作品一覧

  • 変身物語 上
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    1~2巻1,870~1,925円 (税込)
    古代ローマの詩人オウィディウス(前43-後17/18年)が残した唯一の叙事詩、待望されて久しい文庫版での新訳! 内乱が続いた紀元前1世紀の古代ローマは、その一方で「黄金時代」と呼ばれる詩や文学の最盛期でもあった。その初期を代表する詩人がウェルギリウス(前70-前19年)なら、後期を代表するのがオウィディウスであり、そのオウィディウスの代表作が本書『変身物語』にほかならない。 愛する男女の往復書簡という体裁をとる『名高き女たちの手紙』、恋愛詩人としての本領を発揮した『恋の歌』といった初期作品で知られるオウィディウスは、愛を成就させるための技法を性的なものまで含めて赤裸々に指南する『愛の技術』を書いたことが一因となって、のちに流刑の憂き目に遭った。このあと後期の円熟を遂げるオウィディウスが、ローマの祝日や祭礼の縁起を説く『祭暦』(未完)とともに着手したのが、本書『変身物語』である。 ウェルギリウスの『アエネイス』と並んでローマ文学における最高峰をなす本書は、オウィディウスが手がけた唯一の叙事詩であり、全15巻から成る大作となっている。その背景にあるのは「万物は流転する。すべての形あるものは生成しつつ、移ろう」(本書第15巻178行)と表現される世界観、宇宙観であり、事実、本書は原初の混沌から秩序としての世界の創造を歌う「序詞」から始まり、「金・銀・銅・鉄」の四時代、イアソンやテセウス、ヘラクレス、オルペウスといった英雄たちの時代、そしてトロイア戦争を経て初期の王の時代に至る壮大な世界史を描き出す。 その質においても量においても他を圧倒する本書が後世に与えた影響ははかりしれない。その代表が、シェイクスピアやミルトン、モンテーニュであり、ルーベンスやブリューゲル、ダリである。にもかかわらず、文庫版で手にできる現代にふさわしい日本語訳は長らく存在していなかった。数々の名訳で知られる訳者が自身のライフワークとして手がけたこの新訳は、今後のスタンダードとして長く読み継がれていくことを確信するものである。 「上」には第1巻から第8巻を収録。上下巻それぞれに「人名・神名索引」と「地名・民族名索引」を掲載した。
  • 生の短さについて 他二篇
    4.1
    生は浪費すれば短いが,活用すれば十分に長いと説く『生の短さについて』.心の平静を得るためにはどうすればよいかを説く『心の平静について』.快楽ではなく徳こそが善であり,幸福のための必要十分条件だと説く『幸福な生について』.実践を重んじるセネカ(前4頃―後65)の倫理学の特徴が最もよく出ている代表作3篇を収録.(新訳)

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  • 老年について 友情について
    4.5
    1巻1,265円 (税込)
    マルクス・トゥッリウス・キケロー(前106-43年)は、共和政末期のローマに生きた哲学者・弁論家・政治家として知られる。本書は、その最も人気のある二つの対話篇を定評ある訳者による新訳で一冊にまとめた待望の文庫版。「無謀は華やぐ青年の、智慮は春秋を重ねる老年の特性」、「友情においては地位や身分での分け隔てがあってはならない」──「老い」と「友情」という大切な問題についての古代の知恵が、ここに甦る。
  • はじめてのラテン語
    4.4
    1巻1,045円 (税込)
    あのローマ帝国を統べた共通語・ラテン語は、今なお欧米諸語の中にこんなにも生きている。ABC(アーベーケー)から文法まで、やさしく明快な入門・決定版!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 生の短さについて 他二篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    政治家であり、ストア思想の代表者として数えられるセネカの書。
    ストア哲学はその実用性(?)がゆえに多くのビジネス書でも取り上げられるケースが多いですね(といっても、私はビジネスの領域で哲学の活用をうたう安直な言説には否定的なのですが。人間として日々の一瞬一瞬を哲学的に生きられない者が、ビジネスシーンで哲学的にふるまうことが可能なのでしょうか?)。

    本書は表題にある『生の短さについて』のほか、『心の平静について』『幸福な生について』の三篇で構成されます。そのいずれを読むにつけ、身につまされる思いになります。。。

    『生の短さについて』でセネカは、「我々にはわずかな時間しかないのではなく、多くの

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    2024年02月11日
  • 生の短さについて 他二篇

    Posted by ブクログ

    生は浪費すれば短いが活用すれば長い…スマホに時間を溶かされている現代人必読の書。
    古代ローマの歴史ややギリシャ哲学についてもう少し勉強してから読み直したら、もっと面白いんだろうな…

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    2023年12月04日
  • 生の短さについて 他二篇

    Posted by ブクログ

    本棚整理していたら懐かしいと思って、以下感想(思い出し)

    「ジャネーの法則」、一生における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例するというというものや、「光陰矢の如し」と言われる通り、月日や人生の流れが早い様をあらわす言葉や考えはこの世にたくさんある。
    本書でセネカは、「われわれが人生を短くしているのだ。」、「われわれが人生を浪費しているのだ。」と述べている。
    人生をどう捉えるかは本人次第、加えて、運命の支配下にある未来に何もかも託したり、そのような未来のために今多忙を極め、月日を無駄にするのではなく、確定した過去と向き合い、今を生きる大切さを説いているように感じた。
    未来への自分への投資も立派

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    2023年11月17日
  • 生の短さについて 他二篇

    Posted by ブクログ

    生は浪費すれば短いが、活用すれば長い。人は、時間が無形であるため、時間の価値を見誤り、浪費してしまうことがほとんどである。
    ここまでの主張はとても刺さる。心に留め置きたい。
    しかし、真に生を活用できるのは哲学のために時間を使う人のみというのはどうだろう。90歳になっても弁護士をしている人も、他人に時間を奪われているとバッサリ切り捨てられていたが、本当にそうだろうか。最後まで人の役に立つことを願って生き続けるのも、案外悪くないんじゃないかと思うが、この答えは実際に死期を迎えないとわからないことだ。
    いずれにせよ、今を主体的に、大切に生きるということは忘れないようにしたい。

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    2023年11月04日
  • 老年について 友情について

    Posted by ブクログ

    好きな本Top10のひとつ。
    キケロが細平たい木の板で脛を思いっきり叩きにきます。痛いってば。嫌じゃないけど。

    訳の分からない本や新聞、ネットニュースを読む時間と手間はこの本を繰り返し読む事にこそ費やすべき。そんな本のひとつ。

    【日常生活で使えるサーカズム】
    もし誰かが「若い時はこんなんじゃなかった。今では(筋肉が衰えて)死んだも同然だ」と嘆いたなら、「可哀想なクロトナのミローだね」と言う。(心の声 愚か者め。死んだも同然はお前の筋肉などではなくお前自身だ。お前が有名なのはお前のおかげでなく、若い頃の筋肉と体力のおかげだ。)美貌や知力でも使えそう。

    屁理屈、生まれつきの性格によるなど、反

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    2023年07月24日

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