    0
    2022年09月04日

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